野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」 第25回
「ART STAGE JAKARTA出展」
8月3日、ART STAGE JAKARTA出展の為、ときの忘れもののスタッフの皆さんと、木彫作家の葉栗さん、展示・通訳・接客の助っ人で福岡から来られた徳永さんと羽田で合流、ジャカルタへ発ちました。
ジャカルタは暑かったですが、出発前の京都が猛暑だったのでそこまで違いはなかったです。
4日は展示作業、今回の会場は3つのスペースに分かれていて、出展ギャラリーは50軒程でした。
主催者側のミスで、ときの忘れものブースの壁面の一部が機材の出入り口になっていて、次の日まで展示ができないという問題が起きましたが、配置を練り直し、それ以外の壁面と葉栗さんの木彫作品も無事に展示完了しました。
しかし、私はまさかのミスをしました、、
作業中に会場のトイレへ行き、立って水を流そうと便器横のレバーをひねったらこっちに向かって水が噴射!、、お腹付近がずぶ濡れになりました(*_*;
そのレバーはまさかのウォシュレットのレバーやったんですね、2秒程頭が真っ白になりました。
汗を拭く様にタオル持ってたので、お腹付近隠しながら早足で部屋に戻り着替えました。
今回宿泊してるのがフェア会場のホテルで本当に良かったです(笑)
野口琢郎
「kotodama」
2016年
箔画(Lacquer, Gold/Silver/Platinum foil, Charcoal, Resin on Wood panel)
33.3×24.2cm
サインあり
野口琢郎
「Landscape#37」
2016年
箔画 (Lacquer, Gold/Silver/Platinum foil, Charcoal, Resin on Wood panel)
65.2×53.0cm
サインあり
野口琢郎
「HANABI #9」
2014年
箔画 (Lacquer, Gold/Silver/Platinum foil, Charcoal, Resin, Clear acrylic paint on Wood panel)
91×72.7 cm
サインあり
野口琢郎
「Landscape#30」
2013年
箔画 (Lacquer, Gold/Silver foil, Charcoal, Resin on Wood panel)
91.0×182.0cm
サインあり








ちなみに、ジャカルタでは今年爆破テロがあり、日常の治安面もあまり良くないという事で、今回はアートフェアの会場であるホテルに宿泊する事になったのですが、想像以上に豪華で、仕事で泊まるにはもったいない位でした。
ホテルには大きなショッピングモールが隣接していて、丸亀製麺やCoCo壱番屋、ユニクロなど日本のお店も多いのですが、ジャカルタのお土産を売っているような店は小さな店が一軒しか無く、ジャカルタにいるという空気はあまり感じませんでした。
セキュリティーも厳しく、ホテルやショッピングモールに入る時には毎回金属探知機を通り、荷物のチェックもありました。








5日はART STAGE JAKARTAの初日、14時~21時まで招待客だけのVIPプレビュー、序盤お客様が少なかったのでこりゃダメなのかと思いましたが夕方から急増、21時の終了時にも多くのお客様がおられ21時半にやっと締めました。
毎年行く韓国のフェアは序盤にお客様が多く夜はガラガラな事が多いのですが、生活スタイルが違うのか21時までという遅めの閉場の時間設定も納得しました。
作品に興味を持って頂ける事もあって嬉しく、特に人気があったのは木彫の長崎美希さんの作品で、可愛い!と大評判で、葉栗さんの木彫の大作はフェア全体の中で最も強いインパクトがありました。


他のギャラリーの作品をざっと観ての私の印象は、特に偏った傾向はなく、何でもあるというという感じで、ギャラリー数が少なく、流せば30分もかからずに全部を観る事ができるので、KIAFなどの大規模なフェアに比べればお客様も観るのが楽なのではと思いますが、見応えは十分にあるのではという印象でした。










6日は一般公開の初日、土曜といってもジャカルタはスロースタートなようで、序盤お客様は少なく、また夕方から急増しました。
一般公開なので子連れの方も多く活気があり、21時の閉場間際までお客様も多く無事に終了、その後皆さんで食事をした後ちょっと冒険をしました。
少し悪い治安面もあって、皆さん余計なトラブルを避ける為に今までホテルから一歩も外に出ていなかったのですが、快適なホテルに何でもあるショッピングモールがあるとはいえ、ホテルの部屋には開く窓がなく外の空気を吸えない、太陽の光を浴びられないというのは意外に辛いもので、、
晩御飯後に勇気を出して初めて全員で外に出て、筋向かいのセブンイレブンだけ行ってみました。
ずっと冷房の効いた場所にいたのでムシっとした空気が新鮮で、道には信号も無いので、途切れなく走る車とバイクを自分で静止しながら道を渡り、初めてのおつかい気分で楽しかったです(笑)
過去にベトナムに旅した事があり、こういう国の風景はとても好きなので、きっとぶらぶら歩きながら撮影したらイイ写真が撮れるのですが、身ぐるみ剥がされてパンイチで帰ってきても皆さんに迷惑をかけてしまうので、今回はやめておきました。
そして部屋に戻る後に少しだけホテルのバーへ、生バンドの演奏が雰囲気良く、日本人だと解ると長崎は今日も雨だったや昴を歌ってくれました。

7日は最終日、この日もスロースタートながらたくさんのお客様にご来場頂けました。
初めてのジャカルタでのフェア参戦、地元が強いというアート事情など事前の情報通りの事もあれば、現場に来てみないと解らなかった事も多々ありました。
外国の方にとっては近い日本と韓国が文化も全然違うように、当たり前ですがシンガポールとジャカルタは宗教から文化など多くの事が違うので、海外の無名の作家には厳しい場所という印象で、過去に経験した色々な国のフェアと同様に色々な国の方に作品を観て頂けて「素晴らしい」などの言葉を頂ける喜びと、海外挑戦の難しさと、改めて両方を感じるフェアでした。


それで21時過ぎにフェアが終了、その後吉野家で牛丼を素早く食べてから撤退作業、全て終わって部屋に戻った時には1時を越していて、皆さんさすがにお疲れでのようでした。
8日はスタッフの方は納品などあり、作家は一日オフ、昼までゆっくり寝てました。夕食は皆さんと打ち上げでしゃぶしゃぶを食べました。
9日は帰国へのホテル出発が夕方だったので、初めて買い物を兼ねて皆さんとタクシーで20分程の土産など売っている店へ行き、少し外もぶらぶら歩きました。
相変わらず車とバイクで道は混雑していて、アザーンというイスラムの礼拝を呼びかける録音の声が大音量で響いたかと思えば、街角で若者の演奏するドラムの音が聴こえたり、ほんの少しだけですが、蒸し暑く活気のあるジャカルタの町の空気を感じる事ができました、あまり写真は撮れなかったですが。



そして夕方空港へ、10日朝に羽田に到着して乗り継いで関空へ、13時過ぎにやっと京都の家に到着。
欧州などに比べれば移動時間は短いのですが、独特な緊張感があったせいか、家に帰ってみると凄くホッとして、地元なので当たり前ですが、やはり京都は良い所だなと久しぶりに感じました 笑
しかし帰ってきたらもうお盆早いものです。
今回もときの忘れものさんには新たな土地での作品発表のチャンスを頂き、現地でもスタッフの皆様には本当にお世話になりました。
作家の葉栗さんには作家として色々なお話をさせて頂き、初めてご一緒した福岡の徳永さんには展示、通訳、接客など本当にお世話になりました。
改めまして皆様に心より感謝致します。
どんな国へ持って行ってももっと強い印象を残せるように、これからも作品制作をがんばりたいと思います。
(のぐち たくろう)
■野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。
●今日のお勧め作品は、野口琢郎です。
野口琢郎
「光へ」
2011年
箔画(木パネル、漆、土、金・銀箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
37.9×45.5cm
サインあり
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
ときの忘れものの通常業務は平日の火曜~土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。
◆野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
◆「ときの忘れもの・拾遺 ギャラリーコンサート第3回 独奏チェロによるJ.S.バッハと20世紀の音楽」を9月17日(土)夕方4時(16時)より開催します。いつもより早い開演時間です。
プロデュース:大野幸、チェロ:富田牧子によるプログラムの詳細は8月18日にこのブログで発表します。
要予約、会費:1,000円。メールにてお申し込みください。
「ART STAGE JAKARTA出展」
8月3日、ART STAGE JAKARTA出展の為、ときの忘れもののスタッフの皆さんと、木彫作家の葉栗さん、展示・通訳・接客の助っ人で福岡から来られた徳永さんと羽田で合流、ジャカルタへ発ちました。
ジャカルタは暑かったですが、出発前の京都が猛暑だったのでそこまで違いはなかったです。
4日は展示作業、今回の会場は3つのスペースに分かれていて、出展ギャラリーは50軒程でした。
主催者側のミスで、ときの忘れものブースの壁面の一部が機材の出入り口になっていて、次の日まで展示ができないという問題が起きましたが、配置を練り直し、それ以外の壁面と葉栗さんの木彫作品も無事に展示完了しました。
しかし、私はまさかのミスをしました、、
作業中に会場のトイレへ行き、立って水を流そうと便器横のレバーをひねったらこっちに向かって水が噴射!、、お腹付近がずぶ濡れになりました(*_*;
そのレバーはまさかのウォシュレットのレバーやったんですね、2秒程頭が真っ白になりました。
汗を拭く様にタオル持ってたので、お腹付近隠しながら早足で部屋に戻り着替えました。
今回宿泊してるのがフェア会場のホテルで本当に良かったです(笑)

「kotodama」
2016年
箔画(Lacquer, Gold/Silver/Platinum foil, Charcoal, Resin on Wood panel)
33.3×24.2cm
サインあり

「Landscape#37」
2016年
箔画 (Lacquer, Gold/Silver/Platinum foil, Charcoal, Resin on Wood panel)
65.2×53.0cm
サインあり

「HANABI #9」
2014年
箔画 (Lacquer, Gold/Silver/Platinum foil, Charcoal, Resin, Clear acrylic paint on Wood panel)
91×72.7 cm
サインあり

「Landscape#30」
2013年
箔画 (Lacquer, Gold/Silver foil, Charcoal, Resin on Wood panel)
91.0×182.0cm
サインあり








ちなみに、ジャカルタでは今年爆破テロがあり、日常の治安面もあまり良くないという事で、今回はアートフェアの会場であるホテルに宿泊する事になったのですが、想像以上に豪華で、仕事で泊まるにはもったいない位でした。
ホテルには大きなショッピングモールが隣接していて、丸亀製麺やCoCo壱番屋、ユニクロなど日本のお店も多いのですが、ジャカルタのお土産を売っているような店は小さな店が一軒しか無く、ジャカルタにいるという空気はあまり感じませんでした。
セキュリティーも厳しく、ホテルやショッピングモールに入る時には毎回金属探知機を通り、荷物のチェックもありました。








5日はART STAGE JAKARTAの初日、14時~21時まで招待客だけのVIPプレビュー、序盤お客様が少なかったのでこりゃダメなのかと思いましたが夕方から急増、21時の終了時にも多くのお客様がおられ21時半にやっと締めました。
毎年行く韓国のフェアは序盤にお客様が多く夜はガラガラな事が多いのですが、生活スタイルが違うのか21時までという遅めの閉場の時間設定も納得しました。
作品に興味を持って頂ける事もあって嬉しく、特に人気があったのは木彫の長崎美希さんの作品で、可愛い!と大評判で、葉栗さんの木彫の大作はフェア全体の中で最も強いインパクトがありました。


他のギャラリーの作品をざっと観ての私の印象は、特に偏った傾向はなく、何でもあるというという感じで、ギャラリー数が少なく、流せば30分もかからずに全部を観る事ができるので、KIAFなどの大規模なフェアに比べればお客様も観るのが楽なのではと思いますが、見応えは十分にあるのではという印象でした。










6日は一般公開の初日、土曜といってもジャカルタはスロースタートなようで、序盤お客様は少なく、また夕方から急増しました。
一般公開なので子連れの方も多く活気があり、21時の閉場間際までお客様も多く無事に終了、その後皆さんで食事をした後ちょっと冒険をしました。
少し悪い治安面もあって、皆さん余計なトラブルを避ける為に今までホテルから一歩も外に出ていなかったのですが、快適なホテルに何でもあるショッピングモールがあるとはいえ、ホテルの部屋には開く窓がなく外の空気を吸えない、太陽の光を浴びられないというのは意外に辛いもので、、
晩御飯後に勇気を出して初めて全員で外に出て、筋向かいのセブンイレブンだけ行ってみました。
ずっと冷房の効いた場所にいたのでムシっとした空気が新鮮で、道には信号も無いので、途切れなく走る車とバイクを自分で静止しながら道を渡り、初めてのおつかい気分で楽しかったです(笑)
過去にベトナムに旅した事があり、こういう国の風景はとても好きなので、きっとぶらぶら歩きながら撮影したらイイ写真が撮れるのですが、身ぐるみ剥がされてパンイチで帰ってきても皆さんに迷惑をかけてしまうので、今回はやめておきました。
そして部屋に戻る後に少しだけホテルのバーへ、生バンドの演奏が雰囲気良く、日本人だと解ると長崎は今日も雨だったや昴を歌ってくれました。

7日は最終日、この日もスロースタートながらたくさんのお客様にご来場頂けました。
初めてのジャカルタでのフェア参戦、地元が強いというアート事情など事前の情報通りの事もあれば、現場に来てみないと解らなかった事も多々ありました。
外国の方にとっては近い日本と韓国が文化も全然違うように、当たり前ですがシンガポールとジャカルタは宗教から文化など多くの事が違うので、海外の無名の作家には厳しい場所という印象で、過去に経験した色々な国のフェアと同様に色々な国の方に作品を観て頂けて「素晴らしい」などの言葉を頂ける喜びと、海外挑戦の難しさと、改めて両方を感じるフェアでした。


それで21時過ぎにフェアが終了、その後吉野家で牛丼を素早く食べてから撤退作業、全て終わって部屋に戻った時には1時を越していて、皆さんさすがにお疲れでのようでした。
8日はスタッフの方は納品などあり、作家は一日オフ、昼までゆっくり寝てました。夕食は皆さんと打ち上げでしゃぶしゃぶを食べました。
9日は帰国へのホテル出発が夕方だったので、初めて買い物を兼ねて皆さんとタクシーで20分程の土産など売っている店へ行き、少し外もぶらぶら歩きました。
相変わらず車とバイクで道は混雑していて、アザーンというイスラムの礼拝を呼びかける録音の声が大音量で響いたかと思えば、街角で若者の演奏するドラムの音が聴こえたり、ほんの少しだけですが、蒸し暑く活気のあるジャカルタの町の空気を感じる事ができました、あまり写真は撮れなかったですが。



そして夕方空港へ、10日朝に羽田に到着して乗り継いで関空へ、13時過ぎにやっと京都の家に到着。
欧州などに比べれば移動時間は短いのですが、独特な緊張感があったせいか、家に帰ってみると凄くホッとして、地元なので当たり前ですが、やはり京都は良い所だなと久しぶりに感じました 笑
しかし帰ってきたらもうお盆早いものです。
今回もときの忘れものさんには新たな土地での作品発表のチャンスを頂き、現地でもスタッフの皆様には本当にお世話になりました。
作家の葉栗さんには作家として色々なお話をさせて頂き、初めてご一緒した福岡の徳永さんには展示、通訳、接客など本当にお世話になりました。
改めまして皆様に心より感謝致します。
どんな国へ持って行ってももっと強い印象を残せるように、これからも作品制作をがんばりたいと思います。
(のぐち たくろう)
■野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。
●今日のお勧め作品は、野口琢郎です。

「光へ」
2011年
箔画(木パネル、漆、土、金・銀箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
37.9×45.5cm
サインあり
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◆野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
◆「ときの忘れもの・拾遺 ギャラリーコンサート第3回 独奏チェロによるJ.S.バッハと20世紀の音楽」を9月17日(土)夕方4時(16時)より開催します。いつもより早い開演時間です。
プロデュース:大野幸、チェロ:富田牧子によるプログラムの詳細は8月18日にこのブログで発表します。
要予約、会費:1,000円。メールにてお申し込みください。
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