前川千帆 Senpan MAEKAWA
1888年京都生まれ。1906年頃から雑誌への投稿がはじまる。挿画のほか俳句や短歌、小文も手がけ、しばしば掲載された。1907年浅井忠、鹿子木孟郎に師事。1911年上京。1917年に日本最古のアニメーション映画「なまくら刀」を幸内純一とともに制作。1922年日本創作版画協会会員となる。漫画家として名を成すかたわら木版画を手がけ、清澄な彫摺と躍動感のあるユーモラスな造形により独自の作風を拓いた。庶民のつましくも平和な日常に温かなまなざしを注ぎ、同時代の女性たちの姿を描き続けた。恩地孝四郎・平塚運一とともに創作版画の御三家と称された。1960年永逝。