<東京・南青山の画廊 “ ときの忘れもの ” で 『瀧口修造展―Ⅱ』 が今度の水曜日・3月12日から土曜日・3月29日まで開催される。先回の展覧会『瀧口修造展―Ⅰ』は大変好評だったという。今回の展示は瀧口の最も知られた制作技法であるデカルコマニー ( 転写 ) で、案内によると30作品が展示されるという。きっとまた素晴らしい展覧会であるに違いない。瀧口修造

掲載したこの作品は案内状のもので、寸法は、たて5.4センチ、よこ9.0センチとあるが、にもかかわらず大きな画面に見える。
デカルコマニーと言えばやはりマックス・エルンストの作品だろう、と思う。そして両者の作品を思い浮かべるとき、僕は、瀧口のそれは今は世界的評価は未知数かも知れないが、やはりエルンストの対岸にあるべき作品、と思う。エルンストのそれは、完全に “ 謎 ” としての存在である。そして瀧口のそれは、形態も色彩も変化して止まない微生物の “ 変容 ” の世界である、と思う。言ってみれば瀧口のデカルコマニーはミクロコスモスの蠢 ( うごめ ) きである。じっと見つめていると、様々な生体が見えてくるのである。時には、色彩自らが拡散・収縮する様は、何かの発生に立ち会うようで実にダイナミックである。こんな小さな紙の上で … 、さえも。>
gallery artbookchair さんのブログより)


*画廊亭主敬白
まだまだ冷たい風が身にしみる3月ですが、瀧口修造展には各地からお客様が絶えません。
岩手、栃木、長野、静岡、富山、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡、Etc.,
上掲の文章は雪深い新潟の酒井さんのブログから転載させていただきました。
酒井さんの「gallery artbookchair」のことは昨年このブログでご紹介しましたが、西脇順三郎のコレクターであり、瀧口修造のファンでもあります。
残念ながら酒井さんのギャラリーは大家さんの都合で閉めざるを得なくなり、ただいま再開を模索中ときいています。でもブログは凄い! ほぼ毎日更新されているので、ぜひお読みください。
画廊は本日も営業中、お天気も良いのでどうぞお出かけください。

■ときの忘れものは2014年3月12日[水]―3月29日[土]「瀧口修造展 II」開催しています(※会期中無休)。
201403
今回は「瀧口修造展 Ⅰ」では展示しなかったデカルコマニー30点をご覧いただきます。

●出品作品を順次ご紹介します。
II-10(137)瀧口修造
《Ⅱ-13》
1962年
デカルコマニー、紙
※富山県立近代美術館蔵No.76と対
Image size: 7.3x12.6cm
Sheet size: 9.8x13.7cm

108瀧口修造
《Ⅱ-29》
デカルコマニー、紙
※Ⅱ-30と対
Image size: 11.2x7.3cm
Sheet size: 19.4x13.2cm

109瀧口修造
《Ⅱ-30》
デカルコマニー、紙
※Ⅱ-29と対
Image size: 11.2x7.5cm
Sheet size: 19.3x13.2cm

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このブログでは関係する記事やテキストを「瀧口修造の世界」として紹介します。土渕信彦のエッセイ「瀧口修造の箱舟」と合わせてお読みください。

カタログのご案内
表紙『瀧口修造展 I』図録
2013年
ときの忘れもの 発行
図版:44点
英文併記
21.5x15.2cm
ハードカバー
76ページ
執筆:土渕信彦「瀧口修造―人と作品」
再録:瀧口修造「私も描く」「手が先き、先きが手」
価格:2,100円(税込)
※送料別途250円(お申し込みはコチラへ)
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本日のウォーホル語録

<ある批評家がぼくのことを「無、そのもの」と評した。でもそれは、ぼくの存在の意味を知るには、何の助けにもならなかったけどね。で、ぼくは存在自身が無なんだって悟ってから、やっと気分が良くなったんだ。だけど、ぼくは未だに、鏡をのぞきこんでも何も見えない、無だけが在る、っていう観念にとらわれている。
―アンディ・ウォーホル>


ときの忘れものでは4月19日~5月6日の会期で「わが友ウォーホル」展を開催しますが、それに向けて、1988年に全国を巡回した『ポップ・アートの神話 アンディ・ウォーホル展』図録から“ウォーホル語録”をご紹介して行きます。
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