イタリア北部の町、ボルツァーノでのアートフェアは、期待と願望に反して無念な結果に終わりましたが、イタリアで制作を続ける(続けた)二人の作家の珍しい作品がはいってきたので、ご案内します。
二人とも日本人離れしたところのある好漢で、何事も曖昧なままに済まそうとする日本的なべたりとした関係をきっぱり拒絶できる「孤」の力を備えた人です(でした)。
小野隆生1983年素描
小野隆生「女性像」
1983年 素描 39×29cm サインあり
Sold

私が手にした素描では最も古いもので、ずっと小野ファンの方が所蔵していたものです。
初期の少し固い雰囲気と初々しさが混じりあった作品です。

  
森下慶三シルク
森下慶三「想像の風景」より
1980年頃 シルクスクリーン
31.5×38.0cm Ed.75 サインあり

水平線に浮かぶ島影、独特の空間意識に支えられた想像の風景を一貫して描き続けた森下さんは私より一歳上でしたが、会ったときの印象ははるかに上で、さすが在学中にサン・フェレーデ賞展で受賞、若くしてスタジオ・マルコーニの契約作家になっただけあって颯爽たるものでした。
2003年4月5日ミラノで不慮の事故の為、59歳で急逝。
あちらで十二分の評価を獲得していたので、日本で作品を見つけるのは難しい。知られざる異才といえるでしょう。

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◆梅の花がほころび、青山墓地の桜の開花が待たれるこの頃ですが、マルセル・デュシャンの「大ガラス」連作をはじめ、瑛九駒井哲郎クレーカンディンスキー草間彌生日和崎尊夫磯辺行久オノサト・トシノブハインリッヒ・フォーゲラー、アンドレ・マッソン、山村耕花、安藤忠雄、フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー、森下慶三などを展示中です。
デュシャン4
春の展示
2010年3月10日[水]―3月18日[木] 12:00-19:00 *日・月曜、祝日休廊

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