ジャン=ウジェーヌ・アジェ Jean-Eugene ATGET
フランスの写真家。1857年フランス南西部のリブルヌに生まれる。両親を亡くし、5~6歳頃に叔父に引きとられる。1879年に音楽家や俳優を養成する学校のコンセルヴァトワールに通うが、兵役のために演劇学校を中退し、地方回りの役者になる。1886年、生涯の伴侶となる女優ヴァランティーヌ・ドラフォスに出会い、旅回りを続ける。1897~1902年の間にヴァランティーヌはラ・ロッシュで公演をするが、アジェは1898年に劇団を解雇される。
一人パリに戻って、画家を目指すが、生活のために写真を撮り始める。初期の頃は、路上で物売りする人々の写真を撮っていたが、20世紀前後のパリの建築物や室内家具などを撮り始める。30年間に約8000枚の写真を残し、作品の多くは、死後発掘公表された。フランス第三共和政下のパリの様子をとどめた貴重な記録であり、都市風景を撮影する手本として評価された。
1927年歿。