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<<今週の話題・・・加山又造全版画展>>
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いま、東京の日本橋高島屋で「加山又造全版画展」が開催中です(27日まで)。昨年4月に76歳で亡くなった日本画の巨匠加山又造が生涯に発表し
た全版画作品155点を展観するもので、もちろん初めての試みです。展示は、銅版、リトグラフ、木版と分けて展示され、それらの作品からは、作
家の版画に対する熱意が伝わってきます。それぞれの作品のキャプションにはタイトル、技法、制作年、版数、刷り師、彫り師が表記されており、
展示する側からも版画に対する敬意を感じました。
銅版作品では、同一作品で、色を使ったものとモノクロのものを並べて展示したり、アトリエに残された未発表の版を刷った作品を特別に展示して
います。
藤田嗣治の線を思わせるようなリトグラフの作品群も素晴らしく、レイエされたジンク版も展示されていました。また、今回の展示を見て、ひとつ
の作品に使用される版の数が多いのに驚かされました。銅版でも5版、6版は当たり前で、木版作品になると、60版150刷(彫りと刷りは職人の方で
す)というような信じられないものもありました。もちろん、版が多ければ名作であると言うわけではありませんが、より高いものを求める作家の
姿勢が現れていると思います。このあと、9月に京都の高島屋に巡回するようですが、ぜひご覧いただきたい展覧会です。
もうひとつこの展覧会に期待したのは、全版画作品が網羅されたレゾネとなるべき展覧会カタログでしたが、それはあっさり裏切られ、300円の冊
子しかありませんでした。思わず売店の年配の女性に「なぜ作らなかったのですか」と詰め寄ってしまいましたが、言われたほうもとんだ迷惑だっ
たでしょう。でも、この会期中たくさんの人に同じことを言われるに違いありません。きっと既にカタログレゾネを出版するような話しが進んでい
て、ここで中途半端なものを出すわけには行かなかったのではないかと私は踏んでいます。
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<<オークション出品ラインナップ決定!>>
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前回のニュースレターでもお知らせしましたように、24日(金)~26日(日)の三日間、青山のときの忘れものを会場に入札方式のオークションを
開催いたします。すでにホームページに出品リストが掲載されており、そこから入札が出来ますので、詳細はときの忘れものホームページをご覧下
さい。
さて、今週のオークションです!
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◆たいへん人気の高いベルナール・ビュッフェのオリジナル・リトグラフ3点入り
「ビュッフェ Buffet リトグラフ・レゾネ第1巻」(1979年 DRAEGER刊)
◆創作版画といえば、恩地孝四郎と谷中安規。それぞれの作品が挿入された「書窓」2点を出品中!
◎「書窓 9号」(1935年12月号)谷中安規の代表的作品「月のロケーション」入り
◎「書窓 13号」(1936年4・5月合併号)編集者でもある恩地孝四郎の木版画「花」が挿入
<<今週の話題・・・加山又造全版画展>>
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いま、東京の日本橋高島屋で「加山又造全版画展」が開催中です(27日まで)。昨年4月に76歳で亡くなった日本画の巨匠加山又造が生涯に発表し
た全版画作品155点を展観するもので、もちろん初めての試みです。展示は、銅版、リトグラフ、木版と分けて展示され、それらの作品からは、作
家の版画に対する熱意が伝わってきます。それぞれの作品のキャプションにはタイトル、技法、制作年、版数、刷り師、彫り師が表記されており、
展示する側からも版画に対する敬意を感じました。
銅版作品では、同一作品で、色を使ったものとモノクロのものを並べて展示したり、アトリエに残された未発表の版を刷った作品を特別に展示して
います。
藤田嗣治の線を思わせるようなリトグラフの作品群も素晴らしく、レイエされたジンク版も展示されていました。また、今回の展示を見て、ひとつ
の作品に使用される版の数が多いのに驚かされました。銅版でも5版、6版は当たり前で、木版作品になると、60版150刷(彫りと刷りは職人の方で
す)というような信じられないものもありました。もちろん、版が多ければ名作であると言うわけではありませんが、より高いものを求める作家の
姿勢が現れていると思います。このあと、9月に京都の高島屋に巡回するようですが、ぜひご覧いただきたい展覧会です。
もうひとつこの展覧会に期待したのは、全版画作品が網羅されたレゾネとなるべき展覧会カタログでしたが、それはあっさり裏切られ、300円の冊
子しかありませんでした。思わず売店の年配の女性に「なぜ作らなかったのですか」と詰め寄ってしまいましたが、言われたほうもとんだ迷惑だっ
たでしょう。でも、この会期中たくさんの人に同じことを言われるに違いありません。きっと既にカタログレゾネを出版するような話しが進んでい
て、ここで中途半端なものを出すわけには行かなかったのではないかと私は踏んでいます。
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<<オークション出品ラインナップ決定!>>
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前回のニュースレターでもお知らせしましたように、24日(金)~26日(日)の三日間、青山のときの忘れものを会場に入札方式のオークションを
開催いたします。すでにホームページに出品リストが掲載されており、そこから入札が出来ますので、詳細はときの忘れものホームページをご覧下
さい。
さて、今週のオークションです!
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◆たいへん人気の高いベルナール・ビュッフェのオリジナル・リトグラフ3点入り
「ビュッフェ Buffet リトグラフ・レゾネ第1巻」(1979年 DRAEGER刊)
◆創作版画といえば、恩地孝四郎と谷中安規。それぞれの作品が挿入された「書窓」2点を出品中!
◎「書窓 9号」(1935年12月号)谷中安規の代表的作品「月のロケーション」入り
◎「書窓 13号」(1936年4・5月合併号)編集者でもある恩地孝四郎の木版画「花」が挿入
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