<この度、写真集「STREET RAMBLER」によって、第24回林忠彦賞を頂きました!
林忠彦賞は、戦後写真界に大きな足跡を残した写真家・林忠彦の多彩な業績を記念して創設された写真賞です。
今回の受賞作は、この10数年の自分のストリートスナップの中から代表作をまとめた写真集で、この様に評価して頂けた事は大変嬉しく光栄に思います。
写真集を出版するに当たってお世話になったスタッフの皆様、細江先生を始め審査員の皆様、周南市美術博物館の関係者の皆様、そして故林忠彦先生に心より感謝申し上げます。
少し先になりますが、4月17日より六本木フジフォトサロンにて、5月15日より山口県の周南市美術博物館にて、11月29日より北海道東川町文化ギャラリーにて、受賞記念写真展が開催されます。
お時間有りましたら是非、お立寄り下さい。>
(中藤毅彦さんのfacebookより)
来年2016年1月にときの忘れもので個展を予定している中藤毅彦さんが第24回林忠彦賞を受賞されました。
今回の選考委員は、大石芳野(写真家)、笠原美智子(東京都写真美術館事業企画課長)、河野和典(日本写真協会理事、日本カメラ社編集顧問)、細江英公(写真家)、有田順一(周南市美術博物館館長)の皆さん。
中藤さん、おめでとうございます!
●受賞写真集『STREET RAMBLER』のご案内
中藤毅彦写真集
『STREET RAMBLER』
2015年
ギャラリー•ニエプス 発行(発売ソリレス書店)
クロス張り上製本
192ページ
B4変形
価格:7,000円(税込)
※送料別途540円
サイン入り。ときの忘れもので扱っています。

中藤毅彦さんのサイン
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●細江英公先生の講評
林忠彦賞は、たくさんある写真賞の中でもレベルが高いと思います。応募される作品はあくまでも作品本位で、他のコンテストにはない自由な雰囲気があります。選考委員としても、少しでも皆さまのお役に立てばという気持ちで選考しています。
林忠彦賞の最終候補に入ると、これがご自分の写真歴に加わります。これはとても重要なことで、写真が好きというだけではなく、もっとご自身のレベルアップを目指す上で、この記録の意味が深まります。林忠彦賞は作品本位で日本全国の方々が応募できますから、大いに応募してもらいたいと思います。主催者の周南市の方々、選考委員を担当している私たち選考委員、市民のみなさんも、大変期待を持っております。
林忠彦賞という事業を地方市のレベルでやるのは、予算や時間の面から大変なことだと思いますが、非常に価値のあることです。意欲のある写真家の皆さま方は、ぜひこの賞を目標に、優れた作品を応募してください。
林忠彦賞に選ばれた中藤毅彦さんの作品「STREET RAMBLER」は、ニューヨークやパリ、上海、東京などを撮影しています。
ニューヨークと言えば、世界中の写真家がニューヨークを主題に撮影しています。古いところでは19世紀、20世紀初めくらいからで、一番有名なのは1950年代、ウィリアム・クラインという写真家の「ニューヨーク」という写真集でしょう。フィルムの粒子をわざと荒らした感じで、朝から夜まで静かになることはないと言われるニューヨークの喧騒を表現しています。当時の若い日本の写真家たちも、ウィリアム・クラインの写真に随分影響を受けて、そういうものを作りました。僕なんかもそうで、あえて写真の方向を粒子の荒れたような感じにする。画面よりもフィルムの粒子にピントを合わせて引き伸ばしをするという技法で、それで写真が荒々しく見える。粒子にピントを合わせますから、大きく伸ばしたときでも鮮やかに見えるんですね。白と黒のコントラストがありながら粒子が粗いというのは、平和な時代というより荒々しい時代を表現する、そういう効果があります。
そういうことを僕は体験していますので、中藤さんのような粒子を荒らしたような写真が出てきたりすると懐かしさが込み上げてきます。ニューヨークや東京のような大都会は、そういう粒子を荒らした写真を作ることはまだまだ有効だと思うんですね。
モノクロ写真の特徴として、白と黒のコントラストをつけることも、暗室の中で自分の好きなようにできます。写真の面白さは撮影だけではないんですね。撮影したフィルムをどのように処理するか、これも重要な表現の要素です。ですからできるだけ自分で現像して、その方法を色々と覚える。ただ普通に現像するのではなく、例えば現像液の温度を上げてサッと現像するとか、色々なことを暗室の中でやることができます。現像で自分の好きなように持っていくというのも写真表現の一部ですから、他人やDPE屋さんにお願いするのではなく、できれば自分でやる。それも色々テストして自分の好きな調子を得るとか、様々なことができます。そうすると表現の幅が広がりますね。これで写真が何倍も面白くなります。かなりのベテランの人はそれを全部自分でやっていますから。これはとても大事なことだと思います。
今回応募された作品を見ますと、上位にいる人たちは、大体において自分で処理をしている人が多いように感じます。カラーの場合には、またちょっと複雑な処理をしなければいけないので自分でやる人は少ないですが、応募作品の多くはモノクロですから、自分で処理をするということに思い切って飛び込んでみる。全部写真屋さんにやってもらうのではなく自分でやる。そういう勉強をすることでモノクロの写真表現の幅が広がります。とても重要なことですし、もうひとつはそれが面白いんです。面白いから止められなくなります。自分で印画紙の引き伸ばし処理をするようになると、写真の面白さが2倍3倍に膨れ上がるということです。
(周南市美術博物館のHPより引用)
●今日のお勧め作品は、中藤毅彦です。
作家と作品については大竹昭子のエッセイ「迷走写真館」第7回をご覧ください。
中藤毅彦
「作品(2)」
ゼラチンシルバープリント
30.6x21.5cm
サインあり
中藤毅彦
「作品(4)」
ゼラチンシルバープリント
21.3x30.5cm
サインあり
中藤毅彦
「作品(5)」
ゼラチンシルバープリント
21.2x30.5cm
サインあり
中藤毅彦
「作品(15)」
ゼラチンシルバープリント
21.3x30.5cm
サインあり
中藤毅彦
〈Street Rambler-Russia〉より
2004年(Printed in 2005)
ゼラチンシルバープリント
Image size: 32.0x48.5cm
Sheet size: 40.6x50.8cm
サインあり
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
林忠彦賞は、戦後写真界に大きな足跡を残した写真家・林忠彦の多彩な業績を記念して創設された写真賞です。
今回の受賞作は、この10数年の自分のストリートスナップの中から代表作をまとめた写真集で、この様に評価して頂けた事は大変嬉しく光栄に思います。
写真集を出版するに当たってお世話になったスタッフの皆様、細江先生を始め審査員の皆様、周南市美術博物館の関係者の皆様、そして故林忠彦先生に心より感謝申し上げます。
少し先になりますが、4月17日より六本木フジフォトサロンにて、5月15日より山口県の周南市美術博物館にて、11月29日より北海道東川町文化ギャラリーにて、受賞記念写真展が開催されます。
お時間有りましたら是非、お立寄り下さい。>
(中藤毅彦さんのfacebookより)
来年2016年1月にときの忘れもので個展を予定している中藤毅彦さんが第24回林忠彦賞を受賞されました。
今回の選考委員は、大石芳野(写真家)、笠原美智子(東京都写真美術館事業企画課長)、河野和典(日本写真協会理事、日本カメラ社編集顧問)、細江英公(写真家)、有田順一(周南市美術博物館館長)の皆さん。
中藤さん、おめでとうございます!
●受賞写真集『STREET RAMBLER』のご案内

『STREET RAMBLER』
2015年
ギャラリー•ニエプス 発行(発売ソリレス書店)
クロス張り上製本
192ページ
B4変形
価格:7,000円(税込)
※送料別途540円
サイン入り。ときの忘れもので扱っています。


こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●細江英公先生の講評
林忠彦賞は、たくさんある写真賞の中でもレベルが高いと思います。応募される作品はあくまでも作品本位で、他のコンテストにはない自由な雰囲気があります。選考委員としても、少しでも皆さまのお役に立てばという気持ちで選考しています。
林忠彦賞の最終候補に入ると、これがご自分の写真歴に加わります。これはとても重要なことで、写真が好きというだけではなく、もっとご自身のレベルアップを目指す上で、この記録の意味が深まります。林忠彦賞は作品本位で日本全国の方々が応募できますから、大いに応募してもらいたいと思います。主催者の周南市の方々、選考委員を担当している私たち選考委員、市民のみなさんも、大変期待を持っております。
林忠彦賞という事業を地方市のレベルでやるのは、予算や時間の面から大変なことだと思いますが、非常に価値のあることです。意欲のある写真家の皆さま方は、ぜひこの賞を目標に、優れた作品を応募してください。
林忠彦賞に選ばれた中藤毅彦さんの作品「STREET RAMBLER」は、ニューヨークやパリ、上海、東京などを撮影しています。
ニューヨークと言えば、世界中の写真家がニューヨークを主題に撮影しています。古いところでは19世紀、20世紀初めくらいからで、一番有名なのは1950年代、ウィリアム・クラインという写真家の「ニューヨーク」という写真集でしょう。フィルムの粒子をわざと荒らした感じで、朝から夜まで静かになることはないと言われるニューヨークの喧騒を表現しています。当時の若い日本の写真家たちも、ウィリアム・クラインの写真に随分影響を受けて、そういうものを作りました。僕なんかもそうで、あえて写真の方向を粒子の荒れたような感じにする。画面よりもフィルムの粒子にピントを合わせて引き伸ばしをするという技法で、それで写真が荒々しく見える。粒子にピントを合わせますから、大きく伸ばしたときでも鮮やかに見えるんですね。白と黒のコントラストがありながら粒子が粗いというのは、平和な時代というより荒々しい時代を表現する、そういう効果があります。
そういうことを僕は体験していますので、中藤さんのような粒子を荒らしたような写真が出てきたりすると懐かしさが込み上げてきます。ニューヨークや東京のような大都会は、そういう粒子を荒らした写真を作ることはまだまだ有効だと思うんですね。
モノクロ写真の特徴として、白と黒のコントラストをつけることも、暗室の中で自分の好きなようにできます。写真の面白さは撮影だけではないんですね。撮影したフィルムをどのように処理するか、これも重要な表現の要素です。ですからできるだけ自分で現像して、その方法を色々と覚える。ただ普通に現像するのではなく、例えば現像液の温度を上げてサッと現像するとか、色々なことを暗室の中でやることができます。現像で自分の好きなように持っていくというのも写真表現の一部ですから、他人やDPE屋さんにお願いするのではなく、できれば自分でやる。それも色々テストして自分の好きな調子を得るとか、様々なことができます。そうすると表現の幅が広がりますね。これで写真が何倍も面白くなります。かなりのベテランの人はそれを全部自分でやっていますから。これはとても大事なことだと思います。
今回応募された作品を見ますと、上位にいる人たちは、大体において自分で処理をしている人が多いように感じます。カラーの場合には、またちょっと複雑な処理をしなければいけないので自分でやる人は少ないですが、応募作品の多くはモノクロですから、自分で処理をするということに思い切って飛び込んでみる。全部写真屋さんにやってもらうのではなく自分でやる。そういう勉強をすることでモノクロの写真表現の幅が広がります。とても重要なことですし、もうひとつはそれが面白いんです。面白いから止められなくなります。自分で印画紙の引き伸ばし処理をするようになると、写真の面白さが2倍3倍に膨れ上がるということです。
(周南市美術博物館のHPより引用)
●今日のお勧め作品は、中藤毅彦です。
作家と作品については大竹昭子のエッセイ「迷走写真館」第7回をご覧ください。

「作品(2)」
ゼラチンシルバープリント
30.6x21.5cm
サインあり

「作品(4)」
ゼラチンシルバープリント
21.3x30.5cm
サインあり

「作品(5)」
ゼラチンシルバープリント
21.2x30.5cm
サインあり

「作品(15)」
ゼラチンシルバープリント
21.3x30.5cm
サインあり

〈Street Rambler-Russia〉より
2004年(Printed in 2005)
ゼラチンシルバープリント
Image size: 32.0x48.5cm
Sheet size: 40.6x50.8cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
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