佐藤研吾のエッセイ「大地について―インドから建築を考える―」
第11回 タゴールと宮沢賢治から建築を考えたい
今月12月8日からインド・コルカタへ向かうことになった。以前より度々、ことあるごとに紹介しているシャンティニケタンでの家作りのプロジェクトのためである。正確には、9日にコルカタに到着し、電車でシャンティニケタンへ向かい、日本からそれなりの道具と土産と他荷物を先方に渡して、家建設の進行状況を確認し、12日に再びコルカタに戻り、そこからネパールのカトマンズへ飛ぶ。カトマンズでは、石山修武さんとボダナート(Bouddhanath)寺院の基壇の上で待ち合わせており、20日頃までネパールに滞在する予定。石山さんは金属造形作家の木本一之さんとすでに先月頃からインドからネパール入りしているそう(詳しくは世田谷村日記を精密に参照いただきたい)。その後、カトマンズから再びインド・コルカタへ戻り、シャンティニケタンへ戻っていよいよ家作りの仕上げにとりかかり、来年1月末まで滞在するつもりである。いま想定している限りでの肝は、内部の吹き抜け部の木造架構の材をいかにして調達するか、あるいは調達が困難な場合には当然複数の材を継ぐことになるがそれをどのような納まりにするか、ということだ。(下の模型写真参照、またはこちらのURL http://korogaro.net/archives/733参照)

また、先日このプロジェクトの施主であるNilanjan Bandyopadhyay氏が日本にやってきた。彼はどうやら、九段下にある在日インド大使館で開催された故・我妻和男氏の著作集出版記念会に出席するためであったらしい。Visva-Bharati大学の出版本部長なる肩書きを持っていた。我妻氏は第三文明社から出ているタゴール著作集の訳者の一人でもあり、Visva-Bharati大学の日本語学科で教鞭をとっていた人物である。私もおよそ2年前頃かに、とりあえずシャンティニケタンに行く前にこの全12巻(11巻+別巻)からなるタゴール著作集を買い揃え、いくつかをつまみ読みしていた。いまだ到底読破するには至っていないが、つまみ読みする度にそのタゴールの情熱に満ちたそして清々しい新たな言葉に出会う。詩を普段ほとんど読まない自分にとっては、インドの風景と動物とそれにまみれた人間の生活が、詩の中の言葉から絶え間なく湧き上がってくる、一つの映像として読むことができる。
Nilanjan Bandyopadhyay氏 @BUoY北千住アートセンター
インドについて知る前(前といっても4-5年前ほどだが)は、なんとなく宮沢賢治の童話をつまみ読みしていたことがあった。東北に行き始めたことだったこともあり、そしてまたあんな童話の世界のような建築を一体どうやったら作ることができるか、なんてことを考えていた。(もちろんいまも考えている)タゴールが訪日した時、宮沢賢治は20歳であった。宮沢賢治はタゴールの詩集を愛読していたとも言われており、やはりタゴールの戯曲や特に彼の絵(第2回目佐藤投稿)と宮沢賢治の物語との間には何か共通する、汎生物的なそして汎宗教的な世界のあり方が感じられるのである。
そしてタゴールが取り組んだシャンティニケタン・シュリニケタンでの学校創設と農村復興の活動と、宮沢賢治の岩手の地元・花巻で生まれた農民芸術論、あるいは羅須地人協会の試みは、まるで両者息を合わせたかのように同じ理想と実践を掲げていたように思える。日本の岡倉天心とタゴールのような直接的な交友は、宮沢賢治とタゴールの間にはなかったが、彼らの理想に向かおうとするそれぞれの創造的実践は現代の私たちはより複合的に捉えてみる必要があるだろう。彼らの実践からおよそ1世紀が経ったいまでも、大地の上には人間が生き、植物が、そして動物が生活を営んでいることは何も変わりはないからである。また一方で、インド・シャンティニケタンと、日本の東北の間で何が違うのか、つまりそれぞれでいかにして同じ志、動機を持って異なるものを作ることができるか、取り組んでみたいと思っている。
(さとう けんご)
■佐藤研吾(さとう けんご)
1989年神奈川県横浜生まれ。2011年東京大学工学部建築学科卒業。2013年早稲田大学大学院建築学専攻修士課程(石山修武研究室)修了。同専攻嘱託研究員を経て、2014年よりスタジオGAYA。2015年よりインドのVadodara Design AcademyのAssistant Professor、および東京大学工学系研究科建築学専攻博士課程在籍。福島・大玉村で藍染の活動をする「歓藍社」所属。インドでデザインワークショップ「In-Field Studio」を主宰。
●今日のお勧め作品は、マイケル・グレイブスです。
マイケル・グレイブス
「作品 7・84/1」
1984年
木版
30.3×24.0cm
Ed.150 サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆マイアミ速報
<少し前にホテルに戻りました。午前1時過ぎです。22時にフェアが終わった後みんなで食事に行き、タクシーを呼んでもらったんですが待てど暮らせど来ない!何度も電話してもらって、後5分後5分と、、、結局50分くらい待ち、こんな時刻になりました。タクシー問題どうにかせねばです。
ともあれ、初日にこんなに気持ち良く売れて、気分がいいです!
追伸
クレジットカード端末で色々と問題があり、クレジットカード処理ができる方法を提案してもらっていて、新澤さんが四苦八苦しています。新澤さんもヘトヘトなので、この件に関しては私が帰国したらきちんと報告しますので、少しお待ちください。その他、新澤さんがやらなければならないことが色々とあるのですが、それも少しお待ちください。
(12月6日15:28着マイアミより 番頭オダチのメール)>

会期:2017年12月5日[火]~10日[日]
ブースナンバー:A428
ART MIAMI 2017が始まり吉報がはいりました。若いスタッフたちが初挑戦でがんばっているようです。
◆埼玉県立近代美術館の広報紙 ZOCALO の12月-1月号が発行され、次回の企画展「版画の景色 現代版画センターの軌跡」が特集されています。館内で無料配布しているほか、HPからもご覧いただけます。
◆ときの忘れものは「WARHOL―underground america」を開催します。
会期=2017年12月12日[火]―12月28日[木] ※日・月・祝日休廊

1960年代を風靡したアングラという言葉は、「アンダーグラウンドシネマ」という映画の動向を指す言葉として使われ始めました。ハリウッドの商業映画とはまったく異なる映像美を目指したジョナス・メカスやアンディ・ウォーホルの映画をいちはやく日本に紹介したのが映画評論家の金坂健二でした。金坂は自身映像作家でもあり、また多くの写真作品も残しました。没後、忘れられつつある金坂ですが、彼の撮影したウォーホルのポートレートを展示するともに、著書や写真集で金坂の疾走した60~70年代を回顧します。
会期中毎日15時よりメカス映画「this side of paradise」を上映します
1960年代末から70年代始め、暗殺された大統領の未亡人ジャッキー・ケネディがモントークのウォーホルの別荘を借り、メカスに子供たちの家庭教師に頼む。週末にはウォーホルやピーター・ビアードが加わり、皆で過ごした夏の日々、ある時間、ある断片が作品には切り取られています。60~70年代のアメリカを象徴する映像作品です。(予約不要、料金500円はメカスさんのNYフィルム・アーカイブスに送金します)。
●書籍のご案内

版画掌誌第5号
オリジナル版画入り美術誌
ときの忘れもの 発行
特集1/ジョナス・メカス
特集2/日和崎尊夫
B4判変形(32.0×26.0cm) シルクスクリーン刷り
A版ーA : 限定15部 価格:120,000円(税別)
A版ーB : 限定20部 価格:120,000円(税別)
B版 : 限定35部 価格:70,000円(税別)
『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』図録
2017年10月
ときの忘れもの 発行
92ページ
21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
価格:2,500円(税別) *送料250円
*『瀧口修造展 I』及び『瀧口修造展 II』図録も好評発売中です。
『安藤忠雄の奇跡 50の建築×50の証言』
2017年11月
日経アーキテクチュア(編)
B5判、352ページ
価格:2,700円(税別) *送料:250円
亭主もインタビューを受け、1984年の版画制作始末を語りました。
ときの忘れもので扱っています。
国立新美術館で開催中の「安藤忠雄展―挑戦―」は20万人を突破、会期も残り僅かです(12月18日[月]まで)。
展覧会については「植田実のエッセイ」と「光嶋裕介のエッセイ」を、「番頭おだちのオープニング・レポート」と合わせ読みください。
ときの忘れものでは1984年以来の安藤忠雄の版画、ドローイング作品をいつでもご覧になれます。
●ときの忘れものは、〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました(詳しくは6月5日及び6月16日のブログ参照)。
電話番号と営業時間が変わりました。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
営業時間=火曜~土曜の平日11時~18時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

◆ときの忘れもののブログは下記の皆さんのエッセイを連載しています。
・大竹昭子のエッセイ「迷走写真館 一枚の写真に目を凝らす」は毎月1日の更新です。
・frgmメンバーによるエッセイ「ルリユール 書物への偏愛」は毎月3日の更新です。
・小国貴司のエッセイ「かけだし本屋・駒込日記」は毎月5日の更新です。
・佐藤研吾のエッセイ「大地について―インドから建築を考える―」は毎月7日の更新です。
・杉山幸一郎のエッセイ「幸せにみちたくうかんを求めて」は毎月10日の更新です。
・関根伸夫のエッセイ「〈発想〉について[再録]」は毎月12日の更新です。
・野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
・倉方俊輔のエッセイ「『悪』のコルビュジエ」は毎月17日の更新です。
・小林紀晴のエッセイ「山の記憶」は毎月19日の更新です。
・清家克久のエッセイ「瀧口修造を求めて」は毎月20日の更新です。
・小林美香のエッセイ「写真集と絵本のブックレビュー」は毎月25日の更新です。
・スタッフSの「海外ネットサーフィン」は毎月26日の更新です。
・森本悟郎のエッセイ「その後」は毎月28日の更新です。
・笹沼俊樹のエッセイ「現代美術コレクターの独り言」はしばらく休載します。
・大野幸のエッセイ<ときの忘れもの・拾遺 ギャラリーコンサート>は随時更新します。
・植田実のエッセイ「美術展のおこぼれ」は、更新は随時行います。
同じく植田実のエッセイ「生きているTATEMONO 松本竣介を読む」と合わせお読みください。
「本との関係」などのエッセイのバックナンバーはコチラです。
・中村茉貴のエッセイ「美術館に瑛九を観に行く」は随時更新します。
・飯沢耕太郎のエッセイ「日本の写真家たち」は英文版とともに随時更新します。
・深野一朗のエッセイは随時更新します。
・「久保エディション」(現代版画のパトロン久保貞次郎)は随時更新します。
・藤本貴子のエッセイ「建築圏外通信」は終了しました。
・森下隆のエッセイ「鎌鼬美術館——秋田県羽後町田代に開館」は終了しました。
・芳賀言太郎のエッセイ「El Camino(エル・カミーノ) 僕が歩いた1600km」は終了しました。
・夜野悠のエッセイ「書斎の漂流物」は終了しました。
・普後均のエッセイ「写真という海」は終了しました。
・八束はじめ・彦坂裕のエッセイ「建築家のドローイング」(再録)は終了しました。
・光嶋裕介のエッセイ「和紙に挑む」は終了しました。
・石原輝雄のエッセイ「マン・レイへの写真日記」は終了しました(時々番外編あり)。
・荒井由泰のエッセイ「いとしの国ブータン紀行」は終了しました。
・森下泰輔のエッセイ「戦後・現代美術事件簿」は終了しました。
・「殿敷侃の遺したもの」はゆかりの方々のエッセイや資料を随時紹介します。
・「オノサト・トシノブの世界」は円を描き続けた作家の生涯と作品を関係資料や評論によって紹介します。
・「瀧口修造の世界」は造形作家としての瀧口の軌跡と作品をテキストや資料によって紹介します。
土渕信彦のエッセイ「瀧口修造とマルセル・デュシャン」、「瀧口修造の箱舟」と合わせてお読みください。
・「関根伸夫ともの派」はロスアンゼルスで制作を続ける関根伸夫と「もの派」について作品や資料によって紹介します。
・「現代版画センターの記録」は随時更新します。
今までのバックナンバーの一部はホームページに転載しています。
第11回 タゴールと宮沢賢治から建築を考えたい
今月12月8日からインド・コルカタへ向かうことになった。以前より度々、ことあるごとに紹介しているシャンティニケタンでの家作りのプロジェクトのためである。正確には、9日にコルカタに到着し、電車でシャンティニケタンへ向かい、日本からそれなりの道具と土産と他荷物を先方に渡して、家建設の進行状況を確認し、12日に再びコルカタに戻り、そこからネパールのカトマンズへ飛ぶ。カトマンズでは、石山修武さんとボダナート(Bouddhanath)寺院の基壇の上で待ち合わせており、20日頃までネパールに滞在する予定。石山さんは金属造形作家の木本一之さんとすでに先月頃からインドからネパール入りしているそう(詳しくは世田谷村日記を精密に参照いただきたい)。その後、カトマンズから再びインド・コルカタへ戻り、シャンティニケタンへ戻っていよいよ家作りの仕上げにとりかかり、来年1月末まで滞在するつもりである。いま想定している限りでの肝は、内部の吹き抜け部の木造架構の材をいかにして調達するか、あるいは調達が困難な場合には当然複数の材を継ぐことになるがそれをどのような納まりにするか、ということだ。(下の模型写真参照、またはこちらのURL http://korogaro.net/archives/733参照)

また、先日このプロジェクトの施主であるNilanjan Bandyopadhyay氏が日本にやってきた。彼はどうやら、九段下にある在日インド大使館で開催された故・我妻和男氏の著作集出版記念会に出席するためであったらしい。Visva-Bharati大学の出版本部長なる肩書きを持っていた。我妻氏は第三文明社から出ているタゴール著作集の訳者の一人でもあり、Visva-Bharati大学の日本語学科で教鞭をとっていた人物である。私もおよそ2年前頃かに、とりあえずシャンティニケタンに行く前にこの全12巻(11巻+別巻)からなるタゴール著作集を買い揃え、いくつかをつまみ読みしていた。いまだ到底読破するには至っていないが、つまみ読みする度にそのタゴールの情熱に満ちたそして清々しい新たな言葉に出会う。詩を普段ほとんど読まない自分にとっては、インドの風景と動物とそれにまみれた人間の生活が、詩の中の言葉から絶え間なく湧き上がってくる、一つの映像として読むことができる。

インドについて知る前(前といっても4-5年前ほどだが)は、なんとなく宮沢賢治の童話をつまみ読みしていたことがあった。東北に行き始めたことだったこともあり、そしてまたあんな童話の世界のような建築を一体どうやったら作ることができるか、なんてことを考えていた。(もちろんいまも考えている)タゴールが訪日した時、宮沢賢治は20歳であった。宮沢賢治はタゴールの詩集を愛読していたとも言われており、やはりタゴールの戯曲や特に彼の絵(第2回目佐藤投稿)と宮沢賢治の物語との間には何か共通する、汎生物的なそして汎宗教的な世界のあり方が感じられるのである。
そしてタゴールが取り組んだシャンティニケタン・シュリニケタンでの学校創設と農村復興の活動と、宮沢賢治の岩手の地元・花巻で生まれた農民芸術論、あるいは羅須地人協会の試みは、まるで両者息を合わせたかのように同じ理想と実践を掲げていたように思える。日本の岡倉天心とタゴールのような直接的な交友は、宮沢賢治とタゴールの間にはなかったが、彼らの理想に向かおうとするそれぞれの創造的実践は現代の私たちはより複合的に捉えてみる必要があるだろう。彼らの実践からおよそ1世紀が経ったいまでも、大地の上には人間が生き、植物が、そして動物が生活を営んでいることは何も変わりはないからである。また一方で、インド・シャンティニケタンと、日本の東北の間で何が違うのか、つまりそれぞれでいかにして同じ志、動機を持って異なるものを作ることができるか、取り組んでみたいと思っている。
(さとう けんご)
■佐藤研吾(さとう けんご)
1989年神奈川県横浜生まれ。2011年東京大学工学部建築学科卒業。2013年早稲田大学大学院建築学専攻修士課程(石山修武研究室)修了。同専攻嘱託研究員を経て、2014年よりスタジオGAYA。2015年よりインドのVadodara Design AcademyのAssistant Professor、および東京大学工学系研究科建築学専攻博士課程在籍。福島・大玉村で藍染の活動をする「歓藍社」所属。インドでデザインワークショップ「In-Field Studio」を主宰。
●今日のお勧め作品は、マイケル・グレイブスです。

「作品 7・84/1」
1984年
木版
30.3×24.0cm
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◆マイアミ速報
<少し前にホテルに戻りました。午前1時過ぎです。22時にフェアが終わった後みんなで食事に行き、タクシーを呼んでもらったんですが待てど暮らせど来ない!何度も電話してもらって、後5分後5分と、、、結局50分くらい待ち、こんな時刻になりました。タクシー問題どうにかせねばです。
ともあれ、初日にこんなに気持ち良く売れて、気分がいいです!
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会期:2017年12月5日[火]~10日[日]
ブースナンバー:A428
ART MIAMI 2017が始まり吉報がはいりました。若いスタッフたちが初挑戦でがんばっているようです。
◆埼玉県立近代美術館の広報紙 ZOCALO の12月-1月号が発行され、次回の企画展「版画の景色 現代版画センターの軌跡」が特集されています。館内で無料配布しているほか、HPからもご覧いただけます。
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会期=2017年12月12日[火]―12月28日[木] ※日・月・祝日休廊

1960年代を風靡したアングラという言葉は、「アンダーグラウンドシネマ」という映画の動向を指す言葉として使われ始めました。ハリウッドの商業映画とはまったく異なる映像美を目指したジョナス・メカスやアンディ・ウォーホルの映画をいちはやく日本に紹介したのが映画評論家の金坂健二でした。金坂は自身映像作家でもあり、また多くの写真作品も残しました。没後、忘れられつつある金坂ですが、彼の撮影したウォーホルのポートレートを展示するともに、著書や写真集で金坂の疾走した60~70年代を回顧します。
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1960年代末から70年代始め、暗殺された大統領の未亡人ジャッキー・ケネディがモントークのウォーホルの別荘を借り、メカスに子供たちの家庭教師に頼む。週末にはウォーホルやピーター・ビアードが加わり、皆で過ごした夏の日々、ある時間、ある断片が作品には切り取られています。60~70年代のアメリカを象徴する映像作品です。(予約不要、料金500円はメカスさんのNYフィルム・アーカイブスに送金します)。
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オリジナル版画入り美術誌
ときの忘れもの 発行
特集1/ジョナス・メカス
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B4判変形(32.0×26.0cm) シルクスクリーン刷り
A版ーA : 限定15部 価格:120,000円(税別)
A版ーB : 限定20部 価格:120,000円(税別)
B版 : 限定35部 価格:70,000円(税別)

2017年10月
ときの忘れもの 発行
92ページ
21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
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*『瀧口修造展 I』及び『瀧口修造展 II』図録も好評発売中です。

2017年11月
日経アーキテクチュア(編)
B5判、352ページ
価格:2,700円(税別) *送料:250円
亭主もインタビューを受け、1984年の版画制作始末を語りました。
ときの忘れもので扱っています。
国立新美術館で開催中の「安藤忠雄展―挑戦―」は20万人を突破、会期も残り僅かです(12月18日[月]まで)。
展覧会については「植田実のエッセイ」と「光嶋裕介のエッセイ」を、「番頭おだちのオープニング・レポート」と合わせ読みください。
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TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
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・大竹昭子のエッセイ「迷走写真館 一枚の写真に目を凝らす」は毎月1日の更新です。
・frgmメンバーによるエッセイ「ルリユール 書物への偏愛」は毎月3日の更新です。
・小国貴司のエッセイ「かけだし本屋・駒込日記」は毎月5日の更新です。
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・杉山幸一郎のエッセイ「幸せにみちたくうかんを求めて」は毎月10日の更新です。
・関根伸夫のエッセイ「〈発想〉について[再録]」は毎月12日の更新です。
・野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
・倉方俊輔のエッセイ「『悪』のコルビュジエ」は毎月17日の更新です。
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・清家克久のエッセイ「瀧口修造を求めて」は毎月20日の更新です。
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同じく植田実のエッセイ「生きているTATEMONO 松本竣介を読む」と合わせお読みください。
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土渕信彦のエッセイ「瀧口修造とマルセル・デュシャン」、「瀧口修造の箱舟」と合わせてお読みください。
・「関根伸夫ともの派」はロスアンゼルスで制作を続ける関根伸夫と「もの派」について作品や資料によって紹介します。
・「現代版画センターの記録」は随時更新します。
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