今日10月2日はマルセル・デュシャン(1887年7月28日生~1968年10月2日没)の命日です。
2017年は生誕130年の記念すべき年であり、また現代美術史最大の事件となった既製の便器にR・MUTTとサインしただけの〈泉〉を発表してから(ただし実物は現存せず)、ちょうど100年にあたります。
東より西で関連の企画が種々開催されており、その一端は石原輝雄さんのレポートに詳しい。
ときの忘れものもささやかですが、デュシャン顕彰の試みとして下記の展示とトークショーを開催します。
ときの忘れもので2014年11月と2015年10月に開催した「瀧口修造展」の合同図録『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』が諸々の事情で予定よりかなり遅れてしまいましたが、ようやく完成の運びとなりました。
その刊行を記念して、安藤忠雄展の終了後、短い会期ですが「特集展示:瀧口修造とマルセル・デュシャン」を開催し、中尾拓哉さんを講師に迎えてギャラリートークを開催します。
ギャラリートーク<マルセル・デュシャン、語録とチェス>
日時:2017年10月27日(金)18時より
講師:中尾拓哉
*要予約:参加費1,000円
必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記の上、メールにてお申し込みください。定員(20名)に達し次第、締切ります。
E-mail. info@tokinowasuremono.com
◆特集展示:瀧口修造とマルセル・デュシャン
会期:2017年10月24日[火]―10月28日[土] 11:00~18:00

瀧口修造のロトデッサン、水彩、「デュシャン語録」などを展示します。
●中尾拓哉さんからのメッセージ
この度、『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』の刊行を記念し、自著『マルセル・デュシャンとチェス』を軸にした、お話をさせていただきます。
デュシャンがマン・レイとチェスをしている映画『幕間』のシーンに始まり、「デュシャンはこの世界を相手にチェスをしてきたのだろうか、あるいはそうかも知れない」と終わっていく、瀧口修造による『マルセル・デュシャン語録』。その中に散りばめられた言葉とともに、デュシャンがチェスにたいして語った言葉を読みながら、彼がいわゆる「制作」をせずに没頭したとされ、「芸術の放棄」の代名詞となった「チェス」の謎を紐解き、多くの人々を魅了したこの人物の営為に迫ります。
■中尾拓哉(なかお・たくや)
美術評論家。1981年生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士(芸術)。2014年に論考「造形、その消失において――マルセル・デュシャンのチェスをたよりに」で『美術手帖』通巻1000号記念第15回芸術評論募集佳作入選。単著に『マルセル・デュシャンとチェス』(平凡社、2017年)。
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●書籍のご案内
『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』図録
2017年10月
ときの忘れもの 発行
92ページ
21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
価格:2,500円(税別、送料別途)
目次(抄):
・Personally Speaking 瀧口修造(再録)
・マルセル・デュシャン語録について 瀧口修造(再録)
・檢眼圖 だれの証拠品、だれが目撃者? 瀧口修造(再録)
・私製草子のための口上 瀧口修造(再録)
・「オブジェの店」を開く構想に関するノート 土渕信彦
・マルセル・デュシャンとマルチプル 工藤香澄
~~~~
中尾 拓哉 (著)
『マルセル・デュシャンとチェス』
2017年
平凡社 発行
396ページ
21.6x15.8cm
価格:4,800円(税別、送料別途)
気鋭の美術評論家がチェスとデュシャンの失われた関係を解き明かし、制作論の精緻な読み解きから造形の根源へと至る、スリリングにしてこの上なく大胆な意欲作。生誕130年、レディメイド登場100年!
「チェスとデュシャンは無関係だという根拠なき風説がこの国を覆っていた。やっと霧が晴れたような思いだ。ボードゲームは脳内の抽象性を拡張する」──いとうせいこう氏推薦(本書帯より転載)
目次(抄):
・序章 二つのモノグラフの間に
・第一章 絵画からチェスへの移行
・第二章 名指されない選択の余地
・第三章 四次元の目には映るもの
・第四章 対立し和解する永久運動
・第五章 遺された一手をめぐって
・第六章 創作行為、白と黒と灰と
~~~
*画廊亭主敬白
遅れに遅れていた『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』がようやく刊行の運びとなりました。デザインを担当した盟友北澤敏彦さんに謹んで捧げたいと思います。彼の生きているうちに出せればよかったのですが・・・
亭主は親の遺言で賭け事一切を禁じられました。籤運が悪い! 勝負事になるとカッカしてしまい前後の見境がつかなくなる。そんなわけで将棋もマージャンもゴルフもしない(できない)。
にもかかわらず親も想像できなかった「画商」といういわばギャンブラーになってしまった。
突如として現われた中尾拓哉さんの『マルセル・デュシャンとチェス』という分厚い本にここしばらく魅了され、読みふけっています。
●本日のお勧め作品は、瀧口修造です。

瀧口修造
『マルセル・デュシャン語録』
1968年
本、版画とマルティプル
外箱サイズ:36.7×29.8×5.0cm
本サイズ:33.1×26.0cm
サインあり
A版(限定部数50部)
発行:東京ローズ・セラヴィ
刊行日:1968年7月28日
販売:南画廊
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●毎月2日は堀尾貞治先生の「ドローイング集 あたりまえのこと」を順次ご紹介していますが、今月は休載とします。来月2日をご期待ください。
2017年は生誕130年の記念すべき年であり、また現代美術史最大の事件となった既製の便器にR・MUTTとサインしただけの〈泉〉を発表してから(ただし実物は現存せず)、ちょうど100年にあたります。
東より西で関連の企画が種々開催されており、その一端は石原輝雄さんのレポートに詳しい。
ときの忘れものもささやかですが、デュシャン顕彰の試みとして下記の展示とトークショーを開催します。
ときの忘れもので2014年11月と2015年10月に開催した「瀧口修造展」の合同図録『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』が諸々の事情で予定よりかなり遅れてしまいましたが、ようやく完成の運びとなりました。
その刊行を記念して、安藤忠雄展の終了後、短い会期ですが「特集展示:瀧口修造とマルセル・デュシャン」を開催し、中尾拓哉さんを講師に迎えてギャラリートークを開催します。
ギャラリートーク<マルセル・デュシャン、語録とチェス>
日時:2017年10月27日(金)18時より
講師:中尾拓哉
*要予約:参加費1,000円
必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記の上、メールにてお申し込みください。定員(20名)に達し次第、締切ります。
E-mail. info@tokinowasuremono.com
◆特集展示:瀧口修造とマルセル・デュシャン
会期:2017年10月24日[火]―10月28日[土] 11:00~18:00

瀧口修造のロトデッサン、水彩、「デュシャン語録」などを展示します。
●中尾拓哉さんからのメッセージ
この度、『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』の刊行を記念し、自著『マルセル・デュシャンとチェス』を軸にした、お話をさせていただきます。
デュシャンがマン・レイとチェスをしている映画『幕間』のシーンに始まり、「デュシャンはこの世界を相手にチェスをしてきたのだろうか、あるいはそうかも知れない」と終わっていく、瀧口修造による『マルセル・デュシャン語録』。その中に散りばめられた言葉とともに、デュシャンがチェスにたいして語った言葉を読みながら、彼がいわゆる「制作」をせずに没頭したとされ、「芸術の放棄」の代名詞となった「チェス」の謎を紐解き、多くの人々を魅了したこの人物の営為に迫ります。
■中尾拓哉(なかお・たくや)
美術評論家。1981年生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士(芸術)。2014年に論考「造形、その消失において――マルセル・デュシャンのチェスをたよりに」で『美術手帖』通巻1000号記念第15回芸術評論募集佳作入選。単著に『マルセル・デュシャンとチェス』(平凡社、2017年)。
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●書籍のご案内

2017年10月
ときの忘れもの 発行
92ページ
21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
価格:2,500円(税別、送料別途)
目次(抄):
・Personally Speaking 瀧口修造(再録)
・マルセル・デュシャン語録について 瀧口修造(再録)
・檢眼圖 だれの証拠品、だれが目撃者? 瀧口修造(再録)
・私製草子のための口上 瀧口修造(再録)
・「オブジェの店」を開く構想に関するノート 土渕信彦
・マルセル・デュシャンとマルチプル 工藤香澄
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『マルセル・デュシャンとチェス』
2017年
平凡社 発行
396ページ
21.6x15.8cm
価格:4,800円(税別、送料別途)
気鋭の美術評論家がチェスとデュシャンの失われた関係を解き明かし、制作論の精緻な読み解きから造形の根源へと至る、スリリングにしてこの上なく大胆な意欲作。生誕130年、レディメイド登場100年!
「チェスとデュシャンは無関係だという根拠なき風説がこの国を覆っていた。やっと霧が晴れたような思いだ。ボードゲームは脳内の抽象性を拡張する」──いとうせいこう氏推薦(本書帯より転載)
目次(抄):
・序章 二つのモノグラフの間に
・第一章 絵画からチェスへの移行
・第二章 名指されない選択の余地
・第三章 四次元の目には映るもの
・第四章 対立し和解する永久運動
・第五章 遺された一手をめぐって
・第六章 創作行為、白と黒と灰と
~~~
*画廊亭主敬白
遅れに遅れていた『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』がようやく刊行の運びとなりました。デザインを担当した盟友北澤敏彦さんに謹んで捧げたいと思います。彼の生きているうちに出せればよかったのですが・・・
亭主は親の遺言で賭け事一切を禁じられました。籤運が悪い! 勝負事になるとカッカしてしまい前後の見境がつかなくなる。そんなわけで将棋もマージャンもゴルフもしない(できない)。
にもかかわらず親も想像できなかった「画商」といういわばギャンブラーになってしまった。
突如として現われた中尾拓哉さんの『マルセル・デュシャンとチェス』という分厚い本にここしばらく魅了され、読みふけっています。
●本日のお勧め作品は、瀧口修造です。

瀧口修造
『マルセル・デュシャン語録』
1968年
本、版画とマルティプル
外箱サイズ:36.7×29.8×5.0cm
本サイズ:33.1×26.0cm
サインあり
A版(限定部数50部)
発行:東京ローズ・セラヴィ
刊行日:1968年7月28日
販売:南画廊
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●毎月2日は堀尾貞治先生の「ドローイング集 あたりまえのこと」を順次ご紹介していますが、今月は休載とします。来月2日をご期待ください。
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