スタッフSの海外ネットサーフィン No.3
Musee Bonnat~Bayonne
前々回はイギリス、前回はシンガポールときて、今回はフランスでございます。大陸を行ったりきたりで落ち着きのない連載ですが、お時間があればお付き合いください。
自分は学生時代、一年の内9ヶ月はイギリスで過ごしていました。では残りの4ヶ月はと言いますと、父の仕事の都合で家族が住んでいた、フランス南西端にあるビヤリッツ(Biarritz)という場所で過ごしていました。日本人にはあまり馴染みのない場所のようですが、ヨーロッパでは避暑地として知られており、日本人が夏にハワイに行くように、夏場はヨーロッパ各地から訪れる観光客で賑わう町です。
この町はバスク地方にあり、一般的に想像されるフランスとは毛色が違う文化が根付いています。一見してそれと分かるのは建築様式。白い壁に露出した木組みを鮮やかな赤、あるいは緑に塗装し、屋根はオレンジで統一。住宅街にずらりと並ぶ家々を見ると、日本の建築事情がいかに混沌としているのかを思い知らされます。

このビヤリッツ、特産品として推されているのはチョコレートで、近所にはチョコレートミュージアムなるものもあるのですが…流石に色物すぎるので、今回は隣町のバイヨンヌ(Bayonne)にあるMusee Bonnatをご紹介します。
バイヨンヌは生ハムで有名な町でして、屋台なんかでもホットドッグの代わりにバゲットにバターを塗って生ハムを挟んだだけ、というものが普通に売られています。これがまたシンプルで美味しいのですが、語りだすと長くなるので、美術館の話に移りましょう。
Musee Bonnat


日本人からしてみるとバイヨンヌと聞いても大半は「?」で少数が「アメリカの?」と言われそうです。実際自分のイメージからしてもかなりマイナーな地方都市という感じです。ですが、そのバイヨンヌにあるボナ美術館、フランス南部どころかフランスでも指折りの美術館として知られています。
ボナ美術館は、1897年に画家であり、コレクターとしても知られたレオン・ボナ(Leon Bonnat/1833-1922)が、故郷のバイヨンヌに自らの作品とコレクションを寄贈したことが始まりです。以来、1936年から1992年にかけて、数多くの地元の名士からの寄贈を受けてコレクションを充実させてきました。所蔵作品数は6500点を数え、特にドローイングに関してはルーブルに次ぐと言われています。レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロやレンブラントのデッサンも所蔵されていると書けば、その質も想像しやすいでしょうか。
自分が中学生の頃に訪れた時は企画展の最中で、ピカソの初期作品がズラリと展示されており、「こんな田舎にこんな大量のピカソが!?」と大変失礼な驚き方をした記憶があります。
そんなボナ美術館ですが、残念ながら現在は2011年より休館中です。再開は2014年を予定しているようですが、正確な日時は告知されていません。ちなみに向こうの建築仕事は「 と て も 」ルーズなので、この予定が更に2年ほどズレこんでも全く不思議はないと、半年の予定だった自宅の改装が一年半かかり、壁なし(ダイニングキッチンの一部だけでしたが)の家で越冬する羽目になった自分は断言します。
(しんざわ ゆう)
Musee Bonnat公式サイト:http://www.museebonnat.bayonne.fr/
MMM メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド(日本語サイト)
Musee Bonnat紹介ページ:http://www.mmm-ginza.org/museum/serialize/backnumber/0703/museum.html
Musee Bonnat~Bayonne
前々回はイギリス、前回はシンガポールときて、今回はフランスでございます。大陸を行ったりきたりで落ち着きのない連載ですが、お時間があればお付き合いください。
自分は学生時代、一年の内9ヶ月はイギリスで過ごしていました。では残りの4ヶ月はと言いますと、父の仕事の都合で家族が住んでいた、フランス南西端にあるビヤリッツ(Biarritz)という場所で過ごしていました。日本人にはあまり馴染みのない場所のようですが、ヨーロッパでは避暑地として知られており、日本人が夏にハワイに行くように、夏場はヨーロッパ各地から訪れる観光客で賑わう町です。
この町はバスク地方にあり、一般的に想像されるフランスとは毛色が違う文化が根付いています。一見してそれと分かるのは建築様式。白い壁に露出した木組みを鮮やかな赤、あるいは緑に塗装し、屋根はオレンジで統一。住宅街にずらりと並ぶ家々を見ると、日本の建築事情がいかに混沌としているのかを思い知らされます。

このビヤリッツ、特産品として推されているのはチョコレートで、近所にはチョコレートミュージアムなるものもあるのですが…流石に色物すぎるので、今回は隣町のバイヨンヌ(Bayonne)にあるMusee Bonnatをご紹介します。
バイヨンヌは生ハムで有名な町でして、屋台なんかでもホットドッグの代わりにバゲットにバターを塗って生ハムを挟んだだけ、というものが普通に売られています。これがまたシンプルで美味しいのですが、語りだすと長くなるので、美術館の話に移りましょう。
Musee Bonnat


日本人からしてみるとバイヨンヌと聞いても大半は「?」で少数が「アメリカの?」と言われそうです。実際自分のイメージからしてもかなりマイナーな地方都市という感じです。ですが、そのバイヨンヌにあるボナ美術館、フランス南部どころかフランスでも指折りの美術館として知られています。
ボナ美術館は、1897年に画家であり、コレクターとしても知られたレオン・ボナ(Leon Bonnat/1833-1922)が、故郷のバイヨンヌに自らの作品とコレクションを寄贈したことが始まりです。以来、1936年から1992年にかけて、数多くの地元の名士からの寄贈を受けてコレクションを充実させてきました。所蔵作品数は6500点を数え、特にドローイングに関してはルーブルに次ぐと言われています。レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロやレンブラントのデッサンも所蔵されていると書けば、その質も想像しやすいでしょうか。
自分が中学生の頃に訪れた時は企画展の最中で、ピカソの初期作品がズラリと展示されており、「こんな田舎にこんな大量のピカソが!?」と大変失礼な驚き方をした記憶があります。
そんなボナ美術館ですが、残念ながら現在は2011年より休館中です。再開は2014年を予定しているようですが、正確な日時は告知されていません。ちなみに向こうの建築仕事は「 と て も 」ルーズなので、この予定が更に2年ほどズレこんでも全く不思議はないと、半年の予定だった自宅の改装が一年半かかり、壁なし(ダイニングキッチンの一部だけでしたが)の家で越冬する羽目になった自分は断言します。
(しんざわ ゆう)
Musee Bonnat公式サイト:http://www.museebonnat.bayonne.fr/
MMM メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド(日本語サイト)
Musee Bonnat紹介ページ:http://www.mmm-ginza.org/museum/serialize/backnumber/0703/museum.html
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