本日(日曜)と明日(月曜)は画廊はお休みです。

今年一年のご愛顧への感謝をこめて、12月3日(土)、4日(日)の二日間「年末セール★Discovery」を開催します。
出品作品リストはホームページに掲載しましたので、ご参照の上、ご興味のある作品については遠慮なくお問合せください。
昨日はエドワード・スタイケンの名作「マッチ棒とマッチ箱」をご紹介しましたが、今日のご紹介作品は瑛九のフォトデッサンです。
今年は瑛九の生誕100年にあたり、宮崎、埼玉、うらわの各美術館で大規模な回顧展が巡回開催され、若い人たちに大きな反響を呼んだことは瑛九命の画商としてはとても嬉しい。
ときの忘れものでもつい先日「第21回瑛九展 46の光のかけら/フォトデッサン型紙」を開催したばかりですが、来年お正月企画としても第22回瑛九展を開催予定です。
瑛九フォトデッサン
No.55)瑛九「作品」
フォトデッサン
28.0x22.8cm
*杉田都のシールあり

添付のシールには以下の文章と杉田都(瑛九夫人)の自筆の署名と印が捺してあります。
<この作品は、福井瑛九の会に譲渡したもので、瑛九のオリジナルであることを証明します。
1987年7月 杉田都>
このシールの持つ意味をご説明します。
上述の瑛九回顧展については植田実さんがすばらしい展評を書いてくださいましたが、今まで幾度となく開催された回顧展の中でも今回ほどフォトデッサンの重要性、先駆性を強調した展覧会はありませんでした。
ときの忘れものも今回の回顧展には出品協力しましたが、展示されたフォトデッサン群と比べても今回のセール出品作がAクラスの作品であることはよくお分かりになると思います。
瑛九は1936年の「眠りの理由」から晩年までの僅か20数年間におそらく2000点以上のフォトデッサン(フォトグラム)を制作しました。世界的にも空前絶後の制作展数です。
1960年3月10日48歳で瑛九は亡くなります。
その直後の3月28日29日の二日間、福井の支援者たち6名が「瑛九宅を訪問して、瑛九の遺作を整理する ・木水・谷口・・藤本・中村」という今から考えると奇跡ともいえる基礎調査がなされます。そのとき、瑛九のアトリエに残されたいたフォトデッサンは705点です。
そのほとんどが署名などなかったと思われます。
その後、それら705点のフォトデッサンは美術館や個人に所蔵されていきます。大きな役割を果たしたのが、瑛九没後に久保貞次郎、木水育男、瀧口修造、尾崎正教らによって結成された「瑛九の会」でした。機関誌『眠りの理由』を発行し、顕彰のための展覧会や頒布会を各地で開催します。
サインのないフォトデッサン類は、そのまま頒布譲渡されたこともあれば、都夫人のシール添付や裏書がなされたものもあります。また久保貞次郎の頒布会のシールも多く見受けられます。
中でも積極的に作品を収集したのが福井瑛九の会の人たちでした。
他に例のないコレクター主導の頒布によって瑛九作品は今日まで世代を超えて受け継がれてきました。
今回出品の作品の旧蔵者はつい一ヶ月前に死去されました。
瑛九や池田満寿夫の周辺に詳しい方ならばお名前を聞けばすぐにおわかりになる方でした。
ご冥福をお祈りするとともに、この作品がよきコレクターに受け継がれることを願っています。
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◆ときの忘れものは、2011年12月3日(土)~4日(日)「年末セール★Discovery」を開催します。出品作品は二日間のみの特別価格にて頒布します
魔方陣
出品リストはホームページに掲載しました。
特別頒布価格はWEBには公開しませんので、メールにてお問い合わせください。
出品予定:オノサト・トシノブ、長岡吾郎、オーギュスト・ルノアール、浜田涼、二木直己、植木茂、小川信治、田名網敬一、横尾忠則、トニー・クラッグ、ジャン=ミシェル・フォロン、三上誠、パウル・ヴンダーリッヒ、ニキ・ド・サンファル、O Jun、山中現、日和崎尊夫、ベルト・モリゾ、菅井汲、アンディ・ウォーホル、ハインリッヒ・フォーゲラー、ミヤモト・コウイチ、J.E.ラブルール、ヘンク・フィッシュ、木内克、エドワード・スタイケン、井田照一、ジョアン・ミロ、ハンス・ベルメール、セザール、マックス・エルンスト、国吉康雄、ドナルド・サルタン、長谷川潔、内間俊子、駒井哲郎、恩地孝四郎、竹久夢二、須田國太郎、李禹煥、草間彌生、マックス・クリンガー、池田満寿夫、吉原英雄、飯田善国、堂本尚郎、瑛九、マン・レイ、クリスト、ジョック・スタージス、デイヴィッド・ホックニー、難波田龍起、舟越桂、南桂子
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