昨日は広島の大学の方がお二人、わざわざ殿敷侃の作品をご覧になりに上京されました。
ホームページに全てのコレクションを掲載しているわけではないので、倉庫から殿敷侃の代表作の「煉瓦」はじめ「のこぎり」などいくつかの大判作品を運びお見せしました。
若い学究がほぼ忘れられている作家に注目し、その研究をしてくださるなんて亭主としては涙が出るほど嬉しい。
お二人とも物静かな方で、したがって声も低い。亭主の3月来の難聴は昨日は最悪の状態だったので、申し訳ないのですが、ほとんど何をおっしゃっているのか聞き取れませんでした。
そろそろ首から「亭主は難聴で皆さんの声がほとんど聞き取れません」と書いた札をさげなければならない状態かも・・・・・
さて、昨日は亭主の好きなベン・ニコルソンの作品紹介でしたが、今日は「五月の画廊コレクション~ベン・ニコルソン他」から、阿部金剛の作品をご紹介します。

阿部金剛
「作品」
油彩、キャンバス
90.7x45.0cm
全ての色であり究極の色である黒と白のみで描かれた抽象画からは、まるで「何も想像してくれるな、連想してくれるな」というような無機質な印象を受けます。
1900年、岩手県盛岡市に生まれます。慶應義塾大学文学部予科在学中から岡田三郎助に師事し、1926年フランスへと渡ります。滞在中はビシエールに師事し、藤田嗣治らの影響を受けました。帰国後の1929年、東郷青児と共に油絵展覧会を開催。同年二科会展に初入選を果たします。超現実主義的な作品で脚光を浴び、以後もメキシコやアメリカにて創作活動に励みました。
戦前に発行された阿部金剛の画集をご紹介します。
『阿部金剛畫集』
1931年
第一書房 発行
56ページ
19.0x13.5cm
図版:27点
解題:阿部金剛
元から奥付なし
価格:15,750円(税込)
※送料別途250円
27点の自作に対して阿部自らが解説しています。
その中から1枚の抽象画に寄せた箇所を引用します。
"Rien" No.2
(50号M)
1930年
眞の藝術は認識の進化を誤るところの總ての技巧を排斥せねばならない。
藝術は先づ何よりも先に認識のうちにあるのである。
技巧は認識の表現に供せられる方法に過ぎない。
或る發見の最初に於ては、神秘化の精神が非常に屢々見出される。
フランス語で「何も」という意味をもつ「Rien」とつけられたこの作品は、上述でご紹介した作品にも通じるものがあります。
そぎ落とし続けて何が残るのか、阿部が到達した世界の端緒をここに認めることができるでしょう。
■阿部金剛 Kongo ABE(1900-1968)
洋画家。1900年岩手県盛岡市に生まれる。父は内務省官僚であった阿部浩東京府知事。東京府立第一中学校を経て、慶應義塾大学文学部予科中退。在学中から岡田三郎助に師事し、1926年渡仏。ビシエールに師事し、藤田嗣治らの影響を受ける。1929年東郷青児と共に油絵展覧会を開催。同年二科会展に初入選した。以後もメキシコやアメリカにて創作活動に励む。超現実主義的な作品で脚光を浴び、また萩原朔太郎の「詩人の運命」の装丁もした。
◆ときの忘れものは、2013年5月1日[水]―5月11日[土] 「五月のコレクション展~ベン・ニコルソン他」を開催しています。※日・月・祝日休廊
「五月のコレクション展~ベン・ニコルソン他」
出品:ベン・ニコルソン、阿部金剛、オノサト・トシノブ、馬場彬、鷲見康夫、斎藤義重、難波田龍起、セルジュ・ポリアコフ、草間彌生
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ホームページに全てのコレクションを掲載しているわけではないので、倉庫から殿敷侃の代表作の「煉瓦」はじめ「のこぎり」などいくつかの大判作品を運びお見せしました。
若い学究がほぼ忘れられている作家に注目し、その研究をしてくださるなんて亭主としては涙が出るほど嬉しい。
お二人とも物静かな方で、したがって声も低い。亭主の3月来の難聴は昨日は最悪の状態だったので、申し訳ないのですが、ほとんど何をおっしゃっているのか聞き取れませんでした。
そろそろ首から「亭主は難聴で皆さんの声がほとんど聞き取れません」と書いた札をさげなければならない状態かも・・・・・
さて、昨日は亭主の好きなベン・ニコルソンの作品紹介でしたが、今日は「五月の画廊コレクション~ベン・ニコルソン他」から、阿部金剛の作品をご紹介します。

阿部金剛
「作品」
油彩、キャンバス
90.7x45.0cm
全ての色であり究極の色である黒と白のみで描かれた抽象画からは、まるで「何も想像してくれるな、連想してくれるな」というような無機質な印象を受けます。
1900年、岩手県盛岡市に生まれます。慶應義塾大学文学部予科在学中から岡田三郎助に師事し、1926年フランスへと渡ります。滞在中はビシエールに師事し、藤田嗣治らの影響を受けました。帰国後の1929年、東郷青児と共に油絵展覧会を開催。同年二科会展に初入選を果たします。超現実主義的な作品で脚光を浴び、以後もメキシコやアメリカにて創作活動に励みました。
戦前に発行された阿部金剛の画集をご紹介します。

1931年
第一書房 発行
56ページ
19.0x13.5cm
図版:27点
解題:阿部金剛
元から奥付なし
価格:15,750円(税込)
※送料別途250円
27点の自作に対して阿部自らが解説しています。
その中から1枚の抽象画に寄せた箇所を引用します。

(50号M)
1930年
眞の藝術は認識の進化を誤るところの總ての技巧を排斥せねばならない。
藝術は先づ何よりも先に認識のうちにあるのである。
技巧は認識の表現に供せられる方法に過ぎない。
或る發見の最初に於ては、神秘化の精神が非常に屢々見出される。
フランス語で「何も」という意味をもつ「Rien」とつけられたこの作品は、上述でご紹介した作品にも通じるものがあります。
そぎ落とし続けて何が残るのか、阿部が到達した世界の端緒をここに認めることができるでしょう。
■阿部金剛 Kongo ABE(1900-1968)
洋画家。1900年岩手県盛岡市に生まれる。父は内務省官僚であった阿部浩東京府知事。東京府立第一中学校を経て、慶應義塾大学文学部予科中退。在学中から岡田三郎助に師事し、1926年渡仏。ビシエールに師事し、藤田嗣治らの影響を受ける。1929年東郷青児と共に油絵展覧会を開催。同年二科会展に初入選した。以後もメキシコやアメリカにて創作活動に励む。超現実主義的な作品で脚光を浴び、また萩原朔太郎の「詩人の運命」の装丁もした。
◆ときの忘れものは、2013年5月1日[水]―5月11日[土] 「五月のコレクション展~ベン・ニコルソン他」を開催しています。※日・月・祝日休廊

出品:ベン・ニコルソン、阿部金剛、オノサト・トシノブ、馬場彬、鷲見康夫、斎藤義重、難波田龍起、セルジュ・ポリアコフ、草間彌生
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