中村茉貴「美術館に瑛九を観に行く」 第2回 アーツ前橋
「音色を奏でる絵画たち 県内コレクションで辿る近代絵画の歩み」
われわれが枯草の上に腰をおろして、
その広濶な風景にみとれている間に
姿を消した瑛九が
いつまで待っても戻ってこないので
不安になって探しに行ったところ、
彼はくさむらの茂みのかげにうづくまって、
涙で顔をくちゃくちゃにして泣いていた。
彼は風景の美しさに感極まって嗚咽していたのである。
彼はそこから帰りに立ち寄った北尾の書斎でも、
バッハのレコードを聞いて手ばなしで泣いた。
(山田光春『瑛九―評伝と作品』青龍洞、1976年、pp.170-171)
※北尾:北尾淳一郎(写真家)
上記は1938年1月5日の瑛九の様子を同郷の山田光春が書いたものである。顔面蒼白、息も絶え絶えで苦しそうな瑛九。山田はそのとき恐怖心さえ抱いたという。
この日、瑛九が涙を流したバッハの音色とは何だったのだろう。
好奇心に駆られて、1938年頃に流通していたバッハ作曲のレコードをインターネットでしらべた。すると、1936~39年にかけて録音されたパブロ・カザルス(Pau Casals、1876‐1973)演奏の「無伴奏チェロ組曲」がヒットした。実際のところ、瑛九がこのレコードを聴いたかどうか定かではないが、カザルスによる全6曲におよぶ大変な試みは当時話題になったようだ。
パブロ・カザルス演奏
J.S. Bach 無伴奏チェロ組曲第1番
[試聴] http://youtu.be/h2O5hVl2LgQ
今回は、群馬県前橋市に2013年10月オープンした「アーツ前橋」におじゃました。
丸みを帯びた繭玉のような真っ白な建物。
見上げると、四角く浮かび上がる「空」がある。
空の中にある「空」は、廣瀬智央と前橋市内の子どもたちが交わした〈空の交換日記〉だという。
アーツ前橋の外観。設計は水谷俊博+水谷玲子。
商店街ならびにドカンと居座っているのは、元々西武デパートだから。
外から水槽を除くように中の様子が良く見える。
総合案内の横にあるライブラリー
本展は以下のとおり、細かくテーマが設定されている。
1. 視覚から導かれる色彩
2. 水の音色を聴く
3. モチーフのリズム
4. 風景に見る音
5. 色と形の共鳴
6. モノクロームのリズム
7. 絵画×音楽
地元ゆかりの作家たち。
会場を入ると吹き抜けがあり、明るい雰囲気に満ちていた。
正面から入って突き当たりには、地元ゆかりの作家がズラリと並ぶ。
まるで五線譜に敷き詰められた音符のように、
軽快にリズムを刻みながら隣り合う絵と絵が響き合っていた。
瑛九の作品は油彩1点、フォトデッサン(フォトグラム)10点、エッチング3点の計14点が展示されていた。「色と形の共鳴」には親交の深かったオノサト・トシノブの作品と一緒に油彩が展示してあった。
瑛九《作品》1959年 油彩 高崎市美術館蔵
暗い夜空に星々が瞬いているような作品。
画面中央でひときわ輝くのは北極星だろうか。
本作からはモーツァルトのきらきら星変奏曲が聴こえてくるような気がした。
階段中腹から見た瑛九の作品。フォトデッサン《鳥たち》が展示されている。
新田安紀芳氏所蔵の瑛九のフォトデッサンが展示された風景。
※今回は特別に新田氏から画像掲載の許可をいただきました。
「コッケコッコー」と威勢よく発せられた鶏の鳴き声。
声に驚いた3人の女性は身を寄せ合い、身の丈ほどの大きな鶏を仰ぎ見る。
前身はブルブルと震え、心臓は今にも飛び出しそうなくらい高鳴っているようだ。
画面の大半を占める巨大な鶏の背には、小さなヒヨコがピョコンと跳ねている。
向かって左側に位置する鶏は、頭上に舞う羽虫を追って首を伸ばしている。
フォトデッサン《鳥たち》は大判で完成度の高い作品である。
同展には「鳥」を描いた作品が他にも出品されている。
階段を降りたところの手前から5番目に掛かるフォトデッサン《とり》である。
輪郭のぼやけた幻想的なシルエットの人物がひとり。
彼の肩にはくちばしを高く突き上げた鳥が一羽止まっている。
右に左に肩を揺らしながら堂々とした足取りで歩を進める。
まるでフランス映画の主人公にでもなったかのように歌を口ずさみながら。
瑛九には「鳥」を描きこんだ作例が多い。
油彩、エッチング、リトグラフなど技法材料や制作年に関係なく「鳥」が度々登場する。
瑛九にとって「鳥」は特別な意味をもっていたことは確かであろう。
「鳥」を描いた理由については、いくつか想像できるが、当時の一般的な解釈である平和の象徴として一部の層に「鳥」が親しまれていたことを敢えて記しておきたい。
先に挙げたチェロ奏者カザルスもまた戦後にカタルーニャ民謡「鳥の歌」を演奏したことで反響を呼んだ。
今日もアーツ前橋の「空」には、ピースピースと鳴く鳥の歌が響き渡る。
野村誠氏作曲の譜面と油彩画が展示されている。
ヘッドフォンで音楽を聴きながら作品を鑑賞することが出来る。
「モノクロームのリズム」に出品された作品。
《鳥たち》制作年不詳 フォトグラム 個人蔵
《タイトル不詳》1932年 フォトグラム 個人蔵
《タイトル不詳》1936年 フォトグラム・ペン 個人蔵
《タイトル不詳》1950年 フォトグラム 個人蔵
《タイトル不詳》1956年 フォトグラム 個人蔵
《とり》制作年不詳 フォトグラム 個人蔵
《馬車が行く》1932年 フォトグラム 個人蔵
《タイトル不詳》制作年不詳 フォトグラム 個人蔵
《タイトル不詳》制作年不詳 フォトグラム 個人蔵
《タイトル不詳》1950年 フォトグラム 個人蔵
《朝》1956年 エッチング・ルーレット・ドライポイント・紙 個人蔵
《タイトル不詳》制作年不詳 エッチング・アクアチント・紙 個人蔵
《指輪の物語》1954年 エッチング・アクアチント・紙 個人蔵
※エッチング3点の補足:《朝》ed.19/60、スタンプサイン/《タイトル不詳》は銅版画集「SCALE IV」No.45《手の上》1952年と同じ版。エディションナンバーの記載はなく、スタンプサインのみ/《指輪の物語》ed.19/60、スタンプサイン
***
ちょっと寄道....
アーツ前橋の中にある「ROBSON COFFEE」。
「ラテアート」が施されたコーヒー。ほんのり柑橘系の香りがした。
「飲んだら乗るな」と強く主張をするBar。馬場川通りにある。
前橋カトリック教会。登録有形文化財に指定されている。
けやき通りで見つけた達磨。手足どころか顔まで。いつまで坐っていたのだろう。
萩原朔太郎生家跡。朔太郎の父はこの地で「萩原医院」を開いた。
群馬県 昭和庁舎。1928(昭和3)年に建設された。ここも登録有形文化財。
(なかむら まき)
●展覧会のご案内


「音色を奏でる絵画たち 県内コレクションで辿る近代絵画の歩み」展
会期:2015年1月24日[土]~3月10日[火]
会場:アーツ前橋
〒371-0022 群馬県前橋市千代田町5-1-16
Tel. 027-230-1144
時間:11:00~19:00(入館は18:30まで)
水曜休館
出品:パウル・クレー/ソニア・ドローネ/ジョアン・ミロ/瑛九/岡野勇仁/オノサト・トシノブ/笠木実/金子英彦/加納光於/川隅路之助/川端実/倉田角次/近藤嘉男/佐藤敬/塩原友子/清水刀根/武澤久/田村清男/中村節也/南城一夫/難波田龍起/難波田史男/野村誠/福沢一郎/福田貂太郎/山口薫
本展では、前橋市所蔵作品のみならず高崎市美術館、大川美術館、県内個人コレクションの作品群の中から視覚や聴覚へも訴えかけるような色彩豊かな作品を中心に展示いたします。
19世紀後半以降、現実を写実的に表現するという絵画の側面は次第にその役割を失っていきます。そのような状況の中で近代の画家たちはまったく新しい絵画表現を模索していきます。なかでも、クレーやカンディンスキーのような画家たちは音楽における音の調和を美術の分野において目指すことによりモチーフが溶け合い、色彩のみによる表現に辿りつきます。このような色彩による絵画の流れは、瑛九やオノサトトシノブのような20世紀を代表する日本の前衛作家たちにも大きな影響を与えます。県内コレクションを通じて、20世紀美術の最大の想像力である色彩のリズミカルな世界へ皆さまを誘います。
また、本展では、2013年に開催された「プレイベント vol.21 前橋市収蔵美術展 はじまる道」の関連イベント「絵画×音楽」を通じて生まれた、野村誠作曲《ピアノのための9つの小品「アーツ前橋」》を初めて公開いたします。ヘッドフォンから流れる音楽を聴きながら絵画を鑑賞することで、視覚と聴覚を駆使した新しい作品鑑賞を提案します。(同展HPより転載)
*画廊亭主敬白
2月24日にスタートしたばかりの新連載企画「美術館に瑛九を観に行く」第一回はおかげさまで好評で、このブログの「人気ランキング」の首位を奪取!
いつもは大竹昭子さん、小林美香さん、井桁裕子さんの不動のご三家がベスト3の常連なのですが、昨日遂に中村茉貴さんが一位に躍り出ました。
第二回も引き続き中村茉貴さんで、亭主の故郷群馬まで出張ってくれました。
このブログで何度もご紹介してきましたが、群馬にはかつて井上房一郎さんという文化のパトロンがいらっしゃいました。井上さんのつくったものの一つに地方初のオーケストラ群響(群馬交響楽団)があります。その群響のさらにルーツをたどると1915(大正4)年萩原朔太郎が創立した「ゴンドラ洋楽会」(のちの上毛マンドリン倶楽部)があります。マンドリン少年だった不肖亭主は朔太郎の孫弟子であります(とまた自慢話)。
この連載は、瑛九を愛する人によるリレー連載をもくろんでいます。吾こそと思う方、ぜひ名乗りをあげてください。
アーツ前橋の今回の展覧会はもっと早くに紹介したかったのですが、新しい美術館ということもあり、画像の掲載許可などで時間がかかり、会期終了間際になってしまいました。
ご協力いただいたアーツ前橋さま、高崎市美術館さま、コレクターの新田安紀芳さまに感謝いたします。
◆このブログで瑛九に関連する記事は「瑛九について」でカテゴリーを作成しています。
・「美術館に瑛九を観に行く」は随時更新します。
●今日のお勧めは、瑛九です。
瑛九
「声」
1937年頃
フォトコラージュ
23.3x27.7cm
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆ときの忘れものの3月前半の展示は「花見月の画廊コレクション」です。

「花見月の画廊コレクション」
会期:2015年3月3日(火)~3月14日(土)
*日曜、月曜休廊
出品:舟越桂、ベロック、中山岩太、瑛九、奈良原一高、細江英公、マン・レイ、小野隆生、他
「音色を奏でる絵画たち 県内コレクションで辿る近代絵画の歩み」
われわれが枯草の上に腰をおろして、
その広濶な風景にみとれている間に
姿を消した瑛九が
いつまで待っても戻ってこないので
不安になって探しに行ったところ、
彼はくさむらの茂みのかげにうづくまって、
涙で顔をくちゃくちゃにして泣いていた。
彼は風景の美しさに感極まって嗚咽していたのである。
彼はそこから帰りに立ち寄った北尾の書斎でも、
バッハのレコードを聞いて手ばなしで泣いた。
(山田光春『瑛九―評伝と作品』青龍洞、1976年、pp.170-171)
※北尾:北尾淳一郎(写真家)
上記は1938年1月5日の瑛九の様子を同郷の山田光春が書いたものである。顔面蒼白、息も絶え絶えで苦しそうな瑛九。山田はそのとき恐怖心さえ抱いたという。
この日、瑛九が涙を流したバッハの音色とは何だったのだろう。
好奇心に駆られて、1938年頃に流通していたバッハ作曲のレコードをインターネットでしらべた。すると、1936~39年にかけて録音されたパブロ・カザルス(Pau Casals、1876‐1973)演奏の「無伴奏チェロ組曲」がヒットした。実際のところ、瑛九がこのレコードを聴いたかどうか定かではないが、カザルスによる全6曲におよぶ大変な試みは当時話題になったようだ。
パブロ・カザルス演奏
J.S. Bach 無伴奏チェロ組曲第1番
[試聴] http://youtu.be/h2O5hVl2LgQ
今回は、群馬県前橋市に2013年10月オープンした「アーツ前橋」におじゃました。
丸みを帯びた繭玉のような真っ白な建物。
見上げると、四角く浮かび上がる「空」がある。
空の中にある「空」は、廣瀬智央と前橋市内の子どもたちが交わした〈空の交換日記〉だという。

商店街ならびにドカンと居座っているのは、元々西武デパートだから。


本展は以下のとおり、細かくテーマが設定されている。
1. 視覚から導かれる色彩
2. 水の音色を聴く
3. モチーフのリズム
4. 風景に見る音
5. 色と形の共鳴
6. モノクロームのリズム
7. 絵画×音楽

会場を入ると吹き抜けがあり、明るい雰囲気に満ちていた。
正面から入って突き当たりには、地元ゆかりの作家がズラリと並ぶ。
まるで五線譜に敷き詰められた音符のように、
軽快にリズムを刻みながら隣り合う絵と絵が響き合っていた。
瑛九の作品は油彩1点、フォトデッサン(フォトグラム)10点、エッチング3点の計14点が展示されていた。「色と形の共鳴」には親交の深かったオノサト・トシノブの作品と一緒に油彩が展示してあった。

暗い夜空に星々が瞬いているような作品。
画面中央でひときわ輝くのは北極星だろうか。
本作からはモーツァルトのきらきら星変奏曲が聴こえてくるような気がした。


※今回は特別に新田氏から画像掲載の許可をいただきました。
「コッケコッコー」と威勢よく発せられた鶏の鳴き声。
声に驚いた3人の女性は身を寄せ合い、身の丈ほどの大きな鶏を仰ぎ見る。
前身はブルブルと震え、心臓は今にも飛び出しそうなくらい高鳴っているようだ。
画面の大半を占める巨大な鶏の背には、小さなヒヨコがピョコンと跳ねている。
向かって左側に位置する鶏は、頭上に舞う羽虫を追って首を伸ばしている。
フォトデッサン《鳥たち》は大判で完成度の高い作品である。
同展には「鳥」を描いた作品が他にも出品されている。
階段を降りたところの手前から5番目に掛かるフォトデッサン《とり》である。
輪郭のぼやけた幻想的なシルエットの人物がひとり。
彼の肩にはくちばしを高く突き上げた鳥が一羽止まっている。
右に左に肩を揺らしながら堂々とした足取りで歩を進める。
まるでフランス映画の主人公にでもなったかのように歌を口ずさみながら。
瑛九には「鳥」を描きこんだ作例が多い。
油彩、エッチング、リトグラフなど技法材料や制作年に関係なく「鳥」が度々登場する。
瑛九にとって「鳥」は特別な意味をもっていたことは確かであろう。
「鳥」を描いた理由については、いくつか想像できるが、当時の一般的な解釈である平和の象徴として一部の層に「鳥」が親しまれていたことを敢えて記しておきたい。
先に挙げたチェロ奏者カザルスもまた戦後にカタルーニャ民謡「鳥の歌」を演奏したことで反響を呼んだ。
今日もアーツ前橋の「空」には、ピースピースと鳴く鳥の歌が響き渡る。

ヘッドフォンで音楽を聴きながら作品を鑑賞することが出来る。
「モノクロームのリズム」に出品された作品。
《鳥たち》制作年不詳 フォトグラム 個人蔵
《タイトル不詳》1932年 フォトグラム 個人蔵
《タイトル不詳》1936年 フォトグラム・ペン 個人蔵
《タイトル不詳》1950年 フォトグラム 個人蔵
《タイトル不詳》1956年 フォトグラム 個人蔵
《とり》制作年不詳 フォトグラム 個人蔵
《馬車が行く》1932年 フォトグラム 個人蔵
《タイトル不詳》制作年不詳 フォトグラム 個人蔵
《タイトル不詳》制作年不詳 フォトグラム 個人蔵
《タイトル不詳》1950年 フォトグラム 個人蔵
《朝》1956年 エッチング・ルーレット・ドライポイント・紙 個人蔵
《タイトル不詳》制作年不詳 エッチング・アクアチント・紙 個人蔵
《指輪の物語》1954年 エッチング・アクアチント・紙 個人蔵
※エッチング3点の補足:《朝》ed.19/60、スタンプサイン/《タイトル不詳》は銅版画集「SCALE IV」No.45《手の上》1952年と同じ版。エディションナンバーの記載はなく、スタンプサインのみ/《指輪の物語》ed.19/60、スタンプサイン
***
ちょっと寄道....

「ラテアート」が施されたコーヒー。ほんのり柑橘系の香りがした。





(なかむら まき)
●展覧会のご案内


「音色を奏でる絵画たち 県内コレクションで辿る近代絵画の歩み」展
会期:2015年1月24日[土]~3月10日[火]
会場:アーツ前橋
〒371-0022 群馬県前橋市千代田町5-1-16
Tel. 027-230-1144
時間:11:00~19:00(入館は18:30まで)
水曜休館
出品:パウル・クレー/ソニア・ドローネ/ジョアン・ミロ/瑛九/岡野勇仁/オノサト・トシノブ/笠木実/金子英彦/加納光於/川隅路之助/川端実/倉田角次/近藤嘉男/佐藤敬/塩原友子/清水刀根/武澤久/田村清男/中村節也/南城一夫/難波田龍起/難波田史男/野村誠/福沢一郎/福田貂太郎/山口薫
本展では、前橋市所蔵作品のみならず高崎市美術館、大川美術館、県内個人コレクションの作品群の中から視覚や聴覚へも訴えかけるような色彩豊かな作品を中心に展示いたします。
19世紀後半以降、現実を写実的に表現するという絵画の側面は次第にその役割を失っていきます。そのような状況の中で近代の画家たちはまったく新しい絵画表現を模索していきます。なかでも、クレーやカンディンスキーのような画家たちは音楽における音の調和を美術の分野において目指すことによりモチーフが溶け合い、色彩のみによる表現に辿りつきます。このような色彩による絵画の流れは、瑛九やオノサトトシノブのような20世紀を代表する日本の前衛作家たちにも大きな影響を与えます。県内コレクションを通じて、20世紀美術の最大の想像力である色彩のリズミカルな世界へ皆さまを誘います。
また、本展では、2013年に開催された「プレイベント vol.21 前橋市収蔵美術展 はじまる道」の関連イベント「絵画×音楽」を通じて生まれた、野村誠作曲《ピアノのための9つの小品「アーツ前橋」》を初めて公開いたします。ヘッドフォンから流れる音楽を聴きながら絵画を鑑賞することで、視覚と聴覚を駆使した新しい作品鑑賞を提案します。(同展HPより転載)
*画廊亭主敬白
2月24日にスタートしたばかりの新連載企画「美術館に瑛九を観に行く」第一回はおかげさまで好評で、このブログの「人気ランキング」の首位を奪取!
いつもは大竹昭子さん、小林美香さん、井桁裕子さんの不動のご三家がベスト3の常連なのですが、昨日遂に中村茉貴さんが一位に躍り出ました。
第二回も引き続き中村茉貴さんで、亭主の故郷群馬まで出張ってくれました。
このブログで何度もご紹介してきましたが、群馬にはかつて井上房一郎さんという文化のパトロンがいらっしゃいました。井上さんのつくったものの一つに地方初のオーケストラ群響(群馬交響楽団)があります。その群響のさらにルーツをたどると1915(大正4)年萩原朔太郎が創立した「ゴンドラ洋楽会」(のちの上毛マンドリン倶楽部)があります。マンドリン少年だった不肖亭主は朔太郎の孫弟子であります(とまた自慢話)。
この連載は、瑛九を愛する人によるリレー連載をもくろんでいます。吾こそと思う方、ぜひ名乗りをあげてください。
アーツ前橋の今回の展覧会はもっと早くに紹介したかったのですが、新しい美術館ということもあり、画像の掲載許可などで時間がかかり、会期終了間際になってしまいました。
ご協力いただいたアーツ前橋さま、高崎市美術館さま、コレクターの新田安紀芳さまに感謝いたします。
◆このブログで瑛九に関連する記事は「瑛九について」でカテゴリーを作成しています。
・「美術館に瑛九を観に行く」は随時更新します。
●今日のお勧めは、瑛九です。

「声」
1937年頃
フォトコラージュ
23.3x27.7cm
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆ときの忘れものの3月前半の展示は「花見月の画廊コレクション」です。

「花見月の画廊コレクション」
会期:2015年3月3日(火)~3月14日(土)
*日曜、月曜休廊
出品:舟越桂、ベロック、中山岩太、瑛九、奈良原一高、細江英公、マン・レイ、小野隆生、他
コメント