5月12日(木)~5月14日(土)に有楽町駅前の東京国際フォーラムで開催される「アートフェア東京2016」に出展します。
今回出品するのは関根伸夫以外はすべて物故作家です。
順次ご紹介しますが、先ずはロスアンゼルスを拠点に制作する関根伸夫先生の作品です。
具体」に続き海外での評価が高騰している「もの派」の代表作家です。
1968年第1回神戸須磨離宮公園現代彫刻展で現地に乗り込んだ関根先生は考えぬかれた用意周到な計画のもとにいきなりスコップで地面に穴を掘り、それを積み上げるという作品「位相-大地」によって一躍美術界の寵児となります。
早くから海外での発表を精力的に展開し、1970年荒川修作とともにヴェネツィア・ビエンナーレ日本館代表となり、その後2年間ヨーロッパに滞在。帰国後の1973年に環境美術研究所を設立、パブリックアートのパイオニアとして多くの作品を各地に制作しました。1978年から79年にかけては、クンストハーレデュッセルドルフ(デュッセルドルフ) 、ルイジアナ美術館(フルムペック・デンマーク) 、オランダ国立クーラーミューラ美術館(オッテルロ) 、ヘニイ・オンスタード美術館(オスロ) の4美術館で個展を開催するという快挙を成し遂げます。当時まだ30代だった関根先生のおそるべきパワーでした。
このとき、もし日本の画商が強力に関根先生を後押しし、ヨーロッパでの展開をプロデュースできたら・・・もっと早く「もの派」ひいては日本の現代美術の評価も高まっていたでしょう。

日本国内の小さな世界に飽き足らなかった関根先生はその後、中国そしてアメリカに拠点を移します。
国内ではここしばらく新作の発表もなく、李禹煥や菅木志雄らと比べるとその作品に触れる機会が極端に少ないのが残念でなりません。オークションでの価格も低迷を続けています(関根先生によると「ゼロが二つ違う」)。

位相-大地」(1968年)は、日本の美術史を画した大事件だったわけですが、日本発のオリジナルな作品を制作した作家への敬意を、コレクションという形であらわしてくれるコレクターの出現を切に願っています。
(もの派と関根先生については日本美術オーラルヒストリーをお読みください)

関根伸夫出品No.30)
関根伸夫
《Phase of Nothingness-Black》
1977年頃
彫刻、黒御影石
40.0x40.0xH30.0cm

sekine_07_daiti-ten出品No.31)
関根伸夫
《大地の点》
1982年
ステンレス・レリーフ
35.0x31.5x2.0cm
Ed.30  Signed
*現代版画センターのエディション


関根伸夫_石をつる出品No.32)
関根伸夫
《石をつる》
1975年
シルクスクリーン
イメージサイズ:58.0×38.0cm
シートサイズ:63.2×45.6cm
Ed.75  Signed
*現代版画センターのエディション
『関根伸夫1968-1978』No.266
(1978年、ゆりあ・ぺむぺる)


関根伸夫_銅版画600出品No.33)
関根伸夫
《三角の波のproject》
1982年
銅版
60.0x45.0cm
Ed.50  Signed
*現代版画センターのエディション


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『関根伸夫作品集 1968-78』のご紹介
私たちは1970年代~80年代にかけて関根先生の版画や立体(マルチプル)を多数、エディションし、全国各地で展覧会を開催しました。
当時から関根先生の目は海外を向いており、関根先生が独力で繰り広げたヨーロッパ巡回展のために出版したのが、『関根伸夫作品集 1968-78』でした。
ほぼレゾネに相当する内容で、編集は植田実先生にお願いしました(コチラを参照)。
20160421_sekine_book_1978_sekinenobuo『関根伸夫作品集 1968-78』限定A版
1978年
ゆりあ・ぺむぺる工房 発行
企画:現代版画センター、関根伸夫後援会
編集:植田実、近代美術研究会
120ページ
26.0x25.0cm
アクリルケース入り
Ed.250
オリジナル銅版画「Project-石の風景」入り
※作者によるサイン、No.入り

20160421_sekine_05_ishi-huukei関根伸夫
「Project-石の風景」
銅版
Image size: 17.5x16.5cm
Sheet size: 26.0x25.2cm
作者によるサイン、No.入り

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ロゴ
「アートフェア東京2016」
一般公開:5月12日(木)14:00~21:00
5月13日(金)12:00~21:00
5月14日(土)10:30~17:00
会場:東京国際フォーラム
   〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-5-1

ときの忘れものブース:N16
出品作品:瑛九松本竣介瀧口修造野田英夫関根伸夫
ゴッタルド・セガンティーニ、ハインリッヒ・フォーゲラー恩地孝四郎ピエト・モンドリアンセルジュ・ポリアコフオノサト・トシノブ

皆様のご来場をお待ちしております。