今日は宮脇愛子先生の命日です。
2014年8月20日に亡くなられる直前まで、ときの忘れもので油彩による次の新作展を開きたいと絵筆を握っておられました。

先日、新潮文庫から刊行された沢木耕太郎さんの『流星ひとつ』の表紙カバーには宮脇愛子先生のドローイングが使われています。
沢木耕太郎「流星ひとつ」_2 のコピー沢木耕太郎「流星ひとつ」 のコピー

2013年8月22日に衝撃的な投身自殺を遂げた歌手の藤圭子さん。
沢木さんのノンフィクション『流星ひとつ』は30年以上前、彼女が28歳で芸能界を引退する際、数回にわたって行われたロングインタビューをもとに構成され、原稿は完成していたのですが沢木さん自身の考えで当時刊行はされませんでした。それが藤圭子さんの自殺を契機にようやく陽の目をみたのですが、単行本が出版されたとき沢木ファンの亭主は直ぐに買って読みました。

藤圭子さんが亡くなってから3年、祥月である8月に新潮文庫となるに際して、著者沢木耕太郎さんの強い希望で表紙には同じ8月に亡くなられた宮脇愛子先生のドローイングが使われました。
この作品は、2013年12月にときの忘れもので開催された「宮脇愛子新作展2013」で発表されたものですが、なぜ沢木さんが宮脇作品を希望されたかは、『深夜特急』(1~6,新潮文庫)の愛読者ならおわかりになるでしょう。
miyawaki_13
宮脇愛子
"Work" (13)
2013年 紙に銀ペン
イメージサイズ:30.7×25.0cm
シートサイズ :42.2×29.8cm
サインと年記あり

さあ、たんとお上がりなさいね」(『深夜特急4』新潮文庫129ページ)

1979年6月5日_東大美博 (59)1979年6月5日
沢木耕太郎さん(左)と、宮脇愛子先生(右)
於:東京駒場・東京大学教養学部美術博物館
磯崎新展オープニング


表紙『宮脇愛子新作展2013』図録
2013年12月
16ページ
25.7x18.3cm
図版:16点
※現代版画センター刊『PRINT COMMUNICATION No.84』(1982年9月)に収録された宮脇愛子と植田実の対談を再録
価格:800円(税別)、送料:250円

ときの忘れものでは幾度か宮脇先生の個展を開催してきましたが、生前最後となった「愛子新作展2013」のレセプションの様子をご覧ください。

最後に私事になりますが、今日20日は11年前に亭主の次男が台北で亡くなった日でもあります。暑い夏の日、台湾に迎えに行ったときのことが昨日のことのように思い出されます。


●今日のお勧め作品は、宮脇愛子です。
06宮脇愛子
"Work" (3)
2013年
ミクスドメディア
イメージサイズ:45.5×43.5cm
シートサイズ :56.3×43.5cm
サインと年記あり

miyawaki_05宮脇愛子
"Work" (5)
2013年
紙に銀ペン
イメージサイズ:23.2×28.5cm
シートサイズ :29.8×42.0cm
サインと年記あり

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ときの忘れものは明日から夏休みに入ります。8月21日[日]~8月29日[月]は夏季休廊です。