<暑くなってまいりました。お元気でしょうか。
獺祭は蔵元が車で一時間の所にあるので初めて行ってきました。ご亭主は傷に障るので令子社長がお飲みください。>


瀬戸内海の島に暮らすTさんから嬉しいお便りが届きました。もちろん傷にはとても良く利くという獺祭は独り占めなんかせず(させず)、社長と二人喜んでいただいています。Tさんありがとう。

先日、珍しく亭主が時事的な話題に触れたのですが、たくさんの賛意とともに種々のご意見も頂戴しました。駄文を読んでいただき恐縮です。
あそこに書いたとおり、亭主は英国のEU離脱に関して是非を言っているのではなく(それはイギリス国民の決めることです)、長い歴史を積み重ねてきたはずのイギリス議会の指導者たちが、本来発揮すべき「寛容と熟慮に基づいたリーダーシップ」を放棄し、国民投票に丸投げしてしまった浅慮に絶望した次第です。
どちらの陣営も思ってもみなかったEU離脱という投票結果にあわてふためき、次々と表舞台から逃げ出すに至ってはあいた口がふさがりません。
多数決には限界があります。人間の尊厳にかかわることは多数決で決めてはなりません。
移民や難民問題にからめて、イエスかノーの国民投票をすれば、ナチスを持ち出すまでもなく憎悪と偏見のののしりあいになることは、わかっていたはずではないか。紳士の国、イギリスはどこに行ってしまったのでしょう。

ここ数年、海外のアートフェアに参加することが多くなったのですが、一番悩ましいのが画廊の企画展との日程調整です。
大きなフェアは早いものは一年ほど前から応募を受け付けますが、直ぐに合否の返事があるわけではありません。今秋11月に某国で開催されるアートフェアに申し込んでいるのですが(昨年は見事に落とされました)、出展できるかどうかはまだ返事がきません。
それによって11月の企画展の日程も当然かわってきます。
普通だったら一年先くらいまでの企画展の予定は決まっているのですが、スタッフの主力が海外に出張するとなるとフェアに日程が最優先とならざるを得ません。

夏から秋へ、おおよその企画展とアートフェア出展の予定をお知らせします。

■2016年7月5日(火)~7月23日(土)「ルイーズ・ニーヴェルスン展
昨日から始まりました。随分長いあいだ倉庫に眠っていた作品群なのですが、あらためて展示してみて、その深みのある色彩に亭主はすっかりはまっています。

◇2016年8月5日(金)~8月7日(日)「ART STAGE JAKARTA 2016」(インドネシア・ジャカルタ)
既に出展は決まっているのですが、ここ数日の各地でのおびただしい殺戮をみると躊躇せざるを得ません。「平和」を強く強く願います。

■2016年8月6日(土)~8月20日(土)「没後20年 菅井汲展
亭主がはじめて菅井先生を訪ね版画の制作を依頼したのは1975年でした。交通事故の後、画風は激変し70年代からは、ほとんど円と直線を組み合わせた、より単純化されたものとなります。交通標識みたいだと揶揄されたものですが、シンプルであることを選んだ作家の姿勢は一貫していました。単身で世界と闘ったスガイの真価が没後20年を経て問われています。久しぶりに70~80年にかけての版画作品を展示します。

■2016年8月21日(月)~8月29日(月)*夏季休廊

◇2016年9月9日~12日 「アートフェア・アジア・フクオカ」(ホテルオークラ福岡)

□2016年9月17日(土)「「ときの忘れもの・拾遺 第3回ギャラリーコンサート(チェロ:富田牧子)」(予定)

■2016年9月中旬「光嶋裕介新作展
井上雄彦さんの和紙作品に触発された「描く建築家」は、福井で自ら特大サイズの和紙を漉いて、そこに壮大な幻想風景を描く、3回目となる個展に向けての和紙への挑戦が続いています。

◇2016年10月12日(水)-16日(日)「KIAF 2016」(韓国ソウル)

■2016年10月中旬「第27回瑛九展~久保貞次郎没後20年
私たちの恩師久保貞次郎が亡くなって20年経ちました。瑛九の最も良き理解者であり、多くの作家を支援した久保先生の功績を顕彰し、光と生きる喜びに溢れた瑛九の作品を展示します。

■2016年11月初旬「ルリユール 書物への偏愛
このブログで連載を続けているFrgmの三人の造本家の作品展です。
          
■2016年11月26日(土)~12月3日(土)「戦後の前衛美術‘50-70 Part Ⅲ(S氏&Y氏コレクションより入札)
日本の戦後前衛美術に大きな役割を果たしたS氏とY氏のコレクションを入札方式で頒布します。

■2016年12月中旬「第3回アートブック・ラウンジ
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とまあ、このところの天変地異、EU問題、自爆テロの頻発を横目で見ながらのこれからの半年の予定ですが、果たして予定通りに無事に進むでしょうか。
なんとなく波乱の予感が・・・・

●今日のお勧めは韓国の新進作家ハ・ミョンウンの作品です。
ハ・ミョンウンNo.5
ハ・ミョンウン 河明殷 Ha Myoung-eun
"MINI series(5)"
2011年
Foamex acrylic
22.0x15.0x3.1cm
Signed

昨2015年2月から3月にかけて釜山のS+ Gallery で開催された、キム・セハンとのコラボレーション展「REPERSENTATION METHOD」の動画をご紹介します。