◆銀塩写真の魅力 IV展の出品作品を順次ご紹介しています。
今日はエドワード・スタイケンの「Brancusi, Voulangis, France」と「Frost on Rambler Roses, Voulangis, France」です。
ちょうど今、世田谷美術館で大規模な回顧展が開かれています。
スタイケンは始めヨーロッパ美術の影響を受けたピクトリアル(絵画的)写真を発表し、若くしてその存在を知られるようになります。
その後第一次世界大戦中は陸軍の航空写真班として従軍し、空中写真の撮影や兵士達へ撮影の技術指導も行っていました。しかし戦後、それまでの絵画的だった作品の傾向は大きく変化し、シャープな表現を追及したり、カメラの機能を駆使した実験的な作品にも取り組むようになります。
1923年コンデナスト社と契約し、『ヴォーグ』や『バニティ・フェア』でのライティングを駆使したファッション写真や著名人のポートレートは、高い評価を得て広告写真界でも第一人者となります。スタイケンの表現方法は後進の写真家の手本となり、また当時もっともギャラの高い写真家といわれました。
1947年にニューヨーク近代美術館の写真部門のディレクターに就任し、1955年に開催された写真展「ザ・ファミリー・オブ・マン」展は日本を含む世界38ヵ国を巡回し、冷戦期の世界で900万人を動員しました。
このようにスタイケンは約70年にわたり、写真作品、広告写真、展覧会の企画など多岐にわたる活動を通して写真の可能性を追究し続けました。
エドワード・スタイケン
「Brancusi, Voulangis, France」
1922年頃(1987年プリント)
ゼラチンシルバープリント
33.2x27.0cm
Ed.100
裏にプリンターと遺族のサインあり
こちらは彫刻家ブランクーシのポートレートです。
このポートレートはウィキペディアのブランクーシの項に掲載されるほど良く知られており、ブランクーシの少しはにかんだような表情を正面から捉えていて、朴訥であったという彼の性格をよく伝えています。
コンスタンティン・ブランクーシ(Constantin Brâncuşi, 1876-1957)は、ルーマニア出身の20世紀を代表する独創的な彫刻家で、20世紀の抽象彫刻に決定的な影響を与え、ミニマル・アートの先駆的作品も数多く残しました。
エドワード・スタイケン
「Frost on Rambler Roses, Voulangis, France」
1920年(1986年プリント)
ゼラチンシルバープリント
26.4x33.3cm
Ed.100
裏にプリンターと遺族のサインあり
植物を愛したスタイケンは、多くの植物写真も撮影しました。この作品はランブラーローズに降りた霜を撮ったものです。フレームからはみ出すほどクローズアップで捉えていることから霜の白と葉っぱの黒が一面に広がり、まるで何かの模様のようにも見え、肉眼で見るのとはまた違ったイメージが浮かび上がってきます。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
■エドワード・スタイケン Edward STEICHEN(1879-1973)
1879年ルクセンブルグに生まれる。1881年アメリカに移住。1900年ニューヨークでアルフレッド・スティーグリッツに会い、活動を支援する。1902年季刊誌『カメラ・ワーク』を創刊に参加。1905年スティーグリッツと共にニューヨーク五番街291に「リトル・ギャラリー・オブ・フォトセクション」設立し、ピクトリアリズムからストレート写真へのムーブメントを起こす。1906年フランスへ。ロダン、マティス、ブランクーシらヨーロッパの芸術家たちとも交流をもち、彼らのポートレイトを撮影。1923年スタジオをニューヨークのボークス・アーツ・ビルディングに置く。
同年ヴォーグ誌などを発行しているコンデ・ナスト社のチーフフォトグラファーになり、 アート性を持った斬新なファッション写真のスタイルを確立する。1929年『スタイケン・ザ・フォトグラフィー』を出版。1947年ニューヨーク近代美術館(MoMA)写真部門のディレクターに就任。1955年「ザ・ファミリー・オブ・マン」開催。1961年回顧展「スタイケン・ザ・フォトグラファー」開催。1962年ニューヨーク近代美術館名誉ディレクターとなる。1964年MoMAにエドワード・スタイケン・フォトグラフィー・センター開設。1973年死去。
◆ときの忘れものは、2013年2月8日[金]―2月16日[土]「銀塩写真の魅力 IV展」を開催しています。
銀塩写真のモノクロームプリントの持つ豊かな表現力と創造性をご覧いただくシリーズも4回目を迎えました。
本展では植田正治、細江英公、五味彬、大竹昭子、佐藤理、北井一夫、村越としや、エドワード・スタイケン、ロベール・ドアノー、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ロバート・メープルソープ、ウィン・バロック、ジョック・スタージスらのモノクローム作品約20点をご覧いただきます。
今日はエドワード・スタイケンの「Brancusi, Voulangis, France」と「Frost on Rambler Roses, Voulangis, France」です。
ちょうど今、世田谷美術館で大規模な回顧展が開かれています。
スタイケンは始めヨーロッパ美術の影響を受けたピクトリアル(絵画的)写真を発表し、若くしてその存在を知られるようになります。
その後第一次世界大戦中は陸軍の航空写真班として従軍し、空中写真の撮影や兵士達へ撮影の技術指導も行っていました。しかし戦後、それまでの絵画的だった作品の傾向は大きく変化し、シャープな表現を追及したり、カメラの機能を駆使した実験的な作品にも取り組むようになります。
1923年コンデナスト社と契約し、『ヴォーグ』や『バニティ・フェア』でのライティングを駆使したファッション写真や著名人のポートレートは、高い評価を得て広告写真界でも第一人者となります。スタイケンの表現方法は後進の写真家の手本となり、また当時もっともギャラの高い写真家といわれました。
1947年にニューヨーク近代美術館の写真部門のディレクターに就任し、1955年に開催された写真展「ザ・ファミリー・オブ・マン」展は日本を含む世界38ヵ国を巡回し、冷戦期の世界で900万人を動員しました。
このようにスタイケンは約70年にわたり、写真作品、広告写真、展覧会の企画など多岐にわたる活動を通して写真の可能性を追究し続けました。
エドワード・スタイケン「Brancusi, Voulangis, France」
1922年頃(1987年プリント)
ゼラチンシルバープリント
33.2x27.0cm
Ed.100
裏にプリンターと遺族のサインあり
こちらは彫刻家ブランクーシのポートレートです。
このポートレートはウィキペディアのブランクーシの項に掲載されるほど良く知られており、ブランクーシの少しはにかんだような表情を正面から捉えていて、朴訥であったという彼の性格をよく伝えています。
コンスタンティン・ブランクーシ(Constantin Brâncuşi, 1876-1957)は、ルーマニア出身の20世紀を代表する独創的な彫刻家で、20世紀の抽象彫刻に決定的な影響を与え、ミニマル・アートの先駆的作品も数多く残しました。
エドワード・スタイケン「Frost on Rambler Roses, Voulangis, France」
1920年(1986年プリント)
ゼラチンシルバープリント
26.4x33.3cm
Ed.100
裏にプリンターと遺族のサインあり
植物を愛したスタイケンは、多くの植物写真も撮影しました。この作品はランブラーローズに降りた霜を撮ったものです。フレームからはみ出すほどクローズアップで捉えていることから霜の白と葉っぱの黒が一面に広がり、まるで何かの模様のようにも見え、肉眼で見るのとはまた違ったイメージが浮かび上がってきます。
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■エドワード・スタイケン Edward STEICHEN(1879-1973)
1879年ルクセンブルグに生まれる。1881年アメリカに移住。1900年ニューヨークでアルフレッド・スティーグリッツに会い、活動を支援する。1902年季刊誌『カメラ・ワーク』を創刊に参加。1905年スティーグリッツと共にニューヨーク五番街291に「リトル・ギャラリー・オブ・フォトセクション」設立し、ピクトリアリズムからストレート写真へのムーブメントを起こす。1906年フランスへ。ロダン、マティス、ブランクーシらヨーロッパの芸術家たちとも交流をもち、彼らのポートレイトを撮影。1923年スタジオをニューヨークのボークス・アーツ・ビルディングに置く。
同年ヴォーグ誌などを発行しているコンデ・ナスト社のチーフフォトグラファーになり、 アート性を持った斬新なファッション写真のスタイルを確立する。1929年『スタイケン・ザ・フォトグラフィー』を出版。1947年ニューヨーク近代美術館(MoMA)写真部門のディレクターに就任。1955年「ザ・ファミリー・オブ・マン」開催。1961年回顧展「スタイケン・ザ・フォトグラファー」開催。1962年ニューヨーク近代美術館名誉ディレクターとなる。1964年MoMAにエドワード・スタイケン・フォトグラフィー・センター開設。1973年死去。
◆ときの忘れものは、2013年2月8日[金]―2月16日[土]「銀塩写真の魅力 IV展」を開催しています。
銀塩写真のモノクロームプリントの持つ豊かな表現力と創造性をご覧いただくシリーズも4回目を迎えました。
本展では植田正治、細江英公、五味彬、大竹昭子、佐藤理、北井一夫、村越としや、エドワード・スタイケン、ロベール・ドアノー、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ロバート・メープルソープ、ウィン・バロック、ジョック・スタージスらのモノクローム作品約20点をご覧いただきます。
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