11日まで開催中の「デュシャン、エルンスト、マン・レイ展」には、アルトゥーロ・シュワルツ著『大ガラスと関連作品第一巻』に挿入されたデュシャンの9点の銅版画を展示しています。

アルトゥーロ・シュワルツ著
マルセル・デュシャン挿画
『大ガラスと関連作品第一巻』
1967年
・9点のオリジナル銅版画とデュシャンのメモ書きの忠実な複製144点とその英訳が併載されたテキスト挿入
・アクリルケース
43.3×27.7×7.1cm
Ed.150
*奥付にデュシャンとアルトゥーロ・シュワルツのサインあり
アルトゥーロ・シュワルツ著の『大ガラスと関連作品』は全2巻よりなり、第1巻「大ガラス」・第2巻「恋人たち」からなり、それぞれ9点のオリジナル銅版画が挿入されています。
デュシャンが最後に手がけた版画集として重要であるばかりでなく、有名な「大ガラス」と、20年余りをかけて密かに制作を続け、死後に発表された問題作「遺作」をほのめかしている点で注目すべき作品となっています。
今回展示している第1巻には、「大ガラス」の作品の部分7点(「花嫁」「高所の掲示」「9つの雄の鋳型」「濾過器」「眼科医の証人」「水車」「チョコレート粉砕器」)と全体図(「大ガラス」と下に掲載した「完成された大ガラス」)2点の計9点のエッチング(Cat. 382-390)と、デュシャンのメモ書きの忠実な複製144点とその英訳が併載されたテキストからなっています。
ケースがアクリルによるオブジェになっていることも注目です。

マルセル・デュシャン
「完成された大ガラス」
エッチング
イメージサイズ:34.9×23.3cm
紙サイズ:41.9×50.2cm
版上サインあり
よく知られているようにデュシャンの『大ガラス』(正式の題名は『彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも』 (La Mariée mise à nu par ses célibataires, même) は、アメリカのフィラデルフィア美術館にあります。
1915年に制作が始められ、1923年に未完のまま放棄された作品です。
高さ約2.7メートルの2枚の透明ガラスの間に、油彩、鉛の箔、場所によっては「ほこり」で色付けをした作品で、友人のマン・レイは大ガラスを撮った「埃の培養」という写真作品を残しています。
上部の「花嫁」の領域と下部の「独身者」の領域に分けられますが、この作品の構想や各部分の表す意味については、難解で哲学的なメモ類(『グリーンボックス』など)が残されており、これらを分析することでデュシャンでなくとも「大ガラス」を再制作、再現することが可能です。
事実、フィラデルフィアのオリジナルの他に、リチャード・ハミルトンによって制作されたロンドンバージョン、ウルフ・リンデによるストックホルムバージョンが存在します。
さらに駒場の東京大学美術博物館には、瀧口修造、東野芳明監修のもと、当時助教授だった横山正さんらにより再制作された東京バージョンがあります。1980年に完成したこの作品は、駒場美術博物館のシンボルとして常設展示されていますので、どなたでも鑑賞できます。
このとき制作の中心になって尽力した横山正さんは今は岐阜県の大垣に住み、大垣つれづれというエッセイをウエブで連載しています。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆ときの忘れものは、2011年12月6日[火]―12月11日[日]「デュシャン、エルンスト、マン・レイ展」を開催しています(会期中無休)。

20世紀の現代美術の流れを決定づけたデュシャン、エルンスト、マン・レイ、の3人の版画作品、写真、オブジェを展示します。
◆千葉市美術館で「瀧口修造とマルセル・デュシャン」展が開催されています(2012年1月29日まで)。
ときの忘れものも少しお手伝いしたので、招待券があります。ご希望の方は、メールにてお申し込みください。図録(2,300円、送料500円)もときの忘れもので頒布しています。
◆今月のWEB展は「野田哲也展」です。

アルトゥーロ・シュワルツ著
マルセル・デュシャン挿画
『大ガラスと関連作品第一巻』
1967年
・9点のオリジナル銅版画とデュシャンのメモ書きの忠実な複製144点とその英訳が併載されたテキスト挿入
・アクリルケース
43.3×27.7×7.1cm
Ed.150
*奥付にデュシャンとアルトゥーロ・シュワルツのサインあり
アルトゥーロ・シュワルツ著の『大ガラスと関連作品』は全2巻よりなり、第1巻「大ガラス」・第2巻「恋人たち」からなり、それぞれ9点のオリジナル銅版画が挿入されています。
デュシャンが最後に手がけた版画集として重要であるばかりでなく、有名な「大ガラス」と、20年余りをかけて密かに制作を続け、死後に発表された問題作「遺作」をほのめかしている点で注目すべき作品となっています。
今回展示している第1巻には、「大ガラス」の作品の部分7点(「花嫁」「高所の掲示」「9つの雄の鋳型」「濾過器」「眼科医の証人」「水車」「チョコレート粉砕器」)と全体図(「大ガラス」と下に掲載した「完成された大ガラス」)2点の計9点のエッチング(Cat. 382-390)と、デュシャンのメモ書きの忠実な複製144点とその英訳が併載されたテキストからなっています。
ケースがアクリルによるオブジェになっていることも注目です。

マルセル・デュシャン
「完成された大ガラス」
エッチング
イメージサイズ:34.9×23.3cm
紙サイズ:41.9×50.2cm
版上サインあり
よく知られているようにデュシャンの『大ガラス』(正式の題名は『彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも』 (La Mariée mise à nu par ses célibataires, même) は、アメリカのフィラデルフィア美術館にあります。
1915年に制作が始められ、1923年に未完のまま放棄された作品です。
高さ約2.7メートルの2枚の透明ガラスの間に、油彩、鉛の箔、場所によっては「ほこり」で色付けをした作品で、友人のマン・レイは大ガラスを撮った「埃の培養」という写真作品を残しています。
上部の「花嫁」の領域と下部の「独身者」の領域に分けられますが、この作品の構想や各部分の表す意味については、難解で哲学的なメモ類(『グリーンボックス』など)が残されており、これらを分析することでデュシャンでなくとも「大ガラス」を再制作、再現することが可能です。
事実、フィラデルフィアのオリジナルの他に、リチャード・ハミルトンによって制作されたロンドンバージョン、ウルフ・リンデによるストックホルムバージョンが存在します。
さらに駒場の東京大学美術博物館には、瀧口修造、東野芳明監修のもと、当時助教授だった横山正さんらにより再制作された東京バージョンがあります。1980年に完成したこの作品は、駒場美術博物館のシンボルとして常設展示されていますので、どなたでも鑑賞できます。
このとき制作の中心になって尽力した横山正さんは今は岐阜県の大垣に住み、大垣つれづれというエッセイをウエブで連載しています。
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◆ときの忘れものは、2011年12月6日[火]―12月11日[日]「デュシャン、エルンスト、マン・レイ展」を開催しています(会期中無休)。

20世紀の現代美術の流れを決定づけたデュシャン、エルンスト、マン・レイ、の3人の版画作品、写真、オブジェを展示します。
◆千葉市美術館で「瀧口修造とマルセル・デュシャン」展が開催されています(2012年1月29日まで)。
ときの忘れものも少しお手伝いしたので、招待券があります。ご希望の方は、メールにてお申し込みください。図録(2,300円、送料500円)もときの忘れもので頒布しています。
◆今月のWEB展は「野田哲也展」です。
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