東京都現代美術館での撤去問題は継続展示と決まった。欧米のマスコミにまで報道され、反響の大きさに収束を急いだのだろうが反省の弁は無い。美術館は美の番人だけで無く、時には社会の木鐸の役割を担わなければならない。欧米の輸入雑貨的なアートより、日本を体現する作家らと真摯に向き合って欲しい。
(@mizumaartさんのtwitterより)

東京都現代美術館にはよくお邪魔しますが、この件については、本当にガッカリというか、怒りを覚えました。既に展示中の作品ですよ? 展示している美術館が守らないで、一体、誰が守るんですか?? そりゃ、無論、作家は自作を守ろうとするでしょうが……美術館って、本来、作家の表現の自由を守るべき場所なんじゃないのですか???
(Tさんからのメールより)

亭主はテレビもないし、業界の付き合いもほとんどないので、今回の会田誠さんの事件(?)に関しては、展示も見ていませんし、語るべき情報は何もありませんでした。
うちは社長の倹約令で新聞は東京新聞(一番安い)、この件に関しては記事も少ない(亭主の読んだ範囲では)。
このブログでこういう問題を取り上げることはほとんどしていません。
どうせ(早とちりはいけませんが)都の小役人か、馬鹿な政治家、またはクレームおばさん(おじさん?)が文句をつけ、それに慌てた美術館の事務方が「穏便に」と動き、かえって騒ぎが大きくなったくらいに思っていました。

しかし、亭主も少しは読んでいるTwitterやfacebookの情報によると(これは会田さん自身の文章でも書かれているので間違いないでしょう)、作品の改編(撤去?)を要請したのは、事務方でもなければ都の小役人でもない、何とあの有名なチーフキュレーターのHさんだというので、いや驚きました。

亭主は、Hさんには一面識もありません。とても有名な方なので著書を読んだのと、ラジオでクールな声で美術展の案内をしているのを聞いたくらいです。
どういう方か、まったく知りません。

亭主が考える世の組織の最低限のモラル(ルール)は、
上司が部下を守らないで誰が守るんだ、に尽きます。
都現美の職制がどうなっているか存じませんが、チーフキュレーターっていえばあまたいる学芸員の上司でしょう。
学芸員が企画し、展示までしたものを、上司が守ってあげなくて誰が守るんでしょう。
敵に向って突撃したら、うしろから(味方から)撃たれるようなもので、下で働く人たちのモチベーションは下がるに決まっている。そんな職場からはオリジナリティある意欲的な企画は生まれないでしょう。

先人から聞いた、鎌倉の土方定一館長、京都近美の今泉篤男館長らがスキャンダル(事件勃発)に際して部下を守ろうとした昔話を思い出します。
日本の美術は市場だけでなく、美術館のレベルでも崩壊状態なのですね。
とても残念です。