先日もご紹介した通り、東京都現代美術館では「靉嘔 再び虹のかなたに」と「田中敦子 - アート・オブ・コネクティング」展が開催されています( 5月6日(日) まで)。
同時に実験工房福島秀子特集展示までされていて、再評価の著しい日本の1950~60年代の最先端アーティストたちのパワフルな活動を俯瞰することができます。
吉原治良、白髪一雄、元永定正たちの具体がヨーロッパで高い評価を得て、あれよあれよという間に価格が高騰したのはご存知の通りですが、田中敦子展も国際交流基金、イギリスのアイコンギャラリー、スペインのカスティジョン現代美術センターとの共同企画によるもので、海外での高い評価を反映した展覧会です。
1950年代にはまだパフォーマンスやインスタレーションといった表現が新奇の眼で見られるだけで、つまり話題にはなるが美術作品としての評価はなかなかされにくい時代でした。
20個のベルが順に鳴り響く「作品(ベル 1955年)」や、9色の合成エナメル塗料で塗り分けられた管球約100個と電球約80個からなる「電気服(1956年)」など、パフォーマンスやインスタレーションをとりいれた表現は記録の中でしか知ることができませんでしたが、それらの再制作作品を含む今回の展示はようやく時代が田中敦子に追いつき、理解を始めた現われと言っていいでしょう。
田中は電気服の電球と配線に対応する円と線から成り立ったおびただしいヴァリエーションの絵画群を生涯描き続けましたが、ご紹介する版画作品もそのひとつです。
20120423_tanaka1_600px田中敦子
《4つの赤い丸》
シルクスクリーン
イメージサイズ:14.0×10.5cm
Ed.100 サインあり

20120423_tanaka2_600px田中敦子
《青、赤、緑の丸と小さな丸たち》
シルクスクリーン
イメージサイズ:14.7×10.0cm
Ed.100 サインあり

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