現在、「ときの忘れもの」で開催中のルイーズ・ニーヴェルソン展ですが、1970年後半に名古屋のアメリカン文化センターという所で個展がありました。
確か、彫刻家・篠田守男氏のニーヴェルソンについての講演がありました。当時の館長の方が美術に造詣が深く、アメリカの現代作家の紹介をされていました・・・。

名古屋のSさんのメールより>

展覧会はやってみるもんだ、といまさらながらの述懐です。
ただいま開催中の「ルイーズ・ニーヴェルスン展」、来廊者は日に一名乃至数名と例によって愚痴ったら、その効あってか少し来る人も増えました。
nevelson_05

来る人のほとんどが作家を知りません。
「黒い箱の・・・」と言うと、「ああ、あの人」という反応が少し。
亭主はメアリー・カサット(Mary Stevenson Cassatt, 1844~1926年)、ジョージア・オキーフ(Georgia O'Keeffe 、1887~1986年)と並び、アメリカを代表する(20世紀を代表する)女性作家と信じておりますが、いかんせん見る機会がなければ若い世代には伝わらない。
因みにGoogleで検索してみると僅か4800件、オキーフの64,000件と比べても格段に少ない。
国内でニーヴェルスンを所蔵する美術館は、川村美術館、原美術館、新潟市美術館、富山県立近代美術館、愛知県美術館、福岡市美術館など、そこそこあるのですが・・・・・・

偶然ですが、ロンドンのPACE Galleryでニーヴェルスンの1950年代中頃から亡くなる88年までの活動に焦点をあてた展覧会が開かれています。ぜひネットでご覧になってください。画像が立体を中心に43点も掲載されています。さすがです。
亭主が「いい、いい」というものだから、脅迫に負けて購入者もぼつぼつ出現(!)。おかげさまで干天の慈雨のごとき喜びを社長は味わっております。
会期は来週末までです。ぜひお出かけください。

さて竹橋の東京国立近代美術館声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」展が開催されています。

20160607吉増剛造展20160607吉増剛造展 裏
「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」
会期:2016年6月7日[火]~2016年8月7日[日]
会場:東京国立近代美術館
   〒102-8322 千代田区北の丸公園3-1
時間:10:00~17:00 (金曜日は20:00まで) ※入館は閉館の30分前まで
休館:月曜(7/18は開館)、7/19(火)

ナショナル・ミュージアムで詩人の個展、画期的な展覧会です。
絵画や彫刻ではなく「詩」をテーマに何を展示するのか、難しい課題ですが、吉増先生だから可能になったともいえるでしょう。企画者の保坂健二朗(同館主任研究員)さんへのインタビューをぜひお読みください。

国立の美術館には、ある時代において先進的な展覧会を行う使命があります。そのミッションに吉増さんは合致する人物だった」(同インタビューより)

他の数多の美術館が予算削減、議会向けの入場者の見込める展覧会の開催に右往左往する現状から考えれば、まことにうらやましい「国立」ならではのスタンスですが、最近の竹橋、常設も含め大健闘しています。
20160606 東京国立近代美術館「吉増剛造展」レセプション_01
社長とオープニングに行ってまいりました。

20160606 東京国立近代美術館「吉増剛造展」レセプション_02
展覧会は8月7日まで。

20160606 東京国立近代美術館「吉増剛造展」レセプション_04
植田実先生と待ち合わせ。

20160606 東京国立近代美術館「吉増剛造展」レセプション_24
アラーキーは最前列で吉増先生にエールを送っていました。

20160606 東京国立近代美術館「吉増剛造展」レセプション_28吉増剛造ご夫妻
吉増先生にはジョナス・メカス展の折にギャラリー・トークをお願いしました。

20160606 東京国立近代美術館「吉増剛造展」レセプション_30柳澤紀子さんと吉増先生

20160606 東京国立近代美術館「吉増剛造展」レセプション_33おびただしい日記、メモ、原稿などが真っ暗な空間に展示されています。

20160606 東京国立近代美術館「吉増剛造展」レセプション_32会場を仕切るのは黒い布。

20160606 東京国立近代美術館「吉増剛造展」レセプション_31文字が打ち込まれた銅板や、カセットテープなど「詩人」という言葉にはいりきらない多くのものが展示されています。

親交のあるジョナス・メカスさんの映画上映もあります。
「リトアニアへの旅の追憶」(監督/ジョナス・メカス、日本語字幕付、16ミリフィルムによる上映)
2016年7月16日(土)14:00-16:00(開場;13:30/吉増剛造によるアフタートークあり)
2016年7月17日(日)14:00-15:30(開場;13:30)
会場:東京国立近代美術館 地下1階講堂
定員:先着140名
要観覧券、要整理券(整理券は当日10:00より1階受付で配布)
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吉増展と同時開催の「MOMATコレクション」もぜひお見逃しなく。
20160606 東京国立近代美術館「吉増剛造展」レセプション_21
東近美は昨年、松本竣介の作品を11点収蔵したのですが、以前から所蔵している作品とあわせ、3階6室と2階ギャラリー4で展示しています。竣介ファン必見です。

20160606 東京国立近代美術館「吉増剛造展」レセプション_19
松本竣介の素描
植田実先生には生誕100年展のおりに全会場をまわっていただき「生きているTATEMONO 松本竣介を読む」を全14回にわたりブログに連載していただきました。

20160606 東京国立近代美術館「吉増剛造展」レセプション_17
駒井哲郎の銅版画

20160606 東京国立近代美術館「吉増剛造展」レセプション_14
亭主大興奮!!!
戸張孤雁の彫刻が展示されています。

20160606 東京国立近代美術館「吉増剛造展」レセプション_11
戸張孤雁「唱える女」(c.1914年)

20160606 東京国立近代美術館「吉増剛造展」レセプション_12
戸張孤雁「唱える女」

20160606 東京国立近代美術館「吉増剛造展」レセプション_10
戸張孤雁「煌めく嫉妬」(1924年)

20160606 東京国立近代美術館「吉増剛造展」レセプション_06
戸張孤雁「水面を眺める女」(1914年)

吉増剛造、松本竣介、駒井哲郎、戸張孤雁らのベストの作品を一度に鑑賞、おなか一杯の一日でありました。

●今日のお勧めは松本竣介の素描です。
04_ShunsukeMATSUMOTO
松本竣介《兵士》
鉛筆、紙
イメージサイズ:14.0×18.0cm
シートサイズ:14.5×19.0cm

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