一日だけの植田実出版記念写真展に寄せて~浜田宏司
ここ数年、ときの忘れもので開催される展覧会の展示のディレクションを担当させていただいている浜田と申します。
昨日、「一日だけの植田実出版記念写真展」の展示を植田先生のご意見も頂戴しつつ、お手伝いさせていただきました。
展覧会当日の朝、若干の修正のため営業時間前の画廊に赴きドアノブを引いたところ、既にお客様が・・・!
この事からも、本展覧会に寄せる植田ファンの期待値の高さが窺えます。
ところで、既にHPにも掲載され、会場に掲出されていた作家からのメッセージをご一読いただけましたでしょうか?
実は、わたしこの文章を展覧会当日の朝、展示用のメッセージボードを掲出する際に初めて読む事になりました。
その文章は、---------《前略》・・・・今回の十数点をみていただくことを逆に反省の機会として、あらためてこの世界にみなぎっている魔法に迫ってみたいと思っています。予告編のつもりですが、この先うまくまとめられなかったら、この一日だけの展示があとにも先にもない未完の写真展ということになるでしょう。---------と、締めくくられています。
この文章を読んで、あっ! と、頭に浮かんだ書籍があります。
その書籍とは、植田先生が編集長を務める住まい学体系のなかでも人気の一冊「未現像の風景 記憶・夢・かたち」倉俣史朗/著です。


倉俣史朗の遺著となってしまった「未現像の風景」は、デザイン論ではなく幼き日の記憶や夢の世界が綴られたエッセイで構成され、ヒューマンスケールのクラマタを私たちに伝えています。奇しくも今回植田先生が上梓された『住まいの手帖』もご自身の記憶や体験談を基に綴られた内容になっており、建築評論家/編集者 植田実とは別の一面を私たちに見せてくれる期待感に満ちた書籍です。
偶然は重なるものです。昨日急遽、上梓された二冊の著書の展示にと、当初展示プランには予定されていなかった倉俣史朗デザインによる筑波第一ホテル(磯崎新設計)客室用ライティングディスクが持ち込まれ、磯崎新の名作モンローチェアと共に出版記念展に花を添えています。


また、先のメッセージの最後に「この一日だけの展示があとにも先にもない未完の写真展ということになるでしょう」とありますが、倉俣のデザインを紹介する文章に度々登場する「一瞬の美しさ」や「儚さ」などの表現に加えて、作品の完成度に対するこだわり等、植田先生の本展覧会に寄せたメッセージを中心になぜか倉俣史朗とお二方の著書に関する想像は膨らむばかりです。
昨日の本ブログのタイトルには「植田実、磯崎新、倉俣史朗揃い踏み」とありますが、ロートレアモンじゃあるまいし「本・写真・デザインの偶然の出会いのように美しい」って、これ簡単に出来る企画ではありません。ちなみに倉俣さんのライティングデスクやモンローチェアの展示が決まったのは、設営が終わってお茶している10分の間の出来事です。この“画廊にみなぎっている魔法”が起こした奇跡とでも表現すれば良いのでしょうか? 企画された綿貫さんの企画力と素早い判断にはいつも驚かされます。
果たして今回発表された写真家植田実の新作や未発表の作品は“未現像の風景”となってしまうのでしょうか? 今回出版された著書を拝読しつつ、発表される事に期待したいと思います。(はまだ こうじ)






下記の植田実著作(サイン入り)が数冊残っています。
送料は300円です。ご希望の方はメールにてお申し込みください。
植田実著『真夜中の庭』
みすず書房 発行 2011年 19.4x13.7cm 197P
著者サイン入り
*「ムーミン」「クマのプーさん」「家なき子」「ゲド戦記」ほかロングセラーの建築的フレームと細部を浮き彫りに―大人のためのファンタジー・児童文学案内。
価格:2,730円(税込)
*表紙使用作品は「バース Bath, United Kingdam」
植田実著『住まいの手帖』
みすず書房 発行 2011年 19.4x13.7cm 193P
著者サイン入り
*戸建て、集合住宅の今昔。現在のわが家、空襲で焼失した生家の記憶・・・。建築設計の最前線を半世紀見続けてきた編集者が味わい豊かに綴った「住まいのABC」。
価格:2,730円(税込)
*表紙使用作品は「アインホア、バイヨンヌに近く Ainhoa, near Bayonne, France」
『植田実の編集現場』
著者:花田佳明、塚本由晴ほか
編集:中野照子+佐藤雅夫/植田実
発行年:2005年
発行者:『植田実の編集現場』出版プロジェクト
発行所:株式会社ラトルズ
サイズほか:21×15cm、200頁
著者サイン入り
価格:2,625円(税込)
*画廊亭主敬白
昨日は、たくさんのお客様にご来廊いただきありがとうございました。
最近写真ばかりやっていて「建築展」をやらないものだから、建築好きの亭主のことを知らないお客様たちは、有名建築家が続々訪れるので目を白黒させていました。
たった一日だけの展覧会でしたが、最初のお客様が阿部勤さん、そして最後のお客様が室伏次郎さんご夫妻とくれば、あまりの偶然というか、決まりすぎというか(お二人は若き日のタイでの学校建築以来の戦友です)。
最後に残った皆さんと賑やかに二次会に繰り出したのですが、会場は久しぶりの名店「机」。
昔は毎日のように行っていたのですが、最近は人気が出てしまい、いつ行っても予約満員。
昨夜は土曜日のせいか、珍しくときの忘れものの貸切状態でした。
ときどきこのブログにも登場していただいている強力助っ人浜田さんに「コレクターの声」を執筆していただきました。浜田さん、ありがとう。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
ここ数年、ときの忘れもので開催される展覧会の展示のディレクションを担当させていただいている浜田と申します。
昨日、「一日だけの植田実出版記念写真展」の展示を植田先生のご意見も頂戴しつつ、お手伝いさせていただきました。
展覧会当日の朝、若干の修正のため営業時間前の画廊に赴きドアノブを引いたところ、既にお客様が・・・!
この事からも、本展覧会に寄せる植田ファンの期待値の高さが窺えます。
ところで、既にHPにも掲載され、会場に掲出されていた作家からのメッセージをご一読いただけましたでしょうか?
実は、わたしこの文章を展覧会当日の朝、展示用のメッセージボードを掲出する際に初めて読む事になりました。
その文章は、---------《前略》・・・・今回の十数点をみていただくことを逆に反省の機会として、あらためてこの世界にみなぎっている魔法に迫ってみたいと思っています。予告編のつもりですが、この先うまくまとめられなかったら、この一日だけの展示があとにも先にもない未完の写真展ということになるでしょう。---------と、締めくくられています。
この文章を読んで、あっ! と、頭に浮かんだ書籍があります。
その書籍とは、植田先生が編集長を務める住まい学体系のなかでも人気の一冊「未現像の風景 記憶・夢・かたち」倉俣史朗/著です。


倉俣史朗の遺著となってしまった「未現像の風景」は、デザイン論ではなく幼き日の記憶や夢の世界が綴られたエッセイで構成され、ヒューマンスケールのクラマタを私たちに伝えています。奇しくも今回植田先生が上梓された『住まいの手帖』もご自身の記憶や体験談を基に綴られた内容になっており、建築評論家/編集者 植田実とは別の一面を私たちに見せてくれる期待感に満ちた書籍です。
偶然は重なるものです。昨日急遽、上梓された二冊の著書の展示にと、当初展示プランには予定されていなかった倉俣史朗デザインによる筑波第一ホテル(磯崎新設計)客室用ライティングディスクが持ち込まれ、磯崎新の名作モンローチェアと共に出版記念展に花を添えています。


また、先のメッセージの最後に「この一日だけの展示があとにも先にもない未完の写真展ということになるでしょう」とありますが、倉俣のデザインを紹介する文章に度々登場する「一瞬の美しさ」や「儚さ」などの表現に加えて、作品の完成度に対するこだわり等、植田先生の本展覧会に寄せたメッセージを中心になぜか倉俣史朗とお二方の著書に関する想像は膨らむばかりです。
昨日の本ブログのタイトルには「植田実、磯崎新、倉俣史朗揃い踏み」とありますが、ロートレアモンじゃあるまいし「本・写真・デザインの偶然の出会いのように美しい」って、これ簡単に出来る企画ではありません。ちなみに倉俣さんのライティングデスクやモンローチェアの展示が決まったのは、設営が終わってお茶している10分の間の出来事です。この“画廊にみなぎっている魔法”が起こした奇跡とでも表現すれば良いのでしょうか? 企画された綿貫さんの企画力と素早い判断にはいつも驚かされます。
果たして今回発表された写真家植田実の新作や未発表の作品は“未現像の風景”となってしまうのでしょうか? 今回出版された著書を拝読しつつ、発表される事に期待したいと思います。(はまだ こうじ)






下記の植田実著作(サイン入り)が数冊残っています。
送料は300円です。ご希望の方はメールにてお申し込みください。

みすず書房 発行 2011年 19.4x13.7cm 197P
著者サイン入り
*「ムーミン」「クマのプーさん」「家なき子」「ゲド戦記」ほかロングセラーの建築的フレームと細部を浮き彫りに―大人のためのファンタジー・児童文学案内。
価格:2,730円(税込)
*表紙使用作品は「バース Bath, United Kingdam」

みすず書房 発行 2011年 19.4x13.7cm 193P
著者サイン入り
*戸建て、集合住宅の今昔。現在のわが家、空襲で焼失した生家の記憶・・・。建築設計の最前線を半世紀見続けてきた編集者が味わい豊かに綴った「住まいのABC」。
価格:2,730円(税込)
*表紙使用作品は「アインホア、バイヨンヌに近く Ainhoa, near Bayonne, France」
『植田実の編集現場』
著者:花田佳明、塚本由晴ほか
編集:中野照子+佐藤雅夫/植田実
発行年:2005年
発行者:『植田実の編集現場』出版プロジェクト
発行所:株式会社ラトルズ
サイズほか:21×15cm、200頁
著者サイン入り
価格:2,625円(税込)
*画廊亭主敬白
昨日は、たくさんのお客様にご来廊いただきありがとうございました。
最近写真ばかりやっていて「建築展」をやらないものだから、建築好きの亭主のことを知らないお客様たちは、有名建築家が続々訪れるので目を白黒させていました。
たった一日だけの展覧会でしたが、最初のお客様が阿部勤さん、そして最後のお客様が室伏次郎さんご夫妻とくれば、あまりの偶然というか、決まりすぎというか(お二人は若き日のタイでの学校建築以来の戦友です)。
最後に残った皆さんと賑やかに二次会に繰り出したのですが、会場は久しぶりの名店「机」。
昔は毎日のように行っていたのですが、最近は人気が出てしまい、いつ行っても予約満員。
昨夜は土曜日のせいか、珍しくときの忘れものの貸切状態でした。
ときどきこのブログにも登場していただいている強力助っ人浜田さんに「コレクターの声」を執筆していただきました。浜田さん、ありがとう。
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