
3月というのに、庭の梅の蕾も一向にふくらまない、と思っていたら先日の雪。
都内でもかなり降りました。
ときの忘れもののスナップです。
さて本日から「究極のポータブル・ミュージアム―60年代のN.Y.を駆けた30人のアーティスト“The New York Collection for Stockholm”」を開催します(3月2日[金]ー3月10日[土] 会期中無休)。

ポントゥス・フルテンが選んだウォーホル、J・ダイン、D・ジャッド、E・ケリー、リキテンシュタイン、ナ ム・ジュン・パイク、R・セラ、L・ニーベルソン、K・ノーランドなど、60年代のニューヨーク・アーティスト30人による究極のポータブル・ミュージアムとでもいうべきクオリティの高い版画コレクションです。
展示をディレクションしてくれた強力助っ人・浜田さんが「見ていてワクワクしますね」と言うとおり、さすがフルテンが選んだだけのことはある。
「The New York Collection for Stockholm」とは、1966年にビリー・クルーヴァー、ロバート・ラウシェンバーグ、ジョン・ケージらが創設した芸術と技術を融合させる試みを展開する芸術運動組織「Experiments in Art and Technology (E.A.T.)」が主導し、1971年1月に開始されたプロジェクトです。
このプロジェクトは、ストックホルム近代美術館(Moderna Museet)館長やポンピドゥー・センター国立近代美術館初代館長などを歴任したポントゥス・フルテン(Pontus Hulten)が、60年代のニューヨークアーティストによる作品群から30作品を選出し、資金を募ってそれらを購入、スウェーデンやストックホルムの現代美術館に寄贈し、恒久的に展示されることを目的としたコレクションです。
1969年フルテンが企画したストックホルム近代美術館の「世界を変えよう。だれもが詩を書くべきである」展は、いわゆるオリジナル作品は展示されず、複製、ポスター、詩の朗読、アメリカの兵役忌避者やブラックパンサー党のメンバーが登場するイベント、そしてタトリン設計の塔の模型のなかで行われたフリージャズのセッションなどによって構成された画期的な展覧会でした。美術界に生きる人々が当然と思って疑わない金銭的価値や物質的価値に対する異議申し立てとでもいうべきキューレーションは、1968年以降の世界の激変を視野に入れた見事な企画力でした。
ポンピドゥーセンターはじめ世界を股にかけて展覧会や美術館をキューレーションしたフルテンは亭主の世代にとっては懐かしくも畏敬の念をこめて思い出すビッグネームです。
今回展示のポートフォリオはいずれも60年代のアメリカ現代美術の最も生き生きしていた時代を彷彿とさせるセレクションであり、小品とはいえ、各作家が全力投球しています。
若い世代の皆さんにぜひご覧になっていただきたい。






●出品作家
LEE BONTECOU, ROBERT BREER, JOHN CHAMBERLAIN, WALTER DE MARIA, JIM DINE, MARK DI SUVERO, OYVIND FAHLSTROM, DAN FLAVIN, RED GROOMS, HANS HAACKE, ALEX HAY, DONALD JUDD, ELLSWORTH KELLY, SOL LEWITT, ROY LICHITENSTEIN, ROBERT MORRIS, LOUISE NEVELSON, KENNETH NOLAND, CLAES OLDENBURG, NAM JUN PAIK, ROBERT RAUSCHENBURG, LARRY RIVERS, JAMES ROSENQUIST, GEORGE SEGAL, RICHARD SERRA, KEITH SONNIR, RICHARD STANKIEWICZ, CY TWOMBLY, ANDY WARHOL, ROBERT WHITMAN
リー・ボンテクー、ロバート・ブリア、ジョン・チェンバレン、ウォルター・デ・マリア、ジム・ダイン、マーク・ディ・スヴェロ、オイヴィンド・ファールシュトレーム、ダン・フレヴィン、レッド・グルームス、ハンス・ハーケ、アレックス・ヘイ、ドナルド・ジャッド、エルズワース・ケリー、ソル・ルイット、ロイ・リキテンシュタイン、ロバート・モリス、ルイーズ・ニーベルソン、ケネス・ノーランド、クラエス・オルデンバーグ、ナム・ジュン・パイク、ロバート・ラウシェンバーグ、ラリー・リヴァース、ジェームス・ローゼンクイスト、ジョージ・シーガル、リチャード・セラ、キース・ソニア、リチャード・スタンキィビッチ、サイ・トゥオンブリー、アンディ・ウォーホル、ロバート・ホイットマン
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆ときの忘れものでは2012年3月11日(日)に東日本大震災支援企画Part2「ジョック・スタージス一日展~3.11を忘れない」を開催します。一日だけの特別展ですが、震災支援エディション2点の他、新作10点を展示し収益は全額被災地の皆さんへ寄付します。
◆ときの忘れものは2012年3月17日[土]―3月18日[日]の二日間「特別セール/靉嘔・瑛九・オノサトとデモクラートの作家たち」を開催します。靉嘔、池田満寿夫、泉茂、磯辺行久、内間俊子、瑛九、河原温、利根山光人、細江英公、吉原英雄、オノサトトシノブの11作家の出品リストは3月7日にホームページに掲載します。
東京都現代美術館で靉嘔先生の初期から最新作までの大回顧展「靉嘔 再び虹のかなたに」が開催されています(~5月6日まで)。
◆3月のWEB展は「ハインリッフ・フォーゲラー展」です。
コメント