古都奈良で辰野金吾、吉田五十八の名建築に遊ぶ

ようやく猛暑も去り、しのぎやすくなってきた某日、仕事で奈良に行ってきました。
例によって「月一温泉」なので、石田露天風呂愛好会長に電話しました。
亭主「奈良に行くんだけど、吉野や十津川じゃあ遠すぎて一泊じゃあ無理。どこか近場でないかしら」
会長「奈良市内にありますよ」

古都奈良に温泉があるなんて意外、知りませんでした。

仕事は順調に運んだので、のんびり二つの美術館を訪ねました。

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中野美術館
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蛙股池のほとりに建つ中野美術館。

「コレクション展Ⅵ
画家たちの風景 近代の日本画」

[前期]2013年 9月 6日(金)~10月 6日(日)
[後期]2013年10月11日(金)~11月10日(日)
大きな美術館ではありませんが、一階では洋画と版画、地階では日本画のいずれも質の高いコレクションを展示しています。
浅井忠、須田国太郎、小出楢重、梅原龍三郎、村山槐多、鳥海青児、松本竣介、岡田三郎助、熊谷守一、中村彝、万鉄五郎、三岸好太郎、清宮質文
横山大観、富岡鉄斎、竹内栖鳳、土田麦僊、入江波光、村上華岳、他
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松本竣介「焼跡風景(隅田川風景)」
中野美術館蔵

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中野美術館から住宅街を歩いてすぐのところに大和文華館があります。

CIMG4974大和文華館
広い駐車場の先に緑に覆われた小高い丘があります。
左手奥には辰野金吾設計の奈良ホテル・ラウンジの一部(明治42年[1909]建築)が移築され、文華ホールとして使われています。

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緑に囲まれたなだらかな坂を上ると、吉田五十八設計の大和文華館本館が見えてきます。

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外観は桃山の建築をイメージさせる海鼠壁(なまこかべ)。

CIMG4978玄関を入ると、重厚な木組みにささえられたエントランス。
明かり障子からの柔らかな光は廊下に過ぎないこの空間を清浄無垢なものとし、入った瞬間粛然としました。こんな気持ちになるのは久しぶりでした。

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大和文華館
「水墨画名品展」
2013年8月23日(金)~10月6日(日)
大和文華館所蔵の中世水墨画に加え、九州国立博物館所蔵の国宝「周茂叔愛蓮図」(狩野正信筆)・「白衣観音図」・「山水図巻」(伝小栗宗湛筆)が特別出陳されています。
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見る人がゆったりとした気持ちになれる素晴らしい建築空間でした。

さて、温泉にも入ったし、夜の奈良公園を抜けて奈良ホテルへ向かいました。
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辰野金吾設計の桃山御殿風檜造りの本館。

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バーのカウンターで。

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赤絨毯をひいた大階段。

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壁には上村松園の本画が。


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アインシュタインが弾いたピアノの前で。
社長と西田考作さん(西田画廊)。