昨日から始まった「銀塩写真の魅力II-Noir et Blanc」の出品作品を順次ご紹介してまいります。
本日は、新作個展の終わったばかりのジョック・スタージスです。
新作展ではカラー作品ばかりでしたが、本展ではモノトーンのゼラチンシルバープリントを出品しています。
スタージスは、フランスのナチュリスト・ビーチで夏を過ごす家族を毎年撮り続けています。モデルとなる家族とは強い信頼関係で結ばれており、多くの家族が長期にわたって被写体となっています。そのなかには少年少女も含まれていますが、今、時おり話題になる「児童ポルノ」とはまったく異なるものであることは作品を見ていただければご理解いただけると思いますし、メトロポリタン美術館をはじめとする数多くのパブリック・コレクションに加えられていることもその証左となるでしょう。
自然のなか、自然の姿で夏のひとときを過ごす彼らの、きらめくような一瞬を留めたスタージスの作品は、見るものの心にある自然への憧憬を呼び起こします。

ジョック・スタージス Jock STURGES
1947年ニューヨーク生まれ。マールボロ大学およびサンフランシスコ・アート・インスティテュートで写真を専攻。北カリフォルニアやフランスのビーチでヌーディストの家族のポートレートをその美しい自然の中で撮り続けている。8×10の大型カメラで撮影されたモノクロームおよびカラーのプリントは、少女の清冽な美しさ、家族の愛情、自然の詩情を湛えた作品として高い評価を得ている。

◆ときの忘れものは、2010年8月27日[金]―9月4日[土]まで「銀塩写真の魅力II―Noir et Blanc」を開催しています(会期中無休)。
案内状画像600
マン・レイやアンドレ・ケルテス、篠山紀信、荒木経惟、植田正治らによるゼラチン・シルバー・プリント作品を展示します。
会期中の9月3日(金)19時より、原茂さんをホストに、大河原良子さんをゲストにお招きして「第一回写真を買おう!! ときの忘れものフォトビューイング」を開催します(要予約、参加費1000円)。
第一回目となる今回は、原さんご自身のコレクションから、アジェ、ベロック、植田正治、高梨豊、荒木経惟などオールドマスタークラスのプリントをご覧いただきながら、ギャラリーとコレクターの関係についてゲストの大河原さんとお話しいただきます。また、ときの忘れもののコレクションからマン・レイ、細江英公のプリントを当日限りの特別価格で頒布するほか、原さんのコレクションもご購入いただけます。写真のコレクションを考えていらっしゃる方は、どうぞご参加ください!
参加希望者はメール、または電話でお申し込みください。