松永伍一・吉原英雄詩画集「少年」

発行:1977年2月23日

1977年2月23日松永・吉原詩画集少年A
1977年2月23日松永・吉原詩画集少年B


1977年に現代版画センターから刊行した詩画集『少年』
少年表紙少年奥付

この詩画集の装丁者・池田令子とは社長のことです(つまり結婚前の彼女の仕事です)。

少年1少年2松永伍一「早春譜面」
ちちの愛をはんぶん
ははの愛をはんぶん
体温にもらいうけてぼくが育つ
はさまれているからぼくの蕾がふくらむ
ちちもねむるだけが夜
ははもねむるだけが夜
ぼくはちちに代る<男>を夢みる
ぼくはははの湖をおもう<男>に近づく
はさまれて早春
みそさざいが沼をとぶ朝ぼくの罰は
ははの乳房のうえで
ちちの力失った敵をのぞきこむ
・・・・・・・・・詩画集『少年』より

少年3少年4もし自分が毒をつめた少年であったらどんなに幸福だろう、とぼくは40年近い過去へ思念の旅を試みたのである。詩画集の話があったとき、「少年をうたうべきだ」と決めたのは、永年の宿題を解くことができると思ったからでもあった。そこで吉原英雄さんと組ませてもらったのもうれしい。詩を書かない吉原さんの「内なる少年」はきっとぼくを嫉妬させるだろうと心を弾ませたのも、得難い付録だった。
・・・・・松永伍一 「少年」という宿題(1977年)より

少年5少年6松永伍一・吉原英雄詩画集『少年』
 1977年 リトグラフ3点+銅版3点入り
 31×25cm 布貼りたとう・函入り
 Ed.85 各作品にサイン入り

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