行こう行こうと思っているうちに会期が終了してしまい、見損なった展覧会はいくつもある。
映画なら再上映や、DVD(もっとも亭主の家にはテレビがないので見ることはできないが)という機会もあるのだが、展覧会はただ一度だけ。見逃した大魚の大きいこと・・・

めったにないことだが、行こう行こうと思っていた美術館が突然なくなってしまうこともある。
昨日、山梨県須玉町にある「須玉美術館」から休館の知らせが届きました。

弊館は平成十年四月の開館以来、皆様のご高配を賜り、美術館活動を続けてまいりましたが、この度諸般の事情により、六月十五日をもって当分の間休館することになりました。(以下略)>
須玉美術館
<須玉美術館 ( Sutama Museum of Art ) は八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、富士山を望む小高い丘の上にある、緑の丸い建物が目印。 日本の抽象絵画の先駆者であり、円をモチーフに描き続けたオノサト・トシノブをはじめ、日本の現代絵画を中心に収蔵、年4回展示替えを行っています。
オノサト・トシノブの芸術思想を分かりやすく解説したビデオを鑑賞したり、塗り絵や作図を楽しめるコーナーもあります。(中略)

須玉美術館招待券
一点の翳りも不安もなく、明朗で力強いオノサト・トシノブの芸術世界。
「丸」をモチーフに『普遍的な実在としての絵画』を生涯追求し続けたオノサトの作品にふれる時、人間本来の清らかな魂が私たちの内から蘇り、生きる勇気が与えられます。
1998年に開館した「須玉美術館」はそんなオノサト作品を中心に、靉嘔・宇治山哲平などの現代絵画を収集、展示。
また、日本画の中堅・大森運夫のスケッチ画コレクションも充実しています。
雄大な甲斐駒ヶ岳や八ヶ岳、富士山を望む大自然の中で、絵とともにある至福の時をお過ごしください。>(同館HPより引用)

亭主が敬愛するオノサト・トシノブをメインに展示する美術館であり、学芸員の方が私どもの画廊に来られたりしていたので、いつかは行かねばと思っていたのですが、とうとう間に合いませんでした。
とても残念です。

オノサト先生没後にご遺族が設立した桐生のオノサト・トシノブ美術館も長期休館中であり、オノサトコレクターとして有名だった藤岡時彦さんの神楽坂の自宅マンションにあったオノサト美術館(オノサトギャラリー)も今は無い。
オノサト先生は不運だなあ・・・・・・

亭主は二度も行きましたが、いま東京都現代美術館開館20周年記念として開催されている<MOTコレクション特別企画第3弾>で、すばらしいオノサトコレクションが公開されています。
資生堂名誉会長、東京都写真美術館館長を務める福原義春さんが寄贈したオノサト・トシノブの作品の一部です。
20150124現美コレクション展 リストオノサト・トシノブ出品リスト

世田谷美術館に寄贈した<駒井哲郎の福原コレクション>は展覧会が各地を巡回したこともありよく知られていますが、福原さんは20代から版画友の会に入っていた筋金入りのコレクターであり、オノサト作品(主に油彩、水彩)も長年蒐集してきました。
福原さんの好みは一貫していて1950~60年代にかけてのいわゆる「べた丸」が中心です。
おそらく、オノサト・トシノブのコレクションとしては質量ともに最大の規模でしょう。
6月28日までですので、お見逃しなく。

●今日のお勧めはオノサト・トシノブです。
onosato_78_64_B出品No.23)
オノサト・トシノブ
「64-B」
1964年
リトグラフ
15.0x25.0cm
Ed.120 Signed
※レゾネNo.8

onosato_88_66A出品No.24)
オノサト・トシノブ
「66-A」
1966年
リトグラフ
12.5x18.5cm
Ed.120 Signed
※レゾネNo.17

F-9_600
オノサト・トシノブ Toshinobu ONOSATO
"F-9"
1985年
シルクスクリーン
22.0x27.0cm
Ed.200  Signed
※レゾネNo.205

F-10_600
オノサト・トシノブ Toshinobu ONOSATO
"F-10"
1985年
シルクスクリーン
22.0x27.0cm
Ed.200  Signed
※レゾネNo.206

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ときの忘れものでは、7月25日(土)~8月8日(土)の会期で「オノサト・トシノブ展」を開催します