来週から始まる「ナミビア:室内の砂丘 尾形一郎 尾形優写真展」の準備に追われています。既に出品リストはホームページに掲載しましたが、慌てていたためか、銀座会場に展示する特大サイズ(7点、Ed.5)のステップアップの表示が間違っています。直ぐに訂正したいのだけれど、亭主はホームページはいじれない。本日の昼に担当スタッフが出勤してくるまでは誤記のままです。お詫びします。

銀座会場に展示する特大サイズ(7点、Ed.5)の作品の価格は以下のようになります。
●特大サイズ(7点、Ed.5)
 1/5  @840,000円
 2/5  @840,000円
 3/5  @1,050,000円
 4/5  @1,575,000円
 5/5 未定

●青山のときの忘れものに展示するポートフォリオ(20点組)の価格は掲載の通りです。

歳はとりたくないもので、近頃ミスが続いています。昔なら見落とすはずのない誤記がやたら多い。このブログでもしばしば誤りを指摘され、謝りっぱなしです。
先日ご紹介した山口勝敏さんのコンサートの期日も誤記してしまいました。
ただしくは、2011年5月21日(土)、22日(日)、29日(日)13時からです。
山口勝敏コンサート

めげないように少し自慢話を。
アートフェア京都での展示に何人かのお客様からお褒めのメールをいただきました。
またtwitterのつぶやきにも次のような一文がありました。

尾形一郎尾形優さんの作品、プリントも見せていただき、胸をぎゅっとつかまれたまま、不思議な世界へ。 作品自体が強い上に、展示も素敵。急ごしらえのホテルの部屋でという印象は、全くない、プロの展示。すばらしかったです。421号室、ときの忘れもの。ギャラリーの方、ありがとうございました。

段ボール21箱も運び込んだ甲斐があるというものです。
展示のプロ浜田さんと、宮脇愛子アトリエのMさんのおかげです。
Mさんは宮脇愛子作品(真鍮彫刻)4点の展示に東京から調光器付の照明器具まで運び込み、あえて部屋を暗くして、ほのかな光を真鍮パイプの中に注ぎ微妙な陰影を醸し出してくれました。
「どんな小さな作品でも照明が大事よ」という宮脇愛子先生の言葉に納得の亭主であります。

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宮脇愛子の真鍮彫刻3点

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宮脇愛子の真鍮彫刻と細江英公の新作写真

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宮脇愛子の真鍮彫刻

さて京都でも評判の良かった尾形さんの個展がいよいよ来週月曜(30日)から始まります。
ナミビア:室内の砂丘 尾形一郎 尾形優写真展」は銀座と青山の二会場を使ってスケールの大きな写真作品をご覧に入れたいと思います。
80年前に打ち捨てられた砂漠の中の街、井戸もなく水は列車で運んだという酷烈な土地になぜあのような繁栄の象徴たる豪邸が次々と建てられ、そしてゴーストタウンとなっていったのか。
この展覧会は昨年から尾形さんたちと準備を重ねてきたものですが、奇しくも3月11日以降の日々、特に原発事故によりゴーストタウンとなるかも知れない福島のことを思うと、アーティストの目は未来のどこかを見つめていたのではないかと思わざるを得ません。

私には「ナミビア:室内の砂丘」の風景と、人っ子一人いない福島の風景が重なって見えます。
もし、針生一郎先生がご健在だったら今回の展覧会をどう評してくれたでしょうか。
美術評論家御三家の一人、針生一郎先生には随分とお世話になりました。
いくつかの不思議な縁がつながり、亡くなった後でそのご遺族ともお付き合いが始まりました。
先日出展したアートフェア京都にも、某画廊のスタッフとしてお孫さんが参加していました。

ご遺族から以下のようなお知らせをメールでいただいたので、ご紹介します。
震災後の慌しさの中で、触れることもできませんでしたが、例の目黒区美術館で予定されていた「原爆を視る1945-1970」展が中止になったのには、心底あきれました。
こういうこときこそ、学芸員の見識と根性が問われているのに、情けない。

以下、Nさんからのメールの抜粋です。

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父が亡くなって明日でもう1年になりますが(その折はどうもありがとうございました)
丸木美術館で開催されている追悼展 なかなかよいので 遠いですが、もしお時間ありましたら おでかけください。 
目黒区美術館で予定されていた 原爆を視る展が 中止になったため
秋に予定していたチェルノブイリ関連展を緊急開催したため、連日すごい評判で、
一郎展もついでに(笑) たくさんの方に見ていただけたかもしれません。

父が帽子掛けに使っていた高松次郎さんの作品や瀧口修造さんの宛て書き、池田満寿夫さんの版画など
ちゃんと飾るとそれぞれ本来の力を発揮して、現代美術の勢いのある時期を伴走した父の幸運を感じます。

チェルノブイリ展が 開催延長になったので、11日までの予定が25日まで延長されたようです。
遠いですが、宮城よりは近いので(笑) お時間あったら おでかけください。

丸木美術館 紹介記事 

丸木美術館は遠いのと テーマが重いので、
なかなか人が来なくて閑散としていましたが、
最近は 核廃絶と長年戦ってきた丸木夫妻の祈りと反対の最悪の事態になっているので、
かえって人を集めています。
美術関係の方でも、実は原爆の図の本物を見る機会がない方もけっこういて、
あの大きさと迫力は、この機会にぜひ見ていただきたいです。

一郎追悼展は、こちらの紹介記事が作家もわかります。
 
私がモデルの朝倉響子さんの彫像もあります。(笑) 
一郎の煙草の焼け焦げのついた原稿や 万年筆も飾ってあります。
靉嘔の版画は 弟の結婚の引き出物にお願いしたもの
私の結婚の時は(展示してませんが)宮城一男さんの版画でした。

我が家でヤニと埃にまみれて ぞんざいな処遇を受けていた作品たちが、
展示室で、本来の力を発揮した気がして、時代の勢いに圧倒されました。 

個人的には、父とのバトルがない分、ちょっと哀しい気がしました。 

岡村幸宣くんという若い学芸員が、がんばっているので、
今後も応援お願いします。

丸木美術館ニュースに載った拙文「運命のベクトル」 添付しますね。
07

311以降、長崎はそっちのけで、父の故郷仙台と 福島問題に 心奪われる日々です。
弟一家も仙台で被災しましたが、
人間と家は無事でした。 福島の記事を 下に貼ります。
お時間あるときに(ないですよね) 見ていただけたら 嬉しいです。

HAPPY ISLAND 福島
フクシマ            
風が吹く国           
風が吹く         

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◆ときの忘れものは、2011年5月30日[月]―6月11日[土]「ナミビア:室内の砂丘 尾形一郎 尾形優写真展」を銀座と青山の二会場で同時開催します。
営業時間と休廊日が異なりますので、ご注意ください。
尾形展ナミビア案内状600
作家と作品については、「尾形一郎 尾形優のエッセイ」をぜひお読みください。

銀座:ギャラリーせいほう  
   東京都中央区銀座8-10-7 電話03-3573-2468
   11:00-18:00 日曜・祭日休廊
青山:ときの忘れもの  
   東京都港区南青山3-3-3 青山Cube101 電話03-3470-2631
  12:00-19:00  会期中無休
*初日5月30日(月)17時~19時、銀座・ギャラリーせいほうでオープニングを開催します。
20年に亘って大型カメラを携え、世界の辺境に残された建築物を撮りつづけている尾形一郎と尾形優。 昨年好評を博したシリーズ〈ウルトラ・バロック〉に引き続き、今回は、アフリカ・ナミビアの砂漠に残された100年前の家々の痕跡を撮影したシリーズ〈室内の砂丘〉を発表します。
銀座・ギャラリーせいほうでは大作7点、南青山・ときの忘れものでは20点組の初のポートフォリオを出品します。