スタッフSの海外ネットサーフィン No.28
「Le Corbusier: The measures of man」

The Centre Pompidou ~ Paris


読者の皆様こんにちわ、梅雨真っ盛りな今日この頃、いかがお過ごしでしょうか? 日々出歩くたびに雨に降られ、屋内に入ると途端に止まれるスタッフSこと新澤です。

最近の記事で何かと引き合いに出していたART SANTA FEですが、いよいよ開催が迫ってまいりました。この記事の後には、恒例のフェアレポートにてお眼汚しとなりますので、お時間があればそちらでもお付き合いください。現在ときの忘れものはサンタフェ以外にも複数の海外アートフェアに申し込み中で、全て受かれば(まだ結果が届いていません)今年は台北、韓国、シンガポールに向かうことになります。当然参加申込も複数回するのですが、そろそろ画廊紹介文も諳んじられる程度にはなってまいりました。当画廊の特徴とは、すなわち著名な建築家のドローイングや版画を多数取り扱っているということです。日本人であれば安藤忠雄磯崎新、海外であればル・コルビュジエなどがそうですね。

そんな繋がり(?)から今回ご紹介するのは、連載6回目で紹介したパリ・ポンピドゥ・センターで現在開催されている「Le Corbusier: The measures of man(ル・コルビュジエ:人間の尺度)」です。

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ポンピドゥ・センターの特徴といえばロゴにもなっている外部エスカレーターですが、自分はこちらの三つ並んで突き立つ排気口の方が記憶に残っています。何故かは自分にも分からないのですが。

建物についての説明は以前の記事を参照していただくとして、近代建築の代表作の一つとして名を馳せる美術館で、近代建築を確立した人物の回顧展が開催されるという、展示場所と展示内容がお互いに相応しいイベントです。

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展覧会はル・コルビュジエの提唱した「モデュロール」(Modulor)に関連したデッサン、絵画、模型、写真など300点がル・コルビュジエの生涯と思想を基に12のセクションに分けられて展示されています。ちなみに「モデュロール」とは、人間の身体を空間把握の基準とする原則のことで、ル・コルビュジエの後年の主要作品も、この原則に基づいて寸法が定められています。

日本にも東京・台東区にル・コルビュジエの建築がありますが(国立西洋美術館)、フランス、中でもパリとその周辺は作家が活動の拠点としていただけあって多数の建築があります。中でもサヴォワ邸(Villa Savoye)はピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面というル・コルビュジエの提唱した「近代建築5原則」が全て取り入れられたデザインとなっている代表作です。また、パリ南の郊外にある国際学生都市のブラジル館(Maison du Bresil)は前述のモデュロールの原則に従って寸法が定められており、展覧会でスケッチや模型などから作家の考えを見て取り、その上で実物を見ると新たな発見があるかもしれません。機会がある方は是非両方に足を運んでみて下さい。

20150626_pompidou_3サヴォワ邸外観

展覧会の会期は2015年4月29日から8月3日まで(火曜日は休館)
開場時間は朝11時から夜21時まで
入場料は一般EUR 14、割引でEUR 11です。

(しんざわ ゆう)

ポンピドゥ・センター公式ページ(英文)
Le Corbusier: The measures of man 紹介ページ(英文)

●ときの忘れもののコレクションからル・コルビュジエの作品をご紹介します。
Le Corbusier_drawing_600ル・コルビュジエ Le Corbusier
《ドローイング22.3/52》
1952年
ドローイング(色鉛筆)
33.0×23.0cm
サインあり

corbusier_13_tougyuuル・コルビュジエ Le Corbusier
《闘牛(牡牛)》
1963年
リトグラフ(カラー)
110.0×75.0cm
刷込サインあり

corbusier_10_yunite-11_colorル・コルビュジエ Le Corbusier
〈ユニテ〉より#11b
1965年
カラー銅版画
シートサイズ:57.5×45.0cm
Ed.130
サインあり

corbusier_01_modulorル・コルビュジエ Le Corbusier
《モデュロール》
1956年
リトグラフ
70.3×52.8cm
版上サインあり

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