先日のソウルのKIAFには、磯崎新安藤忠雄などとともに草間彌生の版画も10数点持っていったのですが大半が売れてしまいました。
いまや草間さんの市場は国内より海外の方が強いかも知れません。

亭主はおっちょこちょいなので、ついつい暴言をはき、ときどき思わぬ波紋をまきおこす。
先日も「KIAF出展をふりかえって」で、草間彌生と池田満寿夫の対比をちょっと試みたのですが、読んだ池田ファンの方に「池田版画の死」と受けとめられてしまったようで、掲示板にきついご投稿がありました。亭主の真意が「池田版画の死」なんて恐ろしいことではないことはよく読めばおわかりになっていただけると思います。

いい悪いは別として、現代美術を扱う画商は国内だけの市場では生きては行けません。
生活必需品のような万人向けの商品と、ごく少数の人々にしか理解されないことの多い美術品は違います。どうしてもインターナショナルな市場で理解者(コレクター)を獲得していくしかない。
亭主は池田さんとは生前仕事を一緒にする機会をもてませんでしたが、幸い草間さんとは早くから展覧会やエディションをすることができました。しかし当時はそれらの作品を海外に持っていくなど考えられない時代でした(草間さん自身はきっと世界を視野に入れていたに違いない)。

下に紹介するのは1983年に制作された初期版画ですが、この前年(1982年)に亭主は7点の草間版画をエディションしました(レゾネNo.14~20は現代版画センターのエディションです)。
それらは当時は全く売れませんでしたが、あれから30年、近年の高騰ぶりは隔世の感があります。生きている間にこういう時代がこようとは思いもかけませんでした。

hat600
帽子
1983
スクリーンプリント
イメージサイズ:44.3×52.3cm
シートサイズ: 55.5×64.2cm
Ed.100 サインあり
*レゾネNo.22

fuji600
富士
1983
スクリーンプリント
イメージサイズ:48.7×60.0cm
シートサイズ: 55.0×68.8cm
Ed.75
サインあり
*レゾネNo.24

grape600
ぶどう
1983
スクリーンプリント
イメージサイズ:60.0×49.0cm
シートサイズ: 68.7×55.0cm
Ed.75
サインあり
*レゾネNo.28

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