多くの人は銀座こそが画廊街と思っており、事実日本(いや世界的にも)で最も画廊が集中している街こそ銀座です。
亭主が流浪の果てに現在の青山3丁目に辿りついたのは1990年頃でしたが(それまでは渋谷、青山のあたりを転々としておりました)、すっかりここが気に入ってしまった。
青山はファッションの街として有名ですが、画廊街でもあります。
画廊が存立するさまざまな条件がこれほど満たされている街は青山以外にない! と随分前におしゃべりしたことがあります(青山ストーリーを参照)。
先ず、たくさんの人が住んでいる。だから幼稚園、小学校、中学校、高校はもちろん、大学もあり、国連大学まである。
お風呂やさんも、お豆腐やさんもある。
特筆すべきはミュージアムスペースがいくつもあることです。
現代美術の『ワタリウム美術館』、浮世絵の『太田記念美術館』や『岡本太郎記念館』があり、『草月美術館』『ラフォーレミュージアム』『スパイラル』『表参道ヒルズ』などもさまざまな展覧会場として親しまれています。
なかでも「那智瀧図」という国宝を持つ『根津美術館』は青山の宝といっていいでしょう。
歩いてまわれる距離に、小は古本屋さんから大は美術館まで、文化的施設をこれほど豊富に持つ街は他にはありません。
画廊も恐らくは50は超えているのではないでしょうか。骨董やアンティークのお店を加えれば優に100を超すでしょう。

根津美術館KORIN展今春の楽しみの一つは、新装なった根津美術館で開催されるはずだった開館70周年記念特別展1「KORIN展 国宝『燕子花図』とメトロポリタン美術館所蔵『八橋図』」でした。
しかし震災の影響で、来春まで延期となってしまった(残念)。

そのかわりに、5月15日(日) まで「コレクション展 国宝 燕子花図屏風 2011」が開催されていますので、ぜひお見逃し無く。

根津美術館を象徴する作品のひとつ、国宝「燕子花図屏風」。
明るい金地を背景に、濃淡の青と緑のみによって描かれた花々が、計算しつくされた造形的韻律を奏でながら、しかし堂々と、はつらつとした息吹を放っています。18世紀の初頭に、尾形光琳(1658〜1716)が生みだした、日本絵画史を代表する作品です。
「燕子花図屏風」は、一見、燕子花の群生を華麗に描きだした草花図と見えますが、その発想源は、平安時代の歌物語『伊勢物語』の第九段、東国に下る途中の主人公が、燕子花の名所である三河国の八橋で、都にのこしてきた妻を想って和歌を詠じる場面にあると考えられています。
このたびの展覧会では、「燕子花図屏風」を中心に、館蔵品の中から、和歌と密接に結びついた作品や古典文学を題材とした物語絵、江戸時代の草花図を厳選し、展観します。
絵画と文学、そして自然の交歓に、ひととき心を遊ばせていただけると幸いです。(同館HPより)

根津美術館の次回企画は、「コレクション展 伊万里・柿右衛門・鍋島 肥前磁器の華」です。これもお楽しみに。
会期=2011年5月28日(土)~7月3日(日)

根津美術館の直ぐ前に、亭主がファンの「古書 日月堂」があります。
従来の古本屋さんのイメージを変えた「女子の古本屋」さんの先駆けです。
地下鉄銀座線「表参道」駅からISSEY MIYAKEやコムデギャルソン、プラダ青山店などのファッション街を通り、根津美術館や岡本太郎記念館を見て、古書日月堂でお買いものをしてから、「ときの忘れもの」でジョック・スタージスを見るなんてのはいかがでしょうか。
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