若い作家たちとの付き合い(といってもそうはないのだが)にはメールでのやり取りが多い。
昔「電話魔」と言われ、「せめて電話を半分にしたら随分仕事が楽になるのに」と言われた亭主であったが、最近は電話などかけない、もっぱらメールである(機械音痴の亭主でもメールくらいは打てる)。
ある若くて美しい作家が先日訪ねてきた。
いつもなら食事(つまり酒だが)に誘うのだが、体調が思わしくなく、後でその旨をメールで詫びた。
折り返し彼女からメールがきた。
どうぞお体には気をつけてくださいませ。
どんなに心配でも健康は分け合えないのが残念です。
(分かち合えるのは売り上げだけです...。)
~ん。名言至言!
<分かち合えるのは売り上げだけ>
これからはときの忘れもののモットーはこれにしよう。
長年にわたり(60年!)作家を支え、文字通り売り上げを分かち合っている稀有な街がある。
福井県大野市で、「靉嘔<新作・大作>展~虹男・虹女が大野城に現われた」が開催されています。
2010年10月23日(土)~11月3日(水)会期中無休
主催:越前大野城築城430年祭・靉嘔展実行委員会
会場;越前大野城


「桃源郷」は理想郷或いはユートピアの代名詞となっている中国5世紀の大詩人陶淵明によって書かれた物語です。トンネルを抜けて眼下にする大野盆地は60年来ぼくの桃源郷です。その大野の表徴の大野城にぼくの何かをぶつけたい衝動が今度の試みになりました。
今年の秋、あるがままの大野城内にぼくの分身の虹の男女を立たせたいと思います。タイトルは「虹男(こうなん)・虹女(こうじょ)が大野城に現れた」です。異星人・或いは大野の友人の親戚のどちらに見えるでしょうか。
2010年6月23日 靉嘔
茨城県生まれの靉嘔先生が、いわば縁もゆかりもなかったはずの福井県のそのまた山奥の大野で開催する展覧会はこれで何度目だろうか。
あるときは町の公民館で、あるときはお寺で。町には画廊などもちろんない、美術館もない。
人口4万人にも満たない小都市には、日本百名山のひとつ「荒島岳」などの山々があり、名水百選の「御清水」をはじめ多くの湧き水があることから国土庁の「水の郷百選」にも選ばれるなど豊かな自然に恵まれており、夜空がきれいなことから「星空の街」にも選定されている。
歴史的な風情や街並みから「北陸の小京都」ともいわれているのだが、私たち画商にとってはコレクターの町でもある。
瑛九の生前には彼の晩年を支えた頒布会があり、大野にはたくさんの瑛九作品がいまでも残されている。
過日大野で開催され、テレビ東京で放映された『開運! なんでも鑑定団』にも瑛九作品が出品されたというから、さすがである(亭主はテレビが無いので見ていない)。
靉嘔先生の60年には遠く及ばないが、亭主が通い始めてもう30数年になる。今も瑛九に私淑した人たちがお元気で活躍している。
瑛九亡き後、大野の人たちがまるで「恋人のように」慕い、支えてきたのが靉嘔先生である。
ひとつの地域が、現代美術の作家をこれほど熱心に支え、愛している例は日本では珍しい。
オープニングは10月23日だった。きっと美味しい料理とお酒で盛り上がったことだろう。
いつもなら靉嘔先生に会いに、そして大野のコレクターたちに会いに、万障繰り合わせて行かねばならぬのだが、当日は武蔵野市立吉祥寺美術館の草間彌生展での講演とぶつかり、残念だが欠席だった。
お近くの方、近くなくとも靉嘔ファンの方、どうぞ紅葉の大野にお出かけください。
靉嘔先生の1970年代の名作2点をご紹介します。
この2点、亭主がエディションしたものだが、サインにご注目。
このとき靉嘔先生は色鉛筆を束にして輪ゴムでとめ、まさに「虹のサイン」をされました。
サインまでが絵になっている。
こういう手のこんだ作品は他にはありません、お勧めです。

靉嘔「山水」
1977年 シルクスクリーン
57.0×36.0cm Ed.150
サインあり

靉嘔「Magritte マグリット」
1977年 シルクスクリーン
40.3×31.5cm Ed.150
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆宮脇愛子の新作エディション『マン・レイへのオマージュ』

マン・レイの折本仕立ての「回転扉(Pain Peint)」にインスパイアーされ、宮脇愛子がマン・レイへのオマージュとして制作した新作エディション、シルクスクリーン入り小冊子『Hommage a Man Ray マン・レイへのオマージュ』(DVD付き、限定25部)をぜひご購入ください。
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昔「電話魔」と言われ、「せめて電話を半分にしたら随分仕事が楽になるのに」と言われた亭主であったが、最近は電話などかけない、もっぱらメールである(機械音痴の亭主でもメールくらいは打てる)。
ある若くて美しい作家が先日訪ねてきた。
いつもなら食事(つまり酒だが)に誘うのだが、体調が思わしくなく、後でその旨をメールで詫びた。
折り返し彼女からメールがきた。
どうぞお体には気をつけてくださいませ。
どんなに心配でも健康は分け合えないのが残念です。
(分かち合えるのは売り上げだけです...。)
~ん。名言至言!
<分かち合えるのは売り上げだけ>
これからはときの忘れもののモットーはこれにしよう。
長年にわたり(60年!)作家を支え、文字通り売り上げを分かち合っている稀有な街がある。
福井県大野市で、「靉嘔<新作・大作>展~虹男・虹女が大野城に現われた」が開催されています。
2010年10月23日(土)~11月3日(水)会期中無休
主催:越前大野城築城430年祭・靉嘔展実行委員会
会場;越前大野城


「桃源郷」は理想郷或いはユートピアの代名詞となっている中国5世紀の大詩人陶淵明によって書かれた物語です。トンネルを抜けて眼下にする大野盆地は60年来ぼくの桃源郷です。その大野の表徴の大野城にぼくの何かをぶつけたい衝動が今度の試みになりました。
今年の秋、あるがままの大野城内にぼくの分身の虹の男女を立たせたいと思います。タイトルは「虹男(こうなん)・虹女(こうじょ)が大野城に現れた」です。異星人・或いは大野の友人の親戚のどちらに見えるでしょうか。
2010年6月23日 靉嘔
茨城県生まれの靉嘔先生が、いわば縁もゆかりもなかったはずの福井県のそのまた山奥の大野で開催する展覧会はこれで何度目だろうか。
あるときは町の公民館で、あるときはお寺で。町には画廊などもちろんない、美術館もない。
人口4万人にも満たない小都市には、日本百名山のひとつ「荒島岳」などの山々があり、名水百選の「御清水」をはじめ多くの湧き水があることから国土庁の「水の郷百選」にも選ばれるなど豊かな自然に恵まれており、夜空がきれいなことから「星空の街」にも選定されている。
歴史的な風情や街並みから「北陸の小京都」ともいわれているのだが、私たち画商にとってはコレクターの町でもある。
瑛九の生前には彼の晩年を支えた頒布会があり、大野にはたくさんの瑛九作品がいまでも残されている。
過日大野で開催され、テレビ東京で放映された『開運! なんでも鑑定団』にも瑛九作品が出品されたというから、さすがである(亭主はテレビが無いので見ていない)。
靉嘔先生の60年には遠く及ばないが、亭主が通い始めてもう30数年になる。今も瑛九に私淑した人たちがお元気で活躍している。
瑛九亡き後、大野の人たちがまるで「恋人のように」慕い、支えてきたのが靉嘔先生である。
ひとつの地域が、現代美術の作家をこれほど熱心に支え、愛している例は日本では珍しい。
オープニングは10月23日だった。きっと美味しい料理とお酒で盛り上がったことだろう。
いつもなら靉嘔先生に会いに、そして大野のコレクターたちに会いに、万障繰り合わせて行かねばならぬのだが、当日は武蔵野市立吉祥寺美術館の草間彌生展での講演とぶつかり、残念だが欠席だった。
お近くの方、近くなくとも靉嘔ファンの方、どうぞ紅葉の大野にお出かけください。
靉嘔先生の1970年代の名作2点をご紹介します。
この2点、亭主がエディションしたものだが、サインにご注目。
このとき靉嘔先生は色鉛筆を束にして輪ゴムでとめ、まさに「虹のサイン」をされました。
サインまでが絵になっている。
こういう手のこんだ作品は他にはありません、お勧めです。

靉嘔「山水」
1977年 シルクスクリーン
57.0×36.0cm Ed.150
サインあり

靉嘔「Magritte マグリット」
1977年 シルクスクリーン
40.3×31.5cm Ed.150
サインあり
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◆宮脇愛子の新作エディション『マン・レイへのオマージュ』

マン・レイの折本仕立ての「回転扉(Pain Peint)」にインスパイアーされ、宮脇愛子がマン・レイへのオマージュとして制作した新作エディション、シルクスクリーン入り小冊子『Hommage a Man Ray マン・レイへのオマージュ』(DVD付き、限定25部)をぜひご購入ください。
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