暑いですね。
たっぷりあると思っていた夏休み。あっという間に過ぎてしまい・・・・残すところあと一日。
お世話になった画商さんがお亡くなりになるなど思わぬこともありました。
いつものように映画三昧とは行きませんでしたが、宿題だったいくつかの展覧会は見ることができました。
優れた名品に触れることは私たちのような商売には欠かせぬ修練だとあらためて思いました。

さて、本日8月27日は建築家ル・コルビュジエの命日です。
Le Corbusier(1887年10月6日 - 1965年8月27日 スイスで生まれ、フランスで主に活躍。本名はシャルル=エドゥアール・ジャンヌレ=グリ Charles-Edouard Jeanneret-Gris)

上野の国立西洋美術館が昨年世界遺産に登録されたのを機に、ル・コルビュジエの業績がさまざまな形で紹介されています。
建築大好きのこのブログでも毎月17日に、倉方俊輔のエッセイ「『悪』のコルビュジエ」(絵:光嶋裕介)を連載しています。

ル・コルビュジエのドローイングについては、八束はじめさんのエッセイをお読みください。

軽井沢のルヴァン美術館では、同時代を生きたル・コルビュジエと西村伊作の展覧会が開催されています。

西村伊作の次女の百合さんと結婚したのがル・コルビュジェに師事した坂倉準三です。
私たちがこのたび入居した本駒込五丁目のLAS CASAS(鉄筋コンクリート造・三階建て)は坂倉建築研究所出身の阿部勤先生が設計された建築です。なんかいろいろつながりますね。

追分には坂倉準三が戦前に設計した住宅を移築再現したレストラン「ドメイヌ・ドゥ・ミクニ 」もあります。少し離れていますが、素晴らしい建築空間を楽しめます。

20170624_坂倉準三20170624_坂倉準三_裏
「同時代に生きた芸術家 ル・コルビュジエと西村伊作」展
会期:2017年6月10日[土]~11月5日[日]
会場:軽井沢ルヴァン美術館
   〒389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町長倉957-10
時間:10:00~17:00
休館:水曜 ※7月15日(土)~9月15日(土)は無休

上野の国立西洋美術館が昨年「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献」の一つとして世界遺産に登録されました。
ルヴァン美術館ではこの機会に同時代に生きたル・コルビュジエ(1887~1965)と西村伊作(1884~1963)の二人を紹介致します。
生涯にわたり建築や絵画などの活動に打ち込んだ二人の生き方には、西欧と東洋を超えた「自然と人間への愛情」が感じられます。また作品とともに当時の社会へ発信したメッセージの多くにも共通した想いが見えてきます。ともに建築の専門教育を受けることなく、時代の精神を先取りした建築作品を世に送り出しました。
画家としてもコルビュジエは晩年まで毎朝キャンバスに向かっていました。彼は「自分の建築は絵画という運河を通ってきた」と自身における絵画の重要性を述べています。
一方伊作は「芸術を生活として」自由奔放に建築、絵画、陶芸の制作に没頭しました。
今回の展示は、伊作は彼が最も情熱を注いだ大正初期の建築、絵画を中心にした作品、コルビュジエは世界遺産の7か国、17の建築作品と、彼の弟子の坂倉準三に贈られた絵画及び、準三の妻ユリ(西村伊作次女)によるコルビュジエ詩画集「直角の詩」のタピストリーの作品を展示します。 同時にル・コルビュジエと深くかかわり、日本との懸け橋となった坂倉準三の建築作品も紹介致します。
この企画展を通して、同時代に生きた二人の芸術家西村伊作とル・コルビュジエ、その志を受け継いだ建築家坂倉準三の情熱を感じて頂ければ幸いです。(軽井沢ルヴァン美術館HPより転載)

■西村伊作 Isaku NISHIMURA(1884-1963)
和歌山県新宮市生まれ。幼くして熱心なクリスチャンであった両親を震災で失い、山林主の母方の西村家の養子となり、その遺産を引き継ぐ。青年期から独学で絵を描き、陶器を作り、欧米のモダンリビングを取り入れた自邸を設計し住む。またアメリカ留学を終えて帰国した医師である叔父、大石誠之助と本格的に生活の改善、欧米化を推進する。多くの芸術家達と交わり、「生活を芸術として」を実践すると同時に、多くの著作により大正期の人々に新しい生活を啓蒙し続けた。家庭生活を大切に、教育にも熱心に取り組み、1921年、私財を投じて東京駿河台に「文化学院」を創立。戦前、公権力の弾圧を受けながらも、自らの理想を貫き通したその自由な生き方は、大正期を代表するモダニストとして、現在も多くの人々に感銘を与えている。

■坂倉準三 Junzo SAKAKURA(1901-1969)
岐阜県羽島市の造り酒屋に生まれ、帝大美術史学科卒業直後の1929年、20世紀の建築の巨匠ル・コルビュジエに師事すべく、渡仏。1931年に念願の入門を果たした。当時のル・コルビュジエのアトリエには彼に憧れて、世界中から集まった若者達が無休で働いていた。その中には生涯の友となるシャルロット・ペリアン、ホセ・ルイ・セルトがいた。その後1936年迄、師の下で歴史的な設計の数々に携わった。
パリ万博での鮮烈なデビューなど常に師の存在に励まされつつ、戦後の重苦しい日本の風土に爽やかな風を送り込んだ。代表作としては神奈川県立近代美術館、日仏学院、東急文化会館、新宿西口広場など、家具、住宅から都市に至る多くの作品を手掛けた。

軽井沢ルヴァン美術館
1921年に西村伊作が東京駿河台に創立・設計した文化学院の建物をほぼ再現して1997年に開館した美術館です。学校の校舎というと兵舎のようであった時代に、英国のコテージ風に西村が設計した楽しい建築と庭園は、当時話題となりました。
常設展示ではただ昔を振り返るだけでなく、過去を受け継ぎながら新しい時代の形も感じられるような内容を目指し、企画展示室では各方面で活躍している芸術家の作品を毎年企画紹介しています。
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軽井沢にはセゾン現代美術館(1981年開館、菊竹清訓設計、庭園は若林奮の基本プラン)という緑の中の素晴らしい美術館があります。
2014年10月セゾン現代美術館入り口
2014年10月セゾン現代美術館にて

2014年10月セゾン現代美術館


セゾン美術館

20年前にルヴァン美術館が開館したとき、まわりには何も無く(今も同じ)、植えた樹木もまだひょろひょろで少しさみしい佇まいでしたが、いまはすっかり緑に覆われ、貫禄さえ出てきました。

このところ、物忘れが激しく年号や固有名詞が直ぐに出てこない。慌ててパソコンのキーをたたいて記憶を呼び起こすこともしばしばです。
ふと思いついて10年前の今日、8月27日のブログをのぞいてみました。
刷り師の石田了一さんの工房だった住宅が新垣結衣、松田龍平主演の映画(恋するマドリ)に使われたという記事でした。最近「間取り」という言葉が流行っていますが、既に10年前に映画のタイトルにもなっていたんですね。光陰矢の如し。

●今日のお勧め作品は、ル・コルビュジエです。
表紙ル・コルビュジエ
『二つの間に』(リトグラフ17点組)
1964年
リトグラフ
44.0x36.0cm
Ed.250
版上サインあり


奥付奥付


見開き


12モノクロ作品17点


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カラー作品カラー作品1点


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ときの忘れものの通常業務は平日の火曜~土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。

◆ときの忘れもののブログは建築関連のエッセイを多数連載しています。
佐藤研吾のエッセイ「大地について―インドから建築を考える―」は毎月7日の更新です。

杉山幸一郎のエッセイ「幸せにみちたくうかんを求めて」は毎月10日の更新です。

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植田実のエッセイ「美術展のおこぼれ」は随時更新します。

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建築を訪ねて

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