ときの忘れもの ギャラリー 版画
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建築家の版画

日本では、建築家=建築を設計する「技術者」と思われていますが、私たちは優れた建築家というのは、人間の住まう空間をデザインする「アーティスト」だと考えています。
その空間に身をおくだけで人間の精神に刺激を与えるような素晴らしい空間を創造する人、実際に建築が実現しなくとも、そのような空間を夢想する人、そんな建築家に私たちは憧れます。
レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロを挙げるまでもなく、ルネサンスの時代の画家は同時に建築家でした。絵画と建築は分かちがたく結びついていました。
古今の優れた建築家のなかには熱心にドローイングや版画を制作したひとたちがいます。
今では版画家として記憶されているジョバンニ・バティスタ・ピラネージは、実現した建築は極く僅かでしたがローマの建築家でした。しかし、実際の建築よりもピラネージが描いた版画(エッチング)はローマを訪れた旅行者によってヨーロッパ中に広まり、18世紀の人々の古代ローマやギリシャに対する見方を根底から覆してしまった。牢獄幻想や廃墟となった古代都市を描くピラネージの果てしない想像力は実際の建築としては実現せず、紙の上に豊かな実りをもたらしたのでした。
革命期フランスの建築家、ルドゥーは発注者のいない悲哀の中で自らの建築世界を版画によって永遠にとどめようとします。20世紀の鉄とコンクリートとガラスの建築をリードした巨匠、ル・コルビュジェは、精力的に世界各地に建築を残しましたが、その出発点は画家であり、生涯絵筆を離すことはありませんでした。版画も精力的に制作しています。
フランク・ロイド・ライトのドローイングの美しさには溜息がでます。

現代においても自らの建築世界を語る表現として、版画やドローイングを制作することに強い情熱を燃やす一群の建築家がいます。ときの忘れものでは、安藤忠雄、磯崎新、石山修武、マイケル・グレイヴスなどの版画やドローイングを長年にわたり扱い、また版画作品をエディションしています。
千駄ヶ谷のGAギャラリーや、乃木坂のギャラリー間は、優れた建築展を開催していますが、建築家の版画やドローイングを美術作品として専門に売買しているのは、日本ではときの忘れものだけです。

磯崎新は“建築家がなぜ版画をつくるのか”について、「いずれもその建築の基本コンセプトを抽象化し、視覚化してある。実際にできた建築は三次元的なものだし、内部に空間をかかえこんでいるから、その見えかたも体験のしかたも違っている。しかし、それが構想されるときには、手がかりとなるひとつの形式を導入せねばならない。版画で表現しようとしているのは、その部分である。だから、建築が、建築家の手からうまれでていくその瞬間のイメージの視覚化といっていい。それと同時に、建築家が自分の仕事をもういちど解釈しなおそうとしている部分もある」と述べています。

「ときの忘れもの」は安藤忠雄、磯崎新、石山修武らのほとんどの版画に版元として携わり、制作をサポートし、版画集や画文集をプロデュ−スしています。詳しくはパンフレットをご請求下さい。

 

安藤忠雄

1941年大阪生まれ。独学で建築を学び、69年安藤忠雄建築研究所設立。1997年東京大学教授に就任。神戸震災復興にも尽力している。代表作は、住吉の長屋(大阪)、六甲の集合住宅(兵庫)、水の教会(北海道)、光の教会(大阪)、 '92セビリア万博日本館(スペイン)、大阪府立近つ飛鳥博物館、サントリーミュージアム[天保山](大阪)、ファブリカ・ベネトンアートスクール(イタリア)など。日本建築学会賞、芸術選奨文部大臣賞新人賞、毎日芸術賞、日本芸術大賞、アーノルド・ブルンナー記念賞、プリツカー賞などを受賞。文字通り世界が最も注目している建築家。ドローイングは若いときから夥しい数を制作しており、版画も1984年に現代版画センターのエディションとして「SCENE1/WALL」「SCENE2/CROSS」を制作して以来、1998年にはときの忘れものから10点組の版画集を発表している。モノトーンのドローイングや版画作品は世界各地の建築展などで高い人気を獲得しています。
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石山修武

1944年生れ。早稲田大学教授。1975年幻庵で衝撃的なデビューを飾る。伝説的な左官職人をテーマに職人の手技を結集した伊豆の長八美術館で1985年吉田五十八賞。リアス・アーク美術館で1995年日本建築学会賞。1996年ヴェネチア・ビエンナーレに参加、震災の瓦礫が散乱する廃墟を出現させた作品により金獅子賞を受賞。ドローイングは以前から発表していたが、版画は2004年にときの忘れものの個展のために銅版画を手がけて以来、精力的に制作している。
著書に「建築家、突如雑貨商となり至極満足に生きる」デジタルハリウッド出版局/「現代の職人」晶文社/「笑う住宅」筑摩書房/「秋葉原感覚で住宅を考える」晶文社/など。
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磯崎新

1931年大分生まれ。54年東京大学大学院建築学博士課程修了。
63年磯崎新アトリエ設立。代表作は、大分県立中央図書館、群馬県立近代美術館、つくばセンタービル(茨城)、ロサンゼルス現代美術館(アメリカ)、バルセロナ市オリンピック屋内競技場(スペイン)、秋吉台国際芸術村(山口)、静岡県コンベンション・アーツセンター、なら 100年会館(奈良)など。日本建築学会賞、文部省芸術選奨文部大臣賞新人賞、毎日芸術賞、アーノルド・ブルンナー記念賞、シカゴ建築賞、アメリカ建築家協会名誉賞、英国王立建築家協会名誉会員、ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展金獅子賞、スペイン文民功労勲章大十字賞などを受賞。建築のみならず、美術、文学、音楽、演劇等あらゆる文化ジャンルとの交流、対話を積極的に展開し、世界の同世代や若い世代の建築家たちに大きな影響を与え続けている。日本人建築家としては最も版画制作に意欲的で、1977年以来、制作した版画作品は数百点にのぼり、各種国際展や版画による個展なども多数開催している。連刊画文集『栖十二』に続き、2001年からスタートした磯崎新連刊画文集《百二十の見えない都市》は、植田実の企画・編集により、1年で12都市、10年かかって120都市を版画と書き下ろしエッセイで描ききるという壮大なプロジェクトです。
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マイケル・グレイヴス Michael Graves

1934年アメリカ・インディアナ ポリス生まれ。シンシナティ大学建築学科卒。ハーバード大学建築学科修士課程修了後、ローマのアメリカン・アカデミーに学ぶ。代表作は、ファーゴ・ムーアヘッド文化センター、ポートランド・ビル(オレゴン)、ヒューマナ・ビルディング(ケンタッキー)、百地浜の集合住宅(福岡)、御堂筋ミナミ・ビル(大阪)、アルテ横浜(横浜)ほか。ローマ・アメリカン・アカデミー会員、アメリカ建築家協会名誉賞、アーノルド・ブルンナー記念賞などを受賞。
ポスト・モダンの旗手として現代の最も人気のある建築家。チャーミングな色彩とフォルムによる版画やドローイングは発表のたびに大きな反響を呼んでいます。  
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ダグラス・ダーデン DOUGLAS DARDEN

1951年アメリカ、コロラド州デンバ ーに生まれる。 1976年ニューヨークのパーソンズ・スクールで、デザインを学ぶ。1983年ハーバード大学大学院を特別優等賞を得て卒業。以後、ハーバードとコロンビア大学で設計指導にあたる。1988年ローマ賞受賞、一年間ローマのアメリカン・アカデミーで研究。1990年よりコロラド大学客員教授。1983年より、ニューヨーク、シカゴ、ワシントンDC、オスロ、東京、大阪等世界中で、理論的なドローイング展を催 す。1992 年シカゴでドローイング展、プリンストン出版社より作品集を刊行。1996年死去。
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ル・コルビュジエ Le Corbusier

1887年スイスのジュラ地方ラ・ショー・ド・ファン生まれ。本名シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ。1906年初めての住宅[ファレ邸]を設計。1917年パリに出るが、翌年左目を失明する。『エスプリ・ヌーボー』の創刊に関わり、美術運動にも参加。1922年建築事務所設立。代表作[サヴォア邸][ロンシャン礼拝堂][ラ・トゥーレット修道院][国立西洋美術館]他。1965年水泳中にカプ・マルタンで死去(78歳)。
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ジョバンニ・バッティスタ・ピラネージ Giovanni Battista Piranesi

1720年ヴェネツィア共和国モリャーノに生まれる。建築家、考古学者、版画家。父と叔父から建築、特に透視図法と舞台装飾を学ぶ。1740年ローマに行きエッチング技法を学ぶ。1743年作品集《建築と透視図法第一部》を出版。
1745年以降はローマに定住し、壮大な建築計画を銅版画に刻んだ。建築家として実現した建物は『サンタ・マリア・デル・プリオラ−ト聖堂』など数少ないが、1000点もの銅版画を残した。1778年没。
版画代表作=《グロテスキ》《ローマの景観》《牢獄》《古代ローマ》《ローマの遺跡》等。
今では版画家として記憶されているジョバンニ・バッティスタ・ピラネージは、実現した建築は極く僅かでしたがローマの建築家でした。しかし、実際の建築よりもピラネージが描いた版画(エッチング)はローマを訪れた旅行者によってヨーロッパ中に広まり、18世紀の人々の古代ローマやギリシャに対する見方を根底から覆してしまった。牢獄幻想や廃墟となった古代都市を描くピラネージの果てしない想像力は実際の建築としては実現せず、紙の上に豊かな実りをもたらしたのでした。

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