画商の仕事は作家の創作をときには助け、また出来上がった成果を買い取り、その新たな所蔵者を探すことです。
作家あっての、もちろん顧客あっての商売ですから、この両者にいかにめぐり会うかが画商の運と実力といえるでしょう。
振り返ってみれば、亭主は実力はないが運には恵まれていたかも知れない。
しかしそれを生かせなければもともこもない。
亭主が荒川修作さんに初めてお会いしたのは1983年ニューヨークででした。
既にアメリカでは高い評価を獲得しており、戦前のフジタのような存在として東京の私たちはみていました。
ある晩、ご自宅にお招きいただき、亭主の現代版画センター時代だったので、マドリン・ギンズさんを交え版画やマルチプルについていろいろ話したのですが、中でも興味深かったのがマルチプルで「水中で読める本」をつくれないかという話。
その頃、亭主は版画だけでなく、関根伸夫や菅井汲、宮脇愛子などのマルチプル(立体)をつくることに夢中になっていたので、荒川さんも面白がったのでしょう。
水(液体)のつまった透明な容器の中に本を沈め、それを外部からめくれるようにして読む。
その設計図みたいなメモまで描いて渡してくれたのですが、さて書庫のどこにしまったやら。
その後、亭主は潰れてしまったので、マルチプルの話はそのままになってしまったのですが、その頃はまだ油彩、版画など平面の作品が主で、まさか後年の建築的な仕事で大きな展開を見せることになるとは思いもかけませんでした。
1994年の磯崎新設計の奈義町現代美術館に設置された「遍在の場・奈義の龍安寺・建築する身体」がその始まりでしょうか。翌年の岐阜の「養老天命反転地」では怪我人続出で物議をかもし、2005年の「三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller」では住むことに苦痛を伴うのではないかと思われる不思議な住宅までつくってしまった。
それらを体験できるイベントが開催されます。
2010年に死去した荒川修作さんの顕彰につとめるabrf(Architectural Body Research Foundation)さんから、イベントのご案内をいただきましたのでご紹介します。
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4/27~イベント「三鷹天命反転住宅のいろいろ」開催のお知らせ
初夏の風が心地良い季節となってまいりましたがいかがお過しでしょうか。
荒川修作が2010年5月19日にこの世を去って以来、私どもは毎年春の連休を中心に命日月である5月に様々な催し物を開催してまいりました。3回目となる今年は4月27日(土)より三鷹天命反転住宅にて「三鷹天命反転住宅のいろいろ」を開催いたします。
毎年、年間を通して国内外より約1,000人以上の方々にご参加いただいております建築見学会のゴールデンウィーク・スペシャル・バージョンや、住宅と身体にまつわるワークショップ、ミュージックライブ、トークセッションなど、小さなお子様からおじいちゃん、おばあちゃんの世代まで、それぞれがきっと楽しんでいただけるプログラムを多岐に渡りご用意いたしました。なかでも今年は特別企画「先輩いろいろ」と題しまして、現在住宅にお住まいの方や「卒業生」(今までに天命反転住宅に住んだことのある方)の皆様を「先輩」として講師にお迎えする様々なプログラムが注目です。
三鷹天命反転住宅が完成してはや8年目を迎えますが、年々訪れる人は増え続けており、その間にお住まいになった方、今もお住まいの方も延べ20 名を超えました。その多くの方々は各方面で現在ご活躍中です。生活の場そのものが創造の場でもある三鷹天命反転住宅の「先輩」たちの活動にぜひご注目いただきたいと思います。
5月の連休後もまた、子どもTV 番組でおなじみのエリック・ジェイコブセン氏の音楽ワークショップ、池上高志氏×鈴木健氏の対談講演会など、見逃せないプログラムが続きます。
ぜひこの機会に天命反転住宅の「今」をぜひお感じいただければ幸いです。
イベントホームページ
http://www.rdloftsmitaka.com/201305event
企画概要
三鷹天命反転住宅のいろいろ
会期:2013年4月27日(土)~5月18日(土)
会場:三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller
主催:ABRF, Inc.
協力:アトリエenoeno、CHIASMA FACTORY、dbf music, ltd.、リタピクチャル、Yugenstudio株式会社、三鷹天命反転住宅にお住まいの皆様
プログラム
[A] 見学会-三鷹天命反転住宅 たてもの見学会 GWスペシャル
普段ご覧いただくことができない住宅内を見学するプログラム。
[B] カラーインスタレーション 色にまみれる
吊るしたり、転がしたり、飛ばしたりと、この部屋ならではの遊びの数々で、家の魅力に迫ります。
[C] 感覚全開 ヘレン・ケラーに伝えるためにうごいてみよう
触覚を研ぎ澄まし、部屋と積極的に関わります。
[D] 陰影礼^ キャンドルナイト
三鷹天命反転住宅で日没の光の変化、そして幻想的な空間への変貌を楽しみます。
[E] お泊まりワークショップ
14時間滞在でたっぷり三鷹天命反転住宅の魅力に迫ります。
[F] 映像上映-天命反転BAR
三鷹天命反転住宅Viewing RoomがBarに変身、日替わりで映像作品の上映を行います。
[G] 映画『死なない子供、荒川修作』上映会
本編終了後には山岡信貴監督のアフタートークも予定されています。
[H] LIVE「noise is intimacy, disturbance is art」
実験音楽・アンビエントエレクトロニカ、演奏者と視聴者の視点が反転する天命反転住宅ならではの音楽パーフォマンス。
[I] トーク「X建築家、荒川修作」
荒川修作に強いインパクトを受けた建築家師弟が<建築家としての荒川修作>に挑みます。
[J] ピラティス講座「反転住宅×ピラティス=?」
三鷹天命反転住宅でピラティスを行う特別なワークショップです。
[講演会] 天命反転トーク2013 Vol.2「池上高志×鈴木健」
元住人の鈴木健氏と、複雑系科学・人工生命を専門とする池上高志氏に荒川修作の唱えた「生命の構築」について大いに語っていただきます。
[ワークショップ] 歌と音、エリックと音楽をつくろう!
子どもTV番組でおなじみのエリック・ジェイコブセンさんが天命反転住宅にやってくる!
詳細&お申し込み方法
イベントの詳細・お申し込みについては下記ホームページをご覧ください。
http://www.rdloftsmitaka.com/201305event
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
In the Reversible Destiny Lofts MITAKA colors & variations
April 27 - May 18
Since ARAKAWA passed in May 19, 2010, ABRF, Inc. (ARAKAWA + GINS Tokyo Office) has been holding various events intensively during the month of May every year trying to search a new way of conversation between ARAKAWA and us.
In this event, we will provide architectural tours (which is becoming a “must” for art & architecture fans coming to Tokyo), workshops focusing on bodies, film screenings, music live performance, talk sessions, etc. at rooms of the Reversible Destiny Lofts MITAKA.
It’s been almost 8 years since this remarkable architectural site has completed, and we still receive more than 1,000 visitors a year. We also have encountered more than 20 residents in total during these years, and among them, there are many prominent people in different fields. You will find some programs by those residents or ex-residents as instructors. Living in the Reversible Destiny Lofts MITAKA is also creating their lives ? if you don’t believe it, please join the event!
[In the Reversible Destiny Lofts MITAKA colors & variations]
http://www.rdloftsmitaka.com/201305event
+For further information and instructions in English, please e-mail to:
info@rdloftsmitaka.com
ABRF, Inc.
2-2-8 Osawa Mitaka-shi Tokyo 181-0015
Reversible Destiny Lofts MITAKA 101
Phone: (81)422-26-4966
Fax: (81)422-26-4967
+Planning to come and stay in Tokyo?
[Short Stay Program @ Reversible Destiny Lofts MITAKA In Memory of Helen Keller]
http://www.rdloftsmitaka.com/s_stay
作家あっての、もちろん顧客あっての商売ですから、この両者にいかにめぐり会うかが画商の運と実力といえるでしょう。
振り返ってみれば、亭主は実力はないが運には恵まれていたかも知れない。
しかしそれを生かせなければもともこもない。
亭主が荒川修作さんに初めてお会いしたのは1983年ニューヨークででした。
既にアメリカでは高い評価を獲得しており、戦前のフジタのような存在として東京の私たちはみていました。
ある晩、ご自宅にお招きいただき、亭主の現代版画センター時代だったので、マドリン・ギンズさんを交え版画やマルチプルについていろいろ話したのですが、中でも興味深かったのがマルチプルで「水中で読める本」をつくれないかという話。
その頃、亭主は版画だけでなく、関根伸夫や菅井汲、宮脇愛子などのマルチプル(立体)をつくることに夢中になっていたので、荒川さんも面白がったのでしょう。
水(液体)のつまった透明な容器の中に本を沈め、それを外部からめくれるようにして読む。
その設計図みたいなメモまで描いて渡してくれたのですが、さて書庫のどこにしまったやら。
その後、亭主は潰れてしまったので、マルチプルの話はそのままになってしまったのですが、その頃はまだ油彩、版画など平面の作品が主で、まさか後年の建築的な仕事で大きな展開を見せることになるとは思いもかけませんでした。
1994年の磯崎新設計の奈義町現代美術館に設置された「遍在の場・奈義の龍安寺・建築する身体」がその始まりでしょうか。翌年の岐阜の「養老天命反転地」では怪我人続出で物議をかもし、2005年の「三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller」では住むことに苦痛を伴うのではないかと思われる不思議な住宅までつくってしまった。
それらを体験できるイベントが開催されます。
2010年に死去した荒川修作さんの顕彰につとめるabrf(Architectural Body Research Foundation)さんから、イベントのご案内をいただきましたのでご紹介します。
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初夏の風が心地良い季節となってまいりましたがいかがお過しでしょうか。
荒川修作が2010年5月19日にこの世を去って以来、私どもは毎年春の連休を中心に命日月である5月に様々な催し物を開催してまいりました。3回目となる今年は4月27日(土)より三鷹天命反転住宅にて「三鷹天命反転住宅のいろいろ」を開催いたします。
毎年、年間を通して国内外より約1,000人以上の方々にご参加いただいております建築見学会のゴールデンウィーク・スペシャル・バージョンや、住宅と身体にまつわるワークショップ、ミュージックライブ、トークセッションなど、小さなお子様からおじいちゃん、おばあちゃんの世代まで、それぞれがきっと楽しんでいただけるプログラムを多岐に渡りご用意いたしました。なかでも今年は特別企画「先輩いろいろ」と題しまして、現在住宅にお住まいの方や「卒業生」(今までに天命反転住宅に住んだことのある方)の皆様を「先輩」として講師にお迎えする様々なプログラムが注目です。
三鷹天命反転住宅が完成してはや8年目を迎えますが、年々訪れる人は増え続けており、その間にお住まいになった方、今もお住まいの方も延べ20 名を超えました。その多くの方々は各方面で現在ご活躍中です。生活の場そのものが創造の場でもある三鷹天命反転住宅の「先輩」たちの活動にぜひご注目いただきたいと思います。
5月の連休後もまた、子どもTV 番組でおなじみのエリック・ジェイコブセン氏の音楽ワークショップ、池上高志氏×鈴木健氏の対談講演会など、見逃せないプログラムが続きます。
ぜひこの機会に天命反転住宅の「今」をぜひお感じいただければ幸いです。
イベントホームページ
http://www.rdloftsmitaka.com/201305event
企画概要
三鷹天命反転住宅のいろいろ
会期:2013年4月27日(土)~5月18日(土)
会場:三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller
主催:ABRF, Inc.
協力:アトリエenoeno、CHIASMA FACTORY、dbf music, ltd.、リタピクチャル、Yugenstudio株式会社、三鷹天命反転住宅にお住まいの皆様
プログラム
[A] 見学会-三鷹天命反転住宅 たてもの見学会 GWスペシャル
普段ご覧いただくことができない住宅内を見学するプログラム。
[B] カラーインスタレーション 色にまみれる
吊るしたり、転がしたり、飛ばしたりと、この部屋ならではの遊びの数々で、家の魅力に迫ります。
[C] 感覚全開 ヘレン・ケラーに伝えるためにうごいてみよう
触覚を研ぎ澄まし、部屋と積極的に関わります。
[D] 陰影礼^ キャンドルナイト
三鷹天命反転住宅で日没の光の変化、そして幻想的な空間への変貌を楽しみます。
[E] お泊まりワークショップ
14時間滞在でたっぷり三鷹天命反転住宅の魅力に迫ります。
[F] 映像上映-天命反転BAR
三鷹天命反転住宅Viewing RoomがBarに変身、日替わりで映像作品の上映を行います。
[G] 映画『死なない子供、荒川修作』上映会
本編終了後には山岡信貴監督のアフタートークも予定されています。
[H] LIVE「noise is intimacy, disturbance is art」
実験音楽・アンビエントエレクトロニカ、演奏者と視聴者の視点が反転する天命反転住宅ならではの音楽パーフォマンス。
[I] トーク「X建築家、荒川修作」
荒川修作に強いインパクトを受けた建築家師弟が<建築家としての荒川修作>に挑みます。
[J] ピラティス講座「反転住宅×ピラティス=?」
三鷹天命反転住宅でピラティスを行う特別なワークショップです。
[講演会] 天命反転トーク2013 Vol.2「池上高志×鈴木健」
元住人の鈴木健氏と、複雑系科学・人工生命を専門とする池上高志氏に荒川修作の唱えた「生命の構築」について大いに語っていただきます。
[ワークショップ] 歌と音、エリックと音楽をつくろう!
子どもTV番組でおなじみのエリック・ジェイコブセンさんが天命反転住宅にやってくる!
詳細&お申し込み方法
イベントの詳細・お申し込みについては下記ホームページをご覧ください。
http://www.rdloftsmitaka.com/201305event
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In the Reversible Destiny Lofts MITAKA colors & variations
April 27 - May 18
Since ARAKAWA passed in May 19, 2010, ABRF, Inc. (ARAKAWA + GINS Tokyo Office) has been holding various events intensively during the month of May every year trying to search a new way of conversation between ARAKAWA and us.
In this event, we will provide architectural tours (which is becoming a “must” for art & architecture fans coming to Tokyo), workshops focusing on bodies, film screenings, music live performance, talk sessions, etc. at rooms of the Reversible Destiny Lofts MITAKA.
It’s been almost 8 years since this remarkable architectural site has completed, and we still receive more than 1,000 visitors a year. We also have encountered more than 20 residents in total during these years, and among them, there are many prominent people in different fields. You will find some programs by those residents or ex-residents as instructors. Living in the Reversible Destiny Lofts MITAKA is also creating their lives ? if you don’t believe it, please join the event!
[In the Reversible Destiny Lofts MITAKA colors & variations]
http://www.rdloftsmitaka.com/201305event
+For further information and instructions in English, please e-mail to:
info@rdloftsmitaka.com
ABRF, Inc.
2-2-8 Osawa Mitaka-shi Tokyo 181-0015
Reversible Destiny Lofts MITAKA 101
Phone: (81)422-26-4966
Fax: (81)422-26-4967
+Planning to come and stay in Tokyo?
[Short Stay Program @ Reversible Destiny Lofts MITAKA In Memory of Helen Keller]
http://www.rdloftsmitaka.com/s_stay
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