韓国・テグのアートフェア報告記  尾立麗子

昨年に引続き、韓国テグ市で開催された「Daegu Art Fair」に出展してきました。

◆韓国・テグ市「Daegu Art Fair 2010」
会期=2010年11月17日[水]―11月21日[日] 
会場:大邱展示コンベンションセンター( EXCO 1, 3階)
http://www.daeguartfair.com/main/index.html
出品作家:尾形一郎・優、小野隆生、TSUYU、安藤忠雄、草間彌生、永井桃子

今回は、私尾立と秋葉の女子2人で行ってきました。
11月15日の午後発の飛行機で釜山まで約2時間。釜山の空港にアートフェア事務局の方々が出迎えくださり、日本から参加のギャラリー椿さんとセラーさん、Booklayerの浜田さんたちとバスに乗ってホテルへ向かいました。ホテルに着いたのは7時を回っており、移動だけの一日となりました。今回の宿泊先だったホテル「NOVOTEL」は、7月に開催された「HOTEL ART FAIR in DAEGU」の会場だったそうです。
部屋に入るなり大興奮!!広いし、ベッドは大きいし、シャワールームはガラス張りだし、夜景は綺麗だし!
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夕食は皆さんと昨年も食べて美味しかったサムゲタンを食べに行き、寒さで冷たくなった体を温めました。

サムゲタン

次の日、朝9時から展示作業を行なう予定でしたが、肝心の木箱が届かない。
みんなで痺れを切らしていたら、木箱が積まれたトラックが外にいると聞き、身振り手振りでブースの中まで運んでもらいました。結局展示を始められたのが11時頃で、女子二人で無我夢中で作品を開梱、展示を行ない、大作の尾形一郎・尾形優作品《ウルトラバロック》だけは、浜田さんに手伝ってもらい、なんとかプレビューに間に合いました。

5正面に3枚からなる巨大な尾形一郎・尾形優の写真作品《ウルトラバロック》。圧巻です。このアートフェアで一番大きい作品ではないでしょうか。みなさん口を開けて「わぁ~」と声を出して、吸い込まれる様に近づいて行きます。近づきすぎてヒヤヒヤするくらい。皆さん「これは写真か?」と尋ねてきました。それで覚えました、写真は韓国語で「サジン」と発音するそうです。

4小野隆生作品。90年代の切り抜き2点と、新作の6号のタブロー、そして2009年の女性が横たわる大作。隣のブースで通訳をしていた女性が、大興奮で私に小野さんの作品魅力を熱弁してくださいました。うっとりした顔で「こんなに素晴らしい作品に出会ったことはない」と。

8フランスに住むTSUYUさんの、韓国の紙で作ったバタフライ作品。天井十数メートルからワイヤーを垂らしてもらい、吊るしていたので、ゆっくりと揺らいでおり、本当に綺麗でした。お客さんも綺麗だ綺麗だと言って、触ろうとします・・・(汗)

7左は、テグでも有名な安藤忠雄シルクスクリーン作品。「建築家の安藤忠雄の作品か?」と何度も尋ねられました。安藤さんはどこに行っても有名です。
右の作品は、9人のミューズ展でも出品した永井桃子の油彩作品。「優しい作品で素敵ですね。」と言われました。派手な色合いを好む韓国ですので、珍しい色彩だったにちがいない。

全体的に色彩が派手な作品が多く、立体作品も多く展示されていたように思います。
来場者数は、多い日は2000人以上だったらしく、土日はテグ市以外からも多くの方が来場されたそうです。ちびっ子や中学生が学校の授業の一環で見に来ており、小さい頃からアートに触れる機会があり、いい教育だなと思いました。

ホテルと会場の往復の毎日で唯一の楽しみは食事でした。
サムゲタン、ソルロンタン、サムギョプサル、サンナクチ、キムパブ、トッポギ、マンドゥ、チュオタンなどなど、ほとんどの韓国料理を食べられて大満足でした。
輸送や来場者数など課題も多いフェアでしたが、何とか無事終えて帰国できました。
(おだちれいこ)

*画廊亭主敬白
尾立が帰国するとほとんど同時に、北朝鮮による韓国・延坪島への砲撃があり、思わずヒヤリとさせられました。
人様の可愛いお嬢さんを預かっている身としては、スタッフの安全を第一に考えて今後は海外出張も計画しなければなりませんね。
昨日、ほぼ10日ぶりに全スタッフが揃いました。テグ、東京で同時にアートフェアがあり、各スタッフの奮闘は涙ぐましいものでした。
上記報告にはけな気にも楽しかったことしか書いてありませんが、帰国した二人の疲れきった顔を見れば凡その見当はつくというものです。
収穫もたくさんありました。
ときの忘れもののラインナップのクオリティは自信をもっていいこと。
何より「売り上げ」ですが、東京で尾形一郎・優さんの大型写真が3点とも売れ、面目を施しました。今後の写真市場への取り組みにも展望を持つことができました。
他のスタッフたちの報告も順次掲載しますので、どうぞお楽しみに。