ご紹介が遅くなってしまいましたが、初台の東京オペラシティで「鈴木理策写真展 意識のの流れ」が開催されていますが、それと共に難波田隆起・難波田史男の水彩画などによる寺田コレクション展が開催されています。

「収蔵品展052 水につながる
寺田コレクションの水彩画」展


会期:2015年7月18日(土)~9月23日(水・祝日)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日、ただし9月22日は開館)
会場:東京オペラシティアートギャラリー

寺田コレクションの水彩作品として第一に挙げられるのは、短い人生で膨大な数の水彩画を遺した難波田史男であり、その父である難波田龍起もまた、油絵の作品とともに多くの水彩画を手がけた画家です。
本展では第二室をこの二人の作品でまとめました。
(中略)
第二室は難波田龍起、史男の作品を、前半は画家ごとに、後半はテーマごとに並列しました。龍起は戦後日本の抽象画の代表作家としての油彩作品が知られていますが、水彩の作品においても内省的、求道的な姿勢が貫かれています。とはいえその作品名に目を向けると、油彩のそれとは異なるファンタジックなものが目立ちます。さらに、史男の作品につけられたタイトルと共通の単語が散見されることにも気がつくでしょう。学生運動の高まりや不条理な社会から逃れるように、自室にこもって水彩画を描き続けた史男にとって、絵の世界は自己を癒す唯一の場所でした。1974年に史男が早世するまで、父子は同じ屋根の下で制作する画家同士でしたが、同時に現実のさまざまな困難を抱えて苦悩する人間同士でもありました。「木」「妖精」「少女」「宇宙」「空」「幻想」といった共通の単語は、魂の救済を求めながら精力的に作品を制作する二人の画家の懊悩(おうのう)と、それゆえに強固になっていった二人の絆の現れともいえるでしょう。繊細なインクの線に水分をたっぷり含んだ絵具を重ねてにじませた水彩画は、史男の魂が上げた叫び声でした。史男は1974年、旅行先の瀬戸内海でフェリーから転落するという不慮の事故で世を去り、その生の最後も水と結ばれたものでした。
(同館HPより)

残り会期もあと僅かですが、どうぞ皆さんお出かけください。

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私たちが難波田龍起先生のアトリエにはじめて伺ったのはご子息史男さん(1974年死去)の亡くなられて間もない頃でした。
以来、たくさんの銅版画をエディションし、油彩や水彩の展覧会を幾度も開催させていただきました。
追悼文集に寄せた亭主のエッセイ「難波田龍起先生の銅版画」をお読みいただければ幸いです。
19780918ギャラリーミキモト 難波田展オープニング 松永健一
1978年9月18日
難波田龍起銅版画集『街と人』『海辺の詩』発表記念展オープニング

会場:銀座・ギャラリーミキモト
左から綿貫不二夫、松永伍一難波田龍起、同夫人


●画廊コレクションから難波田龍起難波田史男の作品をご紹介します。
44難波田龍起
「(作品)」
1994年 コラージュ
29.0x20.0cm
Signed

難波田龍起_夕暮_水彩_難波田龍起
「夕暮」
1989年
水彩、インク
24.8x33.4cm
Signed
裏にタイトルと年記あり

難波田史男_野と空_水彩_難波田史男
「野と空」
1971年
水彩、インク
27.0x38.1cm
Signed

難波田史男_門_水彩_難波田史男
「門」
1972年
水彩、インク
26.9x38.0cm
Signed

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