ときの忘れもの”今週のオークション 2010.10.29
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<<ギャラリーときの忘れものだより>>
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ただいま画廊では、「S氏コレクション駒井哲郎PART II展」を開催中です。昨年の「PART I」では、ひとつの作品を複数の刷りでコレクションするというS氏の「異端」ぶりを垣間見ていただきました。駒井哲郎の生誕90周年の今年は、「銅版画の詩人」と謳われ、叙情的な面が高く評価される駒井版画の奥底に流れるものを掬いあげ、S氏コレクションの二つ目の特色である「生命あるものへ」の視点を凝縮した展示を30点の作品でご覧いただきます。銀座の資生堂ギャラリーでも資生堂名誉会長の福原義春氏の個人コレクションによる駒井哲郎展が始まりました。二人の個人コレクターによるそれぞれの思いを込めた駒井展をどうぞ見比べてください。11月6日(土)まで、会期中無休です。
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<<今週の話題~ じゃじゃ馬馴らし >>
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先日発表された文化勲章の受章者に安藤忠雄さん、文化功労者に細江英公さんが選ばれるなど、ときの忘れものの作家のお名前があってたいへん喜んだ次第ですが、演劇界では演出家の蜷川幸雄さんが文化勲章を受章されました。その蜷川さん演出の「じゃじゃ馬馴らし」を見てきました。行ったのが受章が発表された翌日でしたが、すでにお祝いの花輪が並んでいました。シェークスピアはいくつか見ていますが、この作品は初めてで、劇中劇のスタイルで演じられるこの話の内容が、あまりに前時代的男尊女卑物語で、ちょっと驚きました(この解釈には異説もあるようですが)。この作品を見に行った理由は、主演が市川亀治郎と筧利夫であったためで、二人とも期待以上の演技で、会場は大いに盛り上がりました。亀治郎は女性の役ですが、時折、歌舞伎調で凄んで見せたりするのが効果的で、それがまた猿之助にそっくりな声と口調だったので、思わず「澤瀉屋!」と声を掛けたくなります。筧利夫の誰も真似の出来ないエキセントリックな演技は今回も全開で、この役はシェークスピアが筧利夫のために当て書きしたのではないかと思わせるほどの出来でした。カーテンコールでは客席もスタンディングオベーションとなり、誰もが満足して劇場を後にしました。やはり、芸術は、何でも生で見るのが最高です。
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<<今週のオークションから>>
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◎黒田征太郎 シルク「BIRD IN FLIGHT」作家手彩色の額付
◎小川信治 シルク「WITH OUT YOU 聖書の大冒険」
◎中村忠二 水彩画「ヒマワリ」額付
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◆ペシャワール会支援チャリティー・オークション!
http://search.auctions.yahoo.co.jp/search/auc?p=%CB%BA%A1%FA%A1%A1%A5%DA%A5%B7
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ペシャワール会支援のためのチャリティー・オークションも4年目を迎えました。今後も引き続き行いますので、趣旨をご理解いただき、コレクションをしつつ、支援活動ができるというチャリティー・オークションにご協力くださいますようお願い申し上げます。ぺシャワール会は、1983年9月、中村哲医師のパキスタン北西辺境州ならびにアフガニスタンでの医療活動を支援する目的で結成されました。2000年夏からは戦乱についで今世紀最悪の干ばつに見舞われたアフガニスタンの村々で約1,000カ所以上の水源(井戸、カレーズ)確保作業を継続しています。その活動の支援として、2006年1月から毎週、コレクション作品を継続してヤフーオークションに提供します。落札者の方には、落札金額の全額を「ぺシャワール会」の郵便替口座に振り込んでいただきます。目標は、1,000万円です!どうぞご協力よろしくお願いいたします。
★先週ご協力いただいた金額  0円 
★目標まであと 9,546,324円 ご協力よろしくお願いいたします!