ときの忘れものは本日(祝日)は休廊です。
開催中の「細江英公写真展」も会期は残すところ、明日と明後日の二日となりました。
連日、若い人たちがどこで知ったのかたくさん来廊されています。カメラを片手にじっと作品を見つめる人、熱心にメモをとる人、図書室の本棚から興味のある本を引っ張り出して読みふける人、亭主はもう歳なので(耳も遠い)あまり話かけたりはしませんが、嬉しいですね。
本日は展示作品の中から〈鎌鼬(かまいたち)〉と〈春本・浮世絵うつし〉のシリーズをご紹介します。

鎌鼬
〈鎌鼬〉は、1965年土方巽(当時37歳)と細江英公(当時32歳)の二人が土方の故郷である秋田の農村に出かけて、何の打合せもなく、ハプニング的に撮影されました。二人の天才の才能がぶつかり合って生まれたこの〈鎌鼬〉は、「記憶の記録」または「主観的ドキュメンタリー」として、1968年まで断続的に撮影が続けられ、1969年現代思潮社から写真集『鎌鼬』として出版されました。翌年には芸術選奨文部大臣賞を受賞するなど、細江英公の代表作として高い評価を得ています。

細江英公展20171101金平茂紀さん
金平茂紀さん(TBS報道特集のキャスター)の好きな写真の前で。
2017年11月1日

02_鎌鼬#8,1965_
細江英公《鎌鼬#8, 1965》
1965(printed later) ゼラチンシルバープリント 60.9x50.8cm Signed

鎌鼬#17,1965
細江英公《鎌鼬#17, 1965》
1965(printed later) ピグメント・アーカイバル・プリント 50.8×60.9cm Signed

細江英公鎌鼬#37,1965
細江英公《鎌鼬#37, 1968》
1968(printed later) ピグメント・アーカイバル・プリント 50.8×60.9cm Signed

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春本・浮世絵うつし
〈おとこと女〉、土方巽の〈鎌鼬〉、三島由紀夫の〈薔薇刑〉など、半世紀にわたり問題作を撮りつづけてきた細江英公が、2003年に新たに挑んだシリーズです。
土方の舞踏発祥の地であるアスベスト館が経済不況のあおりを受け落城したのは 2003年3月でした。閉館を余儀なくされる前年の2002年末から2003年1月にかけてアスベスト館挽歌として細江英公が撮り下ろしたのが 〈春本・浮世絵うつし〉です。
土方夫人の元藤火華子さん、大野慶人さん、玉野黄市さんらが出演し、江戸期の浮世絵画家や奇想の画家の絵をモチーフに、江戸の爛熟した文化と現代の舞踏家の肉体との融合をはかる作品が色鮮やかに展開されました。

細江浮世絵7-3

細江英公《春本・浮世絵うつし #7-3》
2003年 Type-C print 40.6×50.8cm Ed.30 Signed

U_P_#3-30, 2003

細江英公《春本・浮世絵うつし #7-3》
2003年 Type-C print 40.6×50.8cm Ed.30 Signed

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●「メキシコ地震被災地支援・チャリティー頒布会」には予想外に多くの方から予約のお申し込みをいただき、ありがとうございます。
スタッフたちはその対応にてんてこ舞いです。ミロ、シャガール、向井良吉、吉仲太造などには10~20倍の申し込みが集中し、抽選になります。このままだと一点もお買いになれない方が続出し、せっかくのメキシコ地震被災地支援のお気持ちが無になりかねません。
どうぞメキシコ地震被災地支援の趣旨をお汲み取りいただき複数の作品を申し込んでください。
201711mexico
会期:2017年11月28日(火)~12月2日(土)
出品100点のリストは11月11日ブログに掲載し、予約受付を開始しました。
全作品、一律8,000円で頒布し、売上金全額を被災地メキシコに送金します。
※お申込みの返信は、翌営業日となります。(日・月・祝日は休廊です。)


◆ときの忘れものは「細江英公写真展」を開催しています。
会期=2017年10月31日[火]―11月25日[土]
293

細江先生は秋の叙勲で旭日重光章を受章されました。
●会期中、細江英公サイン入り写真集を特別頒布しています。

◆銀座のギャラリーせいほうで宮脇愛子展が開催されています。
201711MIYAWAKI「宮脇愛子展 last works(2013~14)」
会期=2017年11月20日[月]~12月2日[土] ※日・祝日休廊
会場=ギャラリーせいほう 
〒104-0061 東京都中央区銀座8丁目10-7 東成ビル1F
電話:03-3573-2468
最後の新作である油彩を中心に立体(ガラス、真鍮)、ドローイング、版画など。


●書籍のご案内
TAKIGUCHI_3-4『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』図録
2017年10月
ときの忘れもの 発行
92ページ
21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
価格:2,500円(税別)*送料別途250円
*『瀧口修造展 I』及び『瀧口修造展 II』図録も好評発売中です。


安藤忠雄の奇跡安藤忠雄の奇跡 50の建築×50の証言
2017年11月
日経アーキテクチュア(編)
B5判、352ページ
(NA建築家シリーズ 特別編 日経アーキテクチュア)
価格:2,700円+税 *送料:250円
亭主もインタビューを受け、1984年の版画制作始末を語りました。
安藤先生のサイン本をときの忘れもので扱っています。

六本木の国立新美術館では「安藤忠雄展―挑戦―」が開催されています。
会期:2017年9月27日[水]~12月18日[月]
番頭おだちのオープニング・レポートはコチラを、光嶋裕介さんのエッセイ「安藤忠雄展を見て」と合わせてお読みください。
ときの忘れものでは1984年以来の安藤忠雄の版画、ドローイング作品をいつでもご覧になれます。

●ときの忘れものは、〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました(詳しくは6月5日及び6月16日のブログ参照)。
電話番号と営業時間が変わりました。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~18時。日・月・祝日は休廊。

JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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