スタッフSの「ULTRA006」レポートⅡ

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「ULTRA006」後半 
会期=11月1日-11月4日
会場=スパイラル

皆様こんにちわ、何がどうなっているのか、事もあろうに前回自分の書いたスタッフSの「ULTRA006」レポートがときの忘れものブログで人気記事ベスト1になってしまい、綿貫さんに「じゃぁノヴェンバー・サイドも取材してきて」と丸投げされたスタッフSこと新澤でございます。

例によって趣味の偏り甚だしいセレクションではありますが、お時間があるようでしたらお付き合いください。

前回同様、各写真の上に表記してあるのは展示を企画したディレクター名(敬称略)と、所属するギャラリー名、写真右は作家名と作品タイトルです。

ディレクター:盛本浩二
ギャラリー :盛本美術
DSCF9413藤原泰佑
"Route-3"
デジカメで撮影した風景をPC上でコラージュし、下書きとしてパネルに印刷した上から油彩を塗った作品。デジタル出力の下書きならではの細かさに油彩の手書きが加わり、独特な質感を生んでいます。
DSCF9416藤原泰佑
《街 -位相-Ⅰ》


ディレクター:金丸悠児
ギャラリー :C-DEPOT
DSCF9425真壁友
《ムーブメント2013 type-C》
錘を持ち上げて手を離すと、連動した歯車が動作して錘がゆっくりと下降していくギミック作品です。
結果として何かが起こるわけではありませんが、磨き上げられた機構が規則正しく動作している風景は見ていてワクワクしてきますね。
DSCF9423赤川智洋
《立ち昇りの冒頭》
DSCF9427丸山裕介
《おふらんす ルノー》


ディレクター:木村菜穂子
ギャラリー :RISE GALLERY
DSCF9430井口雄介
《COG.I》
こちらも歯車を主体とした作品ですが、木製です。
左上端から3番目の歯車に取っ手が付いており、これを回すと、連動してフレーム内の計70個の歯車が一斉に回るというもの。
この作家さんは普段は屋外インスタレーションを手がけているそうですが、今回は室内の壁掛け展示という所からスタートしてこの作品に行き着いたとのこと。


ディレクター:中村直永
ギャラリー :ART GALLERY 水無月
DSCF9433
《WoodBlock scene200》
個人的今回の一押し作品。
の、割には作家名も分からないという体たらく。
壁にビッシリと張り詰められた、手彩色の木彫り作品からお好みで7点を選び、下の写真のように纏めた状態で一つの作品となる模様。
DSCF9434可愛い、ちょっとカッコいい、面白いとバリエーションは様々。
DSCF9436中にはこんな続き物も。酷い状況ですが、キャラクターの表情が笑いを誘います。


ディレクター:寺嶋由起
ギャラリー :YUKI-SIS
DSCF9440田島弘庸
《Girl, you're high maintenance, but damn, you look good!
(お嬢さん、手がかかるなぁ、だけど、あー、やっぱり君は最高だよ!)》
見た目からタイトルからアメリカっぽい作品ですが、実際作家さんはもう随分長いこと渡米されているそうで。

DSCF9442田島弘庸
《Are you ready for my special roll tonight?
(へいいらっしゃい! 今夜のおすすめ、巻きますよ)》
ちなみに何故バナナ? と訊いた所、「黄色くて栄養価が高くて(優秀で)、でも安い(価値が低い)。つまり欧米的価値観に置ける日本人だ」とのこと。思わぬところにヘビーな社会風刺が…


ギャラリー :ex-chamber museum
DSCF9451佐藤明日香
パイロットの0.25mmボールペンでミリサイズのゆるキャラをひたすら描いて、描いて、描いて…A3サイズの紙を埋め尽くすとこんな感じになります。遠めに見ると不規則な模様にしか見えませんが、寄って見るといるわいるわ。黒ベタ部分もボールペンで塗っているそうで、紙一枚にペン一本と書くとお手軽に聞こえますが、実際そこに込められた手間は計り知れません。
DSCF9452ちなみに作家の佐藤さんは来月13日に初の絵本「たびねこ」を出版されます。一昔前に「ウォーリーを探せ」という絵本が流行りましたが、これを作家さんのイラストでやっているのだとか。ミリ単位で描かれたモノクロイラストがひしめくページから一体のキャラを探す…秋の夜長というには時期が遅いですが、寒い夜を暖房の効いた部屋過ごす際のお供にいかがでしょう?


ディレクター:谷岡拡
ギャラリー :Littlefan.net
DSCF9456渡辺篤
《落書き禁止 -けいかんびかすいしん-》
一見するとグラフィティが落書き禁止の看板を皮肉っている状況を描いたような作品に見えますが、こちら、本物です。作家さん曰く、自宅の壁にグラフィティを描き、それを壁ごと切り出して今回展示しているとのこと。


ディレクター:太田智也
ギャラリー :PI gallery
DSCF9464杉浦良平
《Deer Trophy》
インターネットのオタク方面にいささか毒されている自分から見ると、二重の意味で喧嘩を売っているように見える作品。作家さんが自分が行った時は不在だったのですが、是非とも製作意図を訊いてみたかった…

今回も自分の趣味丸出しのイベントレポートにお付き合いくださり、誠にありがとうございました。
(しんざわゆう)

*画廊亭主敬白
このブログはlivedoorを使っているのですが、その機能に「アクセス解析」というのがあり、毎週の「人気記事ベスト5」が表示されます。
いつもは小林美香さん、大竹昭子さん、井桁裕子さん、土渕信彦さんたち長期連載陣が上位の常連です。それぞれの連載がアップされると、グーンとアクセスが急上昇し、トップはほとんどこの四人のいずれかになる。
ところが先週、異変が起こった。
スタッフSの「ULTRA006」レポート>がダントツの一位になったのです。
なぜだ!?
スタッフSが選ぶ作品は亭主の好みと200%異なり、なかには「えっ、そんなのあった」と思うほど。
小さな異変が歴史を変えることもある、来年あたりSに一本企画を委ねようかしら。
亭主は沈思黙考し、来し方行く末を思い、スタッフSに厳かに「ULTRA006」の追加取材を命じた次第であります。