朝6時起き。眠い気持ちも吹き飛ぶほどの、でも小走りで東京駅へ向かった。そう、今日から弘前ツアー。8時28分発新幹線はやての中で集合。駅弁を購入して乗り込んだ。緑蔭小舎の柳田冨美子さん、植田実さん、綿貫さん令子さん三浦さん私は同じ車両。雑誌『室内』の塩野さんとナイト・スタディ・ハウスの菅野さん、システム開発をされている小林さんご夫妻は別の車両。さらに建築家の河村容治さんと原口慎也さん大宮優永さんご夫妻も別の車両に・・・。私は、新幹線の中で座談会に向け石場さんから送られてきた資料で猛勉強。弘前住民の方が事前アンケートに答えてくれた資料を読みながら初めての東北の景色も見逃すまいと集中できずにいた。八戸で特急つがるに乗り換え、ゆっくりと私たちを運んでくれる。弘前には13時7分に到着した。風が少し冷たい。ここで初めて東京参加組が全員顔を合わせた。タクシーで石場旅館に向かい、たくさんの人に迎えられたが、挨拶も早々に“弘前建築ツアー”と書かれたバスへと乗り込んだ。ガイドを担当してくれるのはAXIS建築計画工房の清水弘一さん、津軽弁でのガイドだ。東北の人は寒いからあまり口を開けずに話し、聞き取りにくいという印象を持っていたので、ジーッと観察してみた。そうでもない。生津軽弁は初耳だったので、温かいという印象を受けた。今回の建築ツアーでどの建築を見学して回るかというのは、『ぷらっと建物探訪』の著者である古跡昭彦さんが念入りに考えてくださった。その古跡さんが先日お亡くなりになられた。このツアーはきっと古跡さんの魂が宿っている。必ず皆が満足できるツアーになるはず・・・。まず、前川國男さんの処女作、木村産業研究所(1932年)を見学。師匠であるフランスの建築家ル・コルビュジエの近代建築5つの要素が組み込まれて表現されていると言われている作品だ。清水さん曰く、壁から離れた所に位置する太い柱が特徴。続いて弘前市民会館(1964年)・市立博物館(1976年)へ移動。ホールの中も見せていただき、外観を見るためぐるっと一周。みんなして、「おぉー」とか「いいねーこれは。」とか「こりゃすごいなー」と様々に感嘆し、パシャパシャ写真を撮っている。次は吉野レンガ倉庫、レンガとセメントの割合がレンガの色をいい具合に強調しているように思えた。清水さんはこの日のためにものすごく勉強をしてくださったそうだ。地元の人でも入れない場所も、私たちは入ることができた。これも石場さんと協力してくださった住民の方のお蔭です。重要文化財に指定されている旧第五十九銀行本店本館は、NHKの朝の連ドラに使用して欲しいと思うくらい綺麗なままで立派である。百石町展示館は壁に階段の跡などあり、前にあるリンゴのお菓子屋さん「ラグノウ」でお土産を購入した。夕食の時間まで少し時間があったので、今日の建築ツアーのラストとして重要文化財である江戸時代中期の建物石場家住宅(石場屋酒店)を訪ねた。時代を感じさせる趣のある空間。住人がいろりを囲み、私たちを全く意識してない様子で談話をしている。私からみえた弘前建築の印象として、弘前にある前川國男建築は、箱のように塊になっていないからか重たくない。サッシュのディテールは凝っているな・・・なんて、大学で建築を学んできた人とは思えないコメントしかできすに申し訳ないです。どうかご失笑を・・・
石場旅館に戻り、私は皆より一足先に会場である旧・弘前無尽株式会社社屋(1927年)の三上ビルに入り、今日の主催者・石場創一郎さんからイベントの進行説明を受けた。建築ツアー中、建築の撮影をしてくださった高橋さんが写真を映し出してくれる係り、プロジェクターも準備されていてなかなか本格的。古跡さんのご遺族の方も座談会にいらっしゃいました。コメンテーターである建築評論家の植田実先生、青木淳事務所で青森県立美術館を担当された寶神尚史さんと村山徹さん、八戸在住の写真家柏瀬八峰さん、弘前で大工をしている伊熊夏樹さん、そして司会の私が前に座り、打ち合わせもろくにできないまま座談会がスタートした。まず、それぞれの自己紹介。植田先生以外の皆さんはコメンテーターは初めて。そのわりに雄弁だな~と思いながら、私も客席側の立場で聞いていた。まず、植田先生が「弘前に“建築”はあるか――」という題名にした理由を述べた。そして『事前アンケートの「好きな建築はなんですか?」という質問に対し、「“自分の家”と挙げている人が過半数、残りの人はサクラダファミリアやタージ・マハルといった世界的にも超有名な建築を挙げている。中間がなくてとても面白い。 好きな建築は自分の家であること、それでいいのだ」とコメントされた。私は、悲しいことに自分の家を建築として見たことがなかったな・・・と思いながら聞いていた。写真を観ながら弘前建築ツアーの感想をコメンテーターの皆さんが話をしてくださった。色使いの事、良い形で残していって欲しいと。寶神さんと村山さんは、青森県立美術館について、また、建築に携わるようになった理由などを話してくださった。柏瀬さんは、撮影している好きなショット、ウィンドウに写る景色を写真と一緒に説明された。伊熊さんはガテン系なコメント。あんな面白い大工さん出会ったことないな・・・。植田先生は私の司会を助けて下さり、客席に座っている東京組の大宮優永さんや柳田冨美子さん、河村容治さんに話をふり、和やかなムードになった。最後に綿貫さんも「弘前が素晴らしい建築都市である」と話し、8時に座談会は終了。集ったお客様は約65人と聞いた・・・。
その後、立食パーティーが行われ、お酒を飲みながらそれぞれコミュニケーションタイム。河村先生と私は数ヶ月前のナイト・スタディ・ハウスでお会いしていたことに気付いた。そして、原口慎也さんはなんと鹿児島出身。大宮さんに鹿児島弁で会話して!と言われたが、そう言われると出てこない。2次会はゆったりできるバーへ移動。生まれた場所も環境も年齢さえ違うのに、初めて出逢ったとは思えないほど親しくなる。話は尽きないが、時間は刻々と過ぎ去る。12時を回り、少しだけ眠たくなってきた。それでも話は尽きない。今日はこの辺で・・・夜は一段と冷え込む。冬の匂いがした。石場旅館に戻り、就寝。
石場旅館に戻り、私は皆より一足先に会場である旧・弘前無尽株式会社社屋(1927年)の三上ビルに入り、今日の主催者・石場創一郎さんからイベントの進行説明を受けた。建築ツアー中、建築の撮影をしてくださった高橋さんが写真を映し出してくれる係り、プロジェクターも準備されていてなかなか本格的。古跡さんのご遺族の方も座談会にいらっしゃいました。コメンテーターである建築評論家の植田実先生、青木淳事務所で青森県立美術館を担当された寶神尚史さんと村山徹さん、八戸在住の写真家柏瀬八峰さん、弘前で大工をしている伊熊夏樹さん、そして司会の私が前に座り、打ち合わせもろくにできないまま座談会がスタートした。まず、それぞれの自己紹介。植田先生以外の皆さんはコメンテーターは初めて。そのわりに雄弁だな~と思いながら、私も客席側の立場で聞いていた。まず、植田先生が「弘前に“建築”はあるか――」という題名にした理由を述べた。そして『事前アンケートの「好きな建築はなんですか?」という質問に対し、「“自分の家”と挙げている人が過半数、残りの人はサクラダファミリアやタージ・マハルといった世界的にも超有名な建築を挙げている。中間がなくてとても面白い。 好きな建築は自分の家であること、それでいいのだ」とコメントされた。私は、悲しいことに自分の家を建築として見たことがなかったな・・・と思いながら聞いていた。写真を観ながら弘前建築ツアーの感想をコメンテーターの皆さんが話をしてくださった。色使いの事、良い形で残していって欲しいと。寶神さんと村山さんは、青森県立美術館について、また、建築に携わるようになった理由などを話してくださった。柏瀬さんは、撮影している好きなショット、ウィンドウに写る景色を写真と一緒に説明された。伊熊さんはガテン系なコメント。あんな面白い大工さん出会ったことないな・・・。植田先生は私の司会を助けて下さり、客席に座っている東京組の大宮優永さんや柳田冨美子さん、河村容治さんに話をふり、和やかなムードになった。最後に綿貫さんも「弘前が素晴らしい建築都市である」と話し、8時に座談会は終了。集ったお客様は約65人と聞いた・・・。
その後、立食パーティーが行われ、お酒を飲みながらそれぞれコミュニケーションタイム。河村先生と私は数ヶ月前のナイト・スタディ・ハウスでお会いしていたことに気付いた。そして、原口慎也さんはなんと鹿児島出身。大宮さんに鹿児島弁で会話して!と言われたが、そう言われると出てこない。2次会はゆったりできるバーへ移動。生まれた場所も環境も年齢さえ違うのに、初めて出逢ったとは思えないほど親しくなる。話は尽きないが、時間は刻々と過ぎ去る。12時を回り、少しだけ眠たくなってきた。それでも話は尽きない。今日はこの辺で・・・夜は一段と冷え込む。冬の匂いがした。石場旅館に戻り、就寝。
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