若林奮 Isamu WAKABAYASHI
1936年東京生まれ。59年東京芸術大学卒業。62年二科展で金賞。67年第2回現代日本彫刻展で受賞。80,86年ヴェネツィア・ビエンナーレに出品。87年東京国立近代美術館・京都国立近代美術館で[今日の作家 若林奮展]を開催。96年中原悌二郎賞受賞。99年多摩美術大学教授。鉄や銅、鉛などの素材を使い、深い自然観に基づく思索的な作品を制作した。2003年芸術選奨文部科学大臣賞受賞。同年10月に永逝。
若林さんが、生前700点もの版画作品を制作したと聞くと驚かれるかも知れません。ときの忘れものの近くに[Radio]という「日本中の学芸員がその名を知りながら、(高級過ぎて)誰も行ったことのない」バーがあります。正確にはセカンドで、最初の[Radio]はもう少し離れた神宮前にありました。緊張感溢れる鉄の壁面、分厚い木のカウンター、まるごと若林先生の作品でした。誰かあのバーを再開してくれませんか。