1911年(明治44)4月28日、瑛九(本名・杉田秀夫)は宮崎県に生れました。
お元気なら102歳のお誕生日です。
実際には48歳という短い生涯でしたが(1960年(昭和35)3月10日没)、その間にデモクラートをはじめさまざまな活動を展開し、油彩、水彩、版画、フォトデッサンと数多くの作品を遺してくれました。
学歴もない、留学はもちろん、海外渡航の経験すらない瑛九ですが、生涯を通じて国際的な視野をもち続けたことは当時の画家としては特筆すべきことでした。
瑛九の周囲に集まった靉嘔、池田満寿夫、磯辺行久、河原温、泉茂らはその後海外に向かい、国際的な活躍を展開したことは皆さんご承知の通り。
瑛九の夢は自分の作品(ことにフォトデッサン)が世界の舞台で評価されることでした。
海外での作品発表の機会がただ一度あったことは以前このブログで書きました。
(結局は実現しなかった)欧米での個展について、瑛九は兄への手紙に「僕も遂に米国から大きな申し込みがやってきました。僕は今度こそ僕にとって絶好にチャンスだと思っています。おそらく、僕の一生のうちで最も大きな事件となるでしょう。」(1953年3月9日書簡、兄の杉田正臣宛)と書きましたが、その夢は没後半世紀経ったいまも実現していません。
亭主ももう歳ではありますが、生きているうちに海外での瑛九展を何とか実現したいと考えております。最近ようやくバイリンガルのスタッフが育ちホームページの英文ページも徐々にではありますが充実してきました。
おかげで瑛九、具体、草間彌生、安藤忠雄、恩地孝四郎らの作品への問合せや注文が毎日のように来るようになりました。
亭主が日本語で返事を書き、スタッフが英訳してメールを送る。
嬉しいのは国内の問合せ(値段を聞いてくるだけで、それに対する返信は99%無い!)と異なり、必ずといっていいほど返信が来ることです。
たとえ「Great Thanks !」の一言でも返ってくると、会ったこともないのに長年の知己のごとく親愛感が増す。
日本語ページは開設してから10数年経ちます。毎日更新の上、今までのデータは原則として必ず残して公開しているので、正確な数字はわかりませんが、約5000ページほどあります。
いまやネットでの商談が営業の根幹だというと、他の画商さんは「まさか」という顔をする。
亭主が10数年前、息子たちに「父さん、いまにネットで絵を買う(売れる)時代が来る」といわれ、「まさか、実物見ないで誰が買うものか」と反論していたことが今では恥ずかしい。
二人の息子たちに心から感謝しています。
よく考えてみると、亭主も40年前は、カタログをつくり全国の顧客に郵送、注文をとっていた。カタログによる通信販売はごく当たり前のことでした。それがいまペーパーレスになり、ネットで皆さんが美術品を買うようになった、長い目でみれば自然の流れかも知れません。
最初の一点をネットでお買い上げになったお客さまがリピーターになってくださるかどうかに「ネット時代の画商」の成否がかかっています。
誠実丁寧な対応と詳しい情報の開示はもちろんですが、この青山の画廊空間でちゃんと毎月企画展を開催しているということも「ネットの信用」を担保してくれているのでしょう、たくさんのお客様がネットで注文してくださる。ありがたいことです。
◆年に一度は開催している連続企画「瑛九展」も23回目となりますが、今回は最晩年に描かれた点描の油彩大作「林」を中心に、水彩、フォトデッサン、フォトデッサンの制作に使用した型紙など約30点をご覧いただきます。

第23回瑛九展
会期=2013年5月17日[金]―6月1日[土]
※会期中無休
●イベントのご案内
5月31日(金)18時より、梅津元さん(埼玉県立近代美術館主任学芸員/芸術学)によるギャラリートークを開催します(要予約/参加費1,000円)。
E-mail:info@tokinowasuremono.com
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆カタログのご案内
『松本竣介展』図録
2012年 ときの忘れもの 発行
15ページ 25.6x18.1cm
執筆:植田実、図版:30点、略歴
価格:800円(税込)
※お申し込みはコチラから。
『具体 Gコレクションより』展図録
2013年 ときの忘れもの 発行
16ページ 25.6x18.1cm
執筆:石山修武、図版:15点
略歴:白髪一雄、吉原治良、松谷武判、上前智祐、堀尾貞治、高崎元尚、鷲見康夫
価格:800円(税込)
※送料別途250円
※お申し込みはコチラから。
お元気なら102歳のお誕生日です。
実際には48歳という短い生涯でしたが(1960年(昭和35)3月10日没)、その間にデモクラートをはじめさまざまな活動を展開し、油彩、水彩、版画、フォトデッサンと数多くの作品を遺してくれました。
学歴もない、留学はもちろん、海外渡航の経験すらない瑛九ですが、生涯を通じて国際的な視野をもち続けたことは当時の画家としては特筆すべきことでした。
瑛九の周囲に集まった靉嘔、池田満寿夫、磯辺行久、河原温、泉茂らはその後海外に向かい、国際的な活躍を展開したことは皆さんご承知の通り。
瑛九の夢は自分の作品(ことにフォトデッサン)が世界の舞台で評価されることでした。
海外での作品発表の機会がただ一度あったことは以前このブログで書きました。
(結局は実現しなかった)欧米での個展について、瑛九は兄への手紙に「僕も遂に米国から大きな申し込みがやってきました。僕は今度こそ僕にとって絶好にチャンスだと思っています。おそらく、僕の一生のうちで最も大きな事件となるでしょう。」(1953年3月9日書簡、兄の杉田正臣宛)と書きましたが、その夢は没後半世紀経ったいまも実現していません。
亭主ももう歳ではありますが、生きているうちに海外での瑛九展を何とか実現したいと考えております。最近ようやくバイリンガルのスタッフが育ちホームページの英文ページも徐々にではありますが充実してきました。
おかげで瑛九、具体、草間彌生、安藤忠雄、恩地孝四郎らの作品への問合せや注文が毎日のように来るようになりました。
亭主が日本語で返事を書き、スタッフが英訳してメールを送る。
嬉しいのは国内の問合せ(値段を聞いてくるだけで、それに対する返信は99%無い!)と異なり、必ずといっていいほど返信が来ることです。
たとえ「Great Thanks !」の一言でも返ってくると、会ったこともないのに長年の知己のごとく親愛感が増す。
日本語ページは開設してから10数年経ちます。毎日更新の上、今までのデータは原則として必ず残して公開しているので、正確な数字はわかりませんが、約5000ページほどあります。
いまやネットでの商談が営業の根幹だというと、他の画商さんは「まさか」という顔をする。
亭主が10数年前、息子たちに「父さん、いまにネットで絵を買う(売れる)時代が来る」といわれ、「まさか、実物見ないで誰が買うものか」と反論していたことが今では恥ずかしい。
二人の息子たちに心から感謝しています。
よく考えてみると、亭主も40年前は、カタログをつくり全国の顧客に郵送、注文をとっていた。カタログによる通信販売はごく当たり前のことでした。それがいまペーパーレスになり、ネットで皆さんが美術品を買うようになった、長い目でみれば自然の流れかも知れません。
最初の一点をネットでお買い上げになったお客さまがリピーターになってくださるかどうかに「ネット時代の画商」の成否がかかっています。
誠実丁寧な対応と詳しい情報の開示はもちろんですが、この青山の画廊空間でちゃんと毎月企画展を開催しているということも「ネットの信用」を担保してくれているのでしょう、たくさんのお客様がネットで注文してくださる。ありがたいことです。
◆年に一度は開催している連続企画「瑛九展」も23回目となりますが、今回は最晩年に描かれた点描の油彩大作「林」を中心に、水彩、フォトデッサン、フォトデッサンの制作に使用した型紙など約30点をご覧いただきます。

第23回瑛九展
会期=2013年5月17日[金]―6月1日[土]
※会期中無休
●イベントのご案内
5月31日(金)18時より、梅津元さん(埼玉県立近代美術館主任学芸員/芸術学)によるギャラリートークを開催します(要予約/参加費1,000円)。
E-mail:info@tokinowasuremono.com
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆カタログのご案内

2012年 ときの忘れもの 発行
15ページ 25.6x18.1cm
執筆:植田実、図版:30点、略歴
価格:800円(税込)
※お申し込みはコチラから。

2013年 ときの忘れもの 発行
16ページ 25.6x18.1cm
執筆:石山修武、図版:15点
略歴:白髪一雄、吉原治良、松谷武判、上前智祐、堀尾貞治、高崎元尚、鷲見康夫
価格:800円(税込)
※送料別途250円
※お申し込みはコチラから。
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