311の大震災からもう5ヶ月が経ちました。
猛暑の中を被災者の皆さんはどう過ごされているのでしょうか。
まだ行方不明の方たちが大勢います。
政治が主導し、全国民がそれぞれの持ち場で、復興に向けて力を出し合えるような仕組みになぜならないのでしょうか。
ときの忘れものは、ジョック・スタージスさんの厚意を受けて少しでもお役にたちたいと微力ながらスタージスさんが提供してくれた復興支援作品の販売につとめています。
モデルの人たちの肖像権の問題があり、頒布作品の詳細はネットでは公開できませんが、お問合せいただければ、データをお送りします。
ときの忘れものは15日(月)まで夏休みをいただいています。
このブログは事前に予約書き込みしたものに、自宅のパソコンから加筆しています。
「予約」なんて便利なシステムがあるので、助かります。
スタッフの皆はきっとそれぞれの夏を楽しく過ごしている(はず)。
亭主と社長はこの機会に体のメンテナンスをと、病院通いしています。
昨日は所用で銀座に行ったのですが、数少ない親しい画廊さんはやはり夏休みで閉まっておりました。
有楽町の駅前にある三省堂に寄ったら大野更紗さんの『困ってるひと』(ポプラ社)が平台に山積みになっているので驚きました。ばかりでなく、広い店内のいたるところに同書が置いてある。この店だけで数百冊も置いてあるのではないかしら。
思わずベストセラー倒産という言葉が浮かんでしまった。
以前このブログでも少し紹介しましたが、難病と闘う大野さんがブログやツイッターで発信した言葉が多くの人の共感を呼んだに違いありません。
その国の「本質」というのは、弱者の姿にあらわれる。難病患者だけにかぎった話ではない。あらゆる弱い立場の姿に、あらわれる。 (大野更紗)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
画廊に郵便物のチェックのために立ち寄ったら、Tさんという未知の女性からグループ展の案内状が届いていた。

「イレブンガールズアートコレクション」と題された展覧会のパンフレットが同封されていて「女子十二楽坊」ばりの若い女性たち11人のアイドルかと見まがう集合写真が掲載されている。加えてTさんからの書簡には「卒業後はときの忘れもの様で企画展として発表の機会を得られましたらとても嬉しく思います。」との売り込み文句まで書いてある。
今の若い女性は凄いなあ。
ときの忘れものの亭主は、怠け者ですので卒展なんかにはめったに行かないし、若い作家たちをそう積極的にとり上げているわけではありません。
それにはいくつかの理由があります。
先ずは、私たちの画廊がキャリアだけは長いくせに、貧乏であり、とても若い作家をコレクションするだけの力がないことです。
師匠・久保貞次郎先生の「支持することは買うことだ」という言葉に従えば、先ずは買って、暖めてから売る、というのが画商のあるべき姿ですが、売れるかどうかわからない未知の才能にかけるだけの余力が残念ながらありません。
今まで一緒に仕事をしてきた作家のフォローだけで手一杯というのが現状です。
とはいえ、社長に内緒で、若い作家の展覧会を見にいっては密かに買っているのも事実。
後から届く請求書に「あなたは買うのが好きねえ」と、溜め息をつかれております。
二つ目の理由には、昔同業の先輩から言われた「同世代の作家と歩め」、「一緒に仕事できるのは上10年、下10年」という教えがトラウマのように胸に張り付いているからです。
私たちは否応なく、時代の子です。
経てきた時代の制約を逃れられません。自分の孫のような世代の子たちの作品をほんとうに理解し、共感し、売ることができるのか・・・・
それでも、若い才能が出てくるときに感じる眩しいような勢いには時に心が揺さぶられます。
若い才能の背中をちょっとだけ後ろから押してやることも画商の務めですから、そう感じたときは躊躇なく、個展なり、グループ展を開催してきましたし、これからも機会があればそうするでしょう。
それにしても、若い女性は元気ですね。
たまに、こんなときの忘れものにも売り込みに来る作家(の卵)がいる。
圧倒的に女性です。
亭主は、若くて魅力的な女性がくると、テレてしまい、わざと作品をけなす。それにもめげずしつこくアタックしてくる女性がいる。
10数年前の夏、大きなカルトンを抱え汗びっしょりになりながらスペインから訪ねてきた根岸文子さんもそうでした。社長と亭主二人がかりの辛口批評にもめげず、翌年もやってきた。
そういう根性は、今の若い男性はあまり持っていないようですね。
一度、けなすとシュンとしてもうそれっきり二度と現れない。
こちらは商売で「買う」のだから、できるだけ「いいもの」を選びたい。
誉めるのは簡単ですが、「買ってお金を払う」のは私たち画商です。
自分が買う気のないものを、客に「いいですよ」なんて薦められるはずがない。
尊敬するMORIOKA第一画廊の上田さんの「1000万円の絵を買えない(買わない)者は、1000万円の絵を売ってはいけない」という教えもまた亭主の心をきつくしばっております。
またまた余計なおしゃべりをしてしまいました。
皆さんどうぞ良い夏休みをお過ごしください。
猛暑の中を被災者の皆さんはどう過ごされているのでしょうか。
まだ行方不明の方たちが大勢います。
政治が主導し、全国民がそれぞれの持ち場で、復興に向けて力を出し合えるような仕組みになぜならないのでしょうか。
ときの忘れものは、ジョック・スタージスさんの厚意を受けて少しでもお役にたちたいと微力ながらスタージスさんが提供してくれた復興支援作品の販売につとめています。
モデルの人たちの肖像権の問題があり、頒布作品の詳細はネットでは公開できませんが、お問合せいただければ、データをお送りします。
ときの忘れものは15日(月)まで夏休みをいただいています。
このブログは事前に予約書き込みしたものに、自宅のパソコンから加筆しています。
「予約」なんて便利なシステムがあるので、助かります。
スタッフの皆はきっとそれぞれの夏を楽しく過ごしている(はず)。
亭主と社長はこの機会に体のメンテナンスをと、病院通いしています。
昨日は所用で銀座に行ったのですが、数少ない親しい画廊さんはやはり夏休みで閉まっておりました。
有楽町の駅前にある三省堂に寄ったら大野更紗さんの『困ってるひと』(ポプラ社)が平台に山積みになっているので驚きました。ばかりでなく、広い店内のいたるところに同書が置いてある。この店だけで数百冊も置いてあるのではないかしら。

以前このブログでも少し紹介しましたが、難病と闘う大野さんがブログやツイッターで発信した言葉が多くの人の共感を呼んだに違いありません。
その国の「本質」というのは、弱者の姿にあらわれる。難病患者だけにかぎった話ではない。あらゆる弱い立場の姿に、あらわれる。 (大野更紗)
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画廊に郵便物のチェックのために立ち寄ったら、Tさんという未知の女性からグループ展の案内状が届いていた。

「イレブンガールズアートコレクション」と題された展覧会のパンフレットが同封されていて「女子十二楽坊」ばりの若い女性たち11人のアイドルかと見まがう集合写真が掲載されている。加えてTさんからの書簡には「卒業後はときの忘れもの様で企画展として発表の機会を得られましたらとても嬉しく思います。」との売り込み文句まで書いてある。
今の若い女性は凄いなあ。
ときの忘れものの亭主は、怠け者ですので卒展なんかにはめったに行かないし、若い作家たちをそう積極的にとり上げているわけではありません。
それにはいくつかの理由があります。
先ずは、私たちの画廊がキャリアだけは長いくせに、貧乏であり、とても若い作家をコレクションするだけの力がないことです。
師匠・久保貞次郎先生の「支持することは買うことだ」という言葉に従えば、先ずは買って、暖めてから売る、というのが画商のあるべき姿ですが、売れるかどうかわからない未知の才能にかけるだけの余力が残念ながらありません。
今まで一緒に仕事をしてきた作家のフォローだけで手一杯というのが現状です。
とはいえ、社長に内緒で、若い作家の展覧会を見にいっては密かに買っているのも事実。
後から届く請求書に「あなたは買うのが好きねえ」と、溜め息をつかれております。
二つ目の理由には、昔同業の先輩から言われた「同世代の作家と歩め」、「一緒に仕事できるのは上10年、下10年」という教えがトラウマのように胸に張り付いているからです。
私たちは否応なく、時代の子です。
経てきた時代の制約を逃れられません。自分の孫のような世代の子たちの作品をほんとうに理解し、共感し、売ることができるのか・・・・
それでも、若い才能が出てくるときに感じる眩しいような勢いには時に心が揺さぶられます。
若い才能の背中をちょっとだけ後ろから押してやることも画商の務めですから、そう感じたときは躊躇なく、個展なり、グループ展を開催してきましたし、これからも機会があればそうするでしょう。
それにしても、若い女性は元気ですね。
たまに、こんなときの忘れものにも売り込みに来る作家(の卵)がいる。
圧倒的に女性です。
亭主は、若くて魅力的な女性がくると、テレてしまい、わざと作品をけなす。それにもめげずしつこくアタックしてくる女性がいる。
10数年前の夏、大きなカルトンを抱え汗びっしょりになりながらスペインから訪ねてきた根岸文子さんもそうでした。社長と亭主二人がかりの辛口批評にもめげず、翌年もやってきた。
そういう根性は、今の若い男性はあまり持っていないようですね。
一度、けなすとシュンとしてもうそれっきり二度と現れない。
こちらは商売で「買う」のだから、できるだけ「いいもの」を選びたい。
誉めるのは簡単ですが、「買ってお金を払う」のは私たち画商です。
自分が買う気のないものを、客に「いいですよ」なんて薦められるはずがない。
尊敬するMORIOKA第一画廊の上田さんの「1000万円の絵を買えない(買わない)者は、1000万円の絵を売ってはいけない」という教えもまた亭主の心をきつくしばっております。
またまた余計なおしゃべりをしてしまいました。
皆さんどうぞ良い夏休みをお過ごしください。
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