南桂子(1911~2004)と浜口陽三(1909~2000)のご夫婦はともに銅版を専門として取り組まれ、日本を代表する版画家として生涯を終えられました。
南桂子はエッチング技法による透明感あふれるカラー作品で、浜口陽三は長谷川潔が復興したメゾチント技法に色彩を加えた作品で、国際的にも高い評価を獲得しました。
ご夫婦で画家というのは珍しくはありませんが、それぞれがご自分の世界を確立して高い評価を得た稀有な例でしょう。
最初に白状しておきますが、亭主は昔から南桂子ファンでして、「なぜ、こんなにいい作家なのに旦那さん(浜口陽三)の十分の一にも満たない低価格なんだ」とひとり勝手に憤慨していました。
ご紹介する作品のデータでおわかりのとおり、デュッセルドルフ美術館や、あの20世紀を代表する大画商ベルグラン(ハインツ・ベルクグリューンが経営した画廊)が版元なのですから、世界の慧眼の士たちは南桂子をとうに認めていました。
しかるに母国の日本ときたら「甘くて、少女趣味」という一言で切って捨て、生前には美術館も市場も冷たかった。
南桂子 Keiko MINAMI
"LITTLE FLOWER GIRL"
銅版 1958
イメージサイズ:38.6×29.7cm
シートサイズ:56.3×37.8cm
Ed.50 Signed
*レゾネNo.80(2011年 NHKサービスセンター)
南桂子 Keiko MINAMI
《鳥と果実》
銅版 1961年
イメージサイズ:39.2×28.3cm
シートサイズ:56.3×38.0cm
Ed.150 Signed
*レゾネNo.106(2011年 NHKサービスセンター)
*レゾネによれば1961年にデュッセルドルフ美術館の依頼で制作された(ed.50)とあり、この作品は別バージョン(デュッセルドルフ美術館版とは色が若干異なる)
南桂子 Keiko MINAMI
《日本の茂み》
銅版 1977年
イメージサイズ:35.0×28.2cm
シートサイズ:55.9×37.8cm
Ed.50 Signed
*レゾネNo.232(2011年 NHKサービスセンター)
版元はベルグラン
お若い方には想像もつかないでしょうが、1970年代から始まる「版画の時代」に市場の頂点に立っていたのが長谷川潔、池田満寿夫、浜口陽三の三人でした。ここでいうのはあくまで市場価格についてです。
作家の生前に銅版画一枚が100万円を超える評価を獲得したのはこの三人だけでしょう(木版では棟方志功がいます)。
銅版画界のプリンスと言われた駒井哲郎でさえ生前最後の新作価格は僅か6万円でした。
同じ頃、浜口陽三のさくらんぼは一粒ん十万円といわれました。
浜口陽三 Yozo HAMAGUCHI
《とうもろこし》
銅版 1959年
イメージサイズ:23.5×54.0cm
シートサイズ :50.5×66.0cm
Ed.50(H.C. ) Signed
浜口陽三
「巻貝」
銅版 1961年
Image size: 8.0x9.8cm
Sheet size: 19.0x28.4cm
Ed.50 Signed
浜口陽三
「Green Cherry」
銅版 1981年
Image size: 7.8x5.9cm
Frame size: 38.3x32.3cm
Ed.145 Signed
時は流れ、人は変わり、バブル崩壊、リーマンショック以降の日本の版画市場の暴落はすさまじいものでした。
長谷川潔はさすがに別格で、こんにちでも高い評価は変わりませんが、池田、浜口のお二人はすっかり忘れ去られてしまったようです。
今では夫人の南桂子の人気はご主人の浜口陽三を凌ぐ勢いです。
まさか、亭主が生きているうちに二人の市場評価が逆転するなんて夢にも思いませんでした。画商の目なんていかにあてにならないか・・・・(反省!)
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南桂子はエッチング技法による透明感あふれるカラー作品で、浜口陽三は長谷川潔が復興したメゾチント技法に色彩を加えた作品で、国際的にも高い評価を獲得しました。
ご夫婦で画家というのは珍しくはありませんが、それぞれがご自分の世界を確立して高い評価を得た稀有な例でしょう。
最初に白状しておきますが、亭主は昔から南桂子ファンでして、「なぜ、こんなにいい作家なのに旦那さん(浜口陽三)の十分の一にも満たない低価格なんだ」とひとり勝手に憤慨していました。
ご紹介する作品のデータでおわかりのとおり、デュッセルドルフ美術館や、あの20世紀を代表する大画商ベルグラン(ハインツ・ベルクグリューンが経営した画廊)が版元なのですから、世界の慧眼の士たちは南桂子をとうに認めていました。
しかるに母国の日本ときたら「甘くて、少女趣味」という一言で切って捨て、生前には美術館も市場も冷たかった。

"LITTLE FLOWER GIRL"
銅版 1958
イメージサイズ:38.6×29.7cm
シートサイズ:56.3×37.8cm
Ed.50 Signed
*レゾネNo.80(2011年 NHKサービスセンター)

《鳥と果実》
銅版 1961年
イメージサイズ:39.2×28.3cm
シートサイズ:56.3×38.0cm
Ed.150 Signed
*レゾネNo.106(2011年 NHKサービスセンター)
*レゾネによれば1961年にデュッセルドルフ美術館の依頼で制作された(ed.50)とあり、この作品は別バージョン(デュッセルドルフ美術館版とは色が若干異なる)

《日本の茂み》
銅版 1977年
イメージサイズ:35.0×28.2cm
シートサイズ:55.9×37.8cm
Ed.50 Signed
*レゾネNo.232(2011年 NHKサービスセンター)
版元はベルグラン
お若い方には想像もつかないでしょうが、1970年代から始まる「版画の時代」に市場の頂点に立っていたのが長谷川潔、池田満寿夫、浜口陽三の三人でした。ここでいうのはあくまで市場価格についてです。
作家の生前に銅版画一枚が100万円を超える評価を獲得したのはこの三人だけでしょう(木版では棟方志功がいます)。
銅版画界のプリンスと言われた駒井哲郎でさえ生前最後の新作価格は僅か6万円でした。
同じ頃、浜口陽三のさくらんぼは一粒ん十万円といわれました。

《とうもろこし》
銅版 1959年
イメージサイズ:23.5×54.0cm
シートサイズ :50.5×66.0cm
Ed.50(H.C. ) Signed

「巻貝」
銅版 1961年
Image size: 8.0x9.8cm
Sheet size: 19.0x28.4cm
Ed.50 Signed

「Green Cherry」
銅版 1981年
Image size: 7.8x5.9cm
Frame size: 38.3x32.3cm
Ed.145 Signed
時は流れ、人は変わり、バブル崩壊、リーマンショック以降の日本の版画市場の暴落はすさまじいものでした。
長谷川潔はさすがに別格で、こんにちでも高い評価は変わりませんが、池田、浜口のお二人はすっかり忘れ去られてしまったようです。
今では夫人の南桂子の人気はご主人の浜口陽三を凌ぐ勢いです。
まさか、亭主が生きているうちに二人の市場評価が逆転するなんて夢にも思いませんでした。画商の目なんていかにあてにならないか・・・・(反省!)
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