2017年をふりかえって
まさかこの年の瀬を文京区本駒込の地で迎えるなんて、一年前には夢にも思いませんでした。
30年近くいた青山が既に遠い。
前半は青山、後半が駒込での展示を中心に今年一年を振り返ってみましょう。
◆銀座Gせいほう「石山修武・六角鬼丈 二人展―遠い記憶の形―」
2017年1月10日―1月21日
主催/会場:ギャラリーせいほう
協力=ときの忘れもの
石山修武の新作銅版画と、六角鬼丈の新作シルクスクリーンを発表。
「キミの画廊じゃ狭くてだめだ、銀座の大画廊でやりたい」という、石山先生の強い希望で実現した六角先生との二人展でした。
銀座・ギャラリーせいほう外観

2017年1月10日のオープニング風景
ギャラリーせいほうオーナーの田中譲さん(右)とときの忘れもの亭主(左)
出展作家の石山修武先生(左)と六角鬼丈先生(右)
建築評論家の植田実先生とときの忘れもの社長
摺り師の石田了一さん。
今回の六角先生の新作の刷りをご担当いただきました
◆第285回 Circles 円の終わりは円の始まり
2017年1月18日―2月4日

オノサト・トシノブの油彩を中心に、円を描き続けた作家、円をモチーフに描かれた作品を展示しました。



◆第286回 普後均写真展―肉体と鉄棒―
2017年2月15日~2月25日

ときの忘れものでは初となる普後均の写真展。新作シリーズ〈肉体と鉄棒〉から約15点を展示しました。

2月24日(金)に行われた建築史家・中谷礼仁先生と写真家・普後均さんのギャラリートーク風景
恒例行事・亭主の前語り。
トーク後の集合写真。
◆第287回 小野隆生コレクション展
2017年3月7日―3月25日

小野の1970年代の初期作品から2000年代の近作まで、油彩・テンペラ・ドローイングなど約15点を展示しました。



◆第288回 堀尾貞治・石山修武二人展 ―あたりまえのこと、そうでもないこと―
2017年3月31日~4月15日

堀尾貞治(1939~)の未発表ドローイングと、石山修武(1944~)の新作銅版画、及びドローイングを展示しました。



3月31日夕刻のオープニングより。
即席のギャラリートークでご機嫌な堀尾先生に珍しくタジタジな石山先生。
石山先生とのトーク後も関西のエンターテイナー面目躍如、遂には発声装置のついた縫いぐるみを相手に漫才をはじめた堀尾先生、会場は爆笑の渦でした。
千客万来図。
近所は勿論、遠くは宮崎、広島からも。
◆第289回 「植田正治写真展―光と陰の世界―Part I」
2017年5月13日~5月27日

植田調で知られる写真家の初期名作から晩年のカラー写真など、一般に知られるものとは毛色の違う作品を展示しました。



5月13日(土)に開催した金子隆一先生によるギャラリートーク。
建築評論家の植田実先生をはじめ、奈良原一高夫人や写真家の五味彬先生など、豪華な顔ぶれがトークに出席。
恒例の集合写真。
2017年5月26日
青山最後の企画展最終日、訪れてくださったのは毎日新聞OBで亭主の大先輩峯村敏明先生(右)でした。
◆2017年6月13日 〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転。引越しの顛末は6月5日及び6月16日のブログをご参照ください。

◆第290回 移転記念コレクション展
2017年7月8日~7月29日
住み慣れた青山から閑静な駒込に移転後の、初の企画展です。
新しい環境に映える、様々な作品を展示しました。



三階展示
設計された阿部勤先生(左)と植田実先生に囲まれお披露目の主役の社長晴れ姿。
ときの忘れもの売れっ子三人。
右から葉栗剛、秋葉シスイ、野口琢郎
二階図書室での記念写真
◆特集展示:アジェとドアノー
2017年8月1日~8月5日

事務所の移転に伴い、通常の企画展とは異なる、1週間程度の短期展示を始めました。
第1回はパリの街角を撮り続けたアジェとロベール・ドアノーの写真作品です。



◆特集展示:白南準(ナム・ジュン・パイク)と文承根(ムン・スングン)
2017年8月8日~8月19日




◆第291回 クリストとジャンヌ=クロード
2017年8月29日~9月9日

常連さんの鶴の一声から急遽決まった特別展示。
長年クリストの助手を務めている柳正彦さんのギャラリートークを中心に、20点の版画、ドローイング、ポスター作品を展示しました。

撮影:阿部勤様


柳正彦さんのエッセイをぜひお読みください。

たくさんの申し込みがあり、超満席。階段まで使ってのトークでした。

左から阿部先生、社長、亭主、作家の料治幸子さん、社長の元上司北山ひとみさん、建築家の堀川秀夫さん
◆特集展示:駒井哲郎
2017年9月12日~9月22日

9月12日~10月9日まで埼玉県立近代美術館で「駒井哲郎展」が開催されたことに合わせて、ときの忘れものでは駒井哲郎の版画作品、詩画集など約10点を特集展示する他、恩地孝四郎、南桂子、国吉康雄、フォーゲラー等の版画作品を展示しました。





◆第292回 安藤忠雄展 ドローイングと版画
2017年9月26日~10月21日

9月27日から12月18日まで六本木の国立新美術館で開催された「安藤忠雄展―挑戦―」に合わせて、ときの忘れものでは初期大作《中之島プロジェクト》をはじめ、ドローイングや版画など代表作15点を展示しました。
11月には日経アーキテクチュアから代表作50の建築と、50人の証言(インタビュー)をまとめた『安藤忠雄の奇跡 50の建築×50の証言』が刊行され、亭主もインタビューを受け、1984年の版画制作始末を語りました。
日経アーキテクチュア編集長のコラム<建築家・安藤忠雄氏の言葉の力:第3回>で、出江寛先生、石山修武先生の次に紹介されていますので、お読みください。



今展覧会の最年長来場者である三島喜美代先生85歳(昭和7年生まれ)を囲んで。私たちとは40年以上のお付き合いです。
右はMEMの石田克哉さん。
◆特集展示:瀧口修造とマルセル・デュシャン
2017年10月24日~10月28日

ときの忘れもので2014年と2015年に開催した「瀧口修造展」の合同図録『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』が完成しました。 その刊行を記念して、中尾拓哉さんを講師に迎えてギャラリートークを開催するとともに、瀧口修造のロトデッサンや水彩作品と『デュシャン語録』など、約10点を展示しました。





◆第293回 細江英公写真展
2017年10月31日~11月25日

〈鎌鼬〉〈薔薇刑〉〈ガウディ〉〈抱擁〉〈春本・浮世絵うつし〉など、細江英公の1960~2000年代の代表作約20点を展示しました。





オープニングにいらした皆さんと記念撮影
奈良原一高夫人の恵子さんと細江先生
(2017年10月31日)
金平茂紀さん(TBS報道特集のキャスター)の好きな写真の前で。
(2017年11月1日)
11月8日に開催した細江英公展、飯沢耕太郎ギャラリートークより飯沢耕太郎先生と細江先生。
トーク後の集合写真。
細江先生には受賞された旭日重光章を着けていただきました。
◆メキシコ地震被災地支援・チャリティー頒布会
2017年11月28日~12月2日

私たちの仕事は平和で安全な社会でこそ成り立ちます。不幸にも戦乱や自然災害に巻き込まれた人々に私たちが出来ることはそう多くはありませんが、少しでもお役にたてたらと、チャリティー頒布会を開催しました。出品した作品は一律8,000円。多くの方にご購入いただきました。改めてこの場で御礼申し上げます。昨日も申し上げた通り、まだ作業が終結しておらず、正式なご報告は新春となります。



◆第294回 WARHOL―underground america
2017年12月12日―12月28日

<今日の夕方はときの忘れものに。現在開催されているのは1960年代のニューヨークのアンダーグラウンドシーンをテーマにした展示。当時活躍していたジョナス・メカスの映画やアンディ・ウォーホルの版画などと、それを日本に紹介した金坂健二という映画評論家・写真家の作品が展示されている。
メカスの映画は見ることができなかったんだけど、ウォーホルの版画は今まで存在を知らなかった作品もあり見入ってしまった。そして金坂健二が撮影したウォーホルのポートレート、いかにもアングラ時代のニューヨーク、という雰囲気をプンプンさせていて格好良かったなぁ。
移転後しばらく足を運ぶことができなかったが、今年もいろいろ素敵な作品との出会いがあったギャラリー。来年からは閉廊時間を19時に延長するそうなので、もっと足を運びたいね。
(林光一郎さんのブログより)>





亭主の40年来の友人で青山の一軒家時代には幾度もミニコンサートを開いてくれた小林淳子さん(左から二人目)と久しぶりの再会。
(12月12日)
現代版画センター以来のお客様、ブログでもお馴染みの笹沼俊樹さんが持参してくれたNYのギャラリーのウォーホル展の巨大DMを三階から吊るしました。
(12月13日)
ブログに「金坂健二とその時代」を執筆してくれた森下明彦さんが神戸から上京されました。
(12月19日)
昨日のアートフェア回顧(国内3、海外3)、そして本日は画廊での展示を振り返りました。
青山から駒込への移転という大事件もさることながら、今年ほど多くの方を見送ったこともありません。仕事関係ばかりではなく、個人的にも親しい方幾人にもお別れしなければならなかったのは辛くさみしいことでした。明日はわが身、亭主も社長もいつ逝ってもおかしくないということでしょう。
お名前のみ列挙して多年にわたるご厚情を深謝する次第です。
トリシャ・ブラウンさん(3月)
大岡信さん(4月)
舟越直木さん(5月)
風間健介さん(6月)
高﨑元尚さん(6月)
北澤敏彦さん(7月)
白田貞夫さん(8月)
本田和久さん(8月)
加藤廣士さん(8月)
ジャン・ベルト・ヴァンニさん(9月)
唐牛真喜子さん(11月)
お世話になった方々に来春1月16日に埼玉県立近代美術館で始まる「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展を見ていただきたかった。
2017年もあと数時間で暮れます。
あらためてお客様、作家、取引先の皆様に今年一年のご愛顧を御礼申しあげます。
ブログも365日、無事更新することができました。ご愛読感謝します。
ありがとうございました。
皆様どうぞ、良いお年をお迎えください。
まさかこの年の瀬を文京区本駒込の地で迎えるなんて、一年前には夢にも思いませんでした。
30年近くいた青山が既に遠い。
前半は青山、後半が駒込での展示を中心に今年一年を振り返ってみましょう。
◆銀座Gせいほう「石山修武・六角鬼丈 二人展―遠い記憶の形―」
2017年1月10日―1月21日
主催/会場:ギャラリーせいほう
協力=ときの忘れもの
石山修武の新作銅版画と、六角鬼丈の新作シルクスクリーンを発表。
「キミの画廊じゃ狭くてだめだ、銀座の大画廊でやりたい」という、石山先生の強い希望で実現した六角先生との二人展でした。







今回の六角先生の新作の刷りをご担当いただきました
◆第285回 Circles 円の終わりは円の始まり
2017年1月18日―2月4日

オノサト・トシノブの油彩を中心に、円を描き続けた作家、円をモチーフに描かれた作品を展示しました。



◆第286回 普後均写真展―肉体と鉄棒―
2017年2月15日~2月25日

ときの忘れものでは初となる普後均の写真展。新作シリーズ〈肉体と鉄棒〉から約15点を展示しました。




◆第287回 小野隆生コレクション展
2017年3月7日―3月25日

小野の1970年代の初期作品から2000年代の近作まで、油彩・テンペラ・ドローイングなど約15点を展示しました。



◆第288回 堀尾貞治・石山修武二人展 ―あたりまえのこと、そうでもないこと―
2017年3月31日~4月15日

堀尾貞治(1939~)の未発表ドローイングと、石山修武(1944~)の新作銅版画、及びドローイングを展示しました。




即席のギャラリートークでご機嫌な堀尾先生に珍しくタジタジな石山先生。


近所は勿論、遠くは宮崎、広島からも。
◆第289回 「植田正治写真展―光と陰の世界―Part I」
2017年5月13日~5月27日

植田調で知られる写真家の初期名作から晩年のカラー写真など、一般に知られるものとは毛色の違う作品を展示しました。







青山最後の企画展最終日、訪れてくださったのは毎日新聞OBで亭主の大先輩峯村敏明先生(右)でした。
◆2017年6月13日 〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転。引越しの顛末は6月5日及び6月16日のブログをご参照ください。

◆第290回 移転記念コレクション展
2017年7月8日~7月29日
住み慣れた青山から閑静な駒込に移転後の、初の企画展です。
新しい環境に映える、様々な作品を展示しました。






右から葉栗剛、秋葉シスイ、野口琢郎

◆特集展示:アジェとドアノー
2017年8月1日~8月5日

事務所の移転に伴い、通常の企画展とは異なる、1週間程度の短期展示を始めました。
第1回はパリの街角を撮り続けたアジェとロベール・ドアノーの写真作品です。



◆特集展示:白南準(ナム・ジュン・パイク)と文承根(ムン・スングン)
2017年8月8日~8月19日

◆第291回 クリストとジャンヌ=クロード
2017年8月29日~9月9日

常連さんの鶴の一声から急遽決まった特別展示。
長年クリストの助手を務めている柳正彦さんのギャラリートークを中心に、20点の版画、ドローイング、ポスター作品を展示しました。

撮影:阿部勤様


たくさんの申し込みがあり、超満席。階段まで使ってのトークでした。

左から阿部先生、社長、亭主、作家の料治幸子さん、社長の元上司北山ひとみさん、建築家の堀川秀夫さん
◆特集展示:駒井哲郎
2017年9月12日~9月22日

9月12日~10月9日まで埼玉県立近代美術館で「駒井哲郎展」が開催されたことに合わせて、ときの忘れものでは駒井哲郎の版画作品、詩画集など約10点を特集展示する他、恩地孝四郎、南桂子、国吉康雄、フォーゲラー等の版画作品を展示しました。





◆第292回 安藤忠雄展 ドローイングと版画
2017年9月26日~10月21日

9月27日から12月18日まで六本木の国立新美術館で開催された「安藤忠雄展―挑戦―」に合わせて、ときの忘れものでは初期大作《中之島プロジェクト》をはじめ、ドローイングや版画など代表作15点を展示しました。
11月には日経アーキテクチュアから代表作50の建築と、50人の証言(インタビュー)をまとめた『安藤忠雄の奇跡 50の建築×50の証言』が刊行され、亭主もインタビューを受け、1984年の版画制作始末を語りました。
日経アーキテクチュア編集長のコラム<建築家・安藤忠雄氏の言葉の力:第3回>で、出江寛先生、石山修武先生の次に紹介されていますので、お読みください。




右はMEMの石田克哉さん。
◆特集展示:瀧口修造とマルセル・デュシャン
2017年10月24日~10月28日

ときの忘れもので2014年と2015年に開催した「瀧口修造展」の合同図録『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』が完成しました。 その刊行を記念して、中尾拓哉さんを講師に迎えてギャラリートークを開催するとともに、瀧口修造のロトデッサンや水彩作品と『デュシャン語録』など、約10点を展示しました。





◆第293回 細江英公写真展
2017年10月31日~11月25日

〈鎌鼬〉〈薔薇刑〉〈ガウディ〉〈抱擁〉〈春本・浮世絵うつし〉など、細江英公の1960~2000年代の代表作約20点を展示しました。







(2017年10月31日)

(2017年11月1日)


細江先生には受賞された旭日重光章を着けていただきました。
◆メキシコ地震被災地支援・チャリティー頒布会
2017年11月28日~12月2日

私たちの仕事は平和で安全な社会でこそ成り立ちます。不幸にも戦乱や自然災害に巻き込まれた人々に私たちが出来ることはそう多くはありませんが、少しでもお役にたてたらと、チャリティー頒布会を開催しました。出品した作品は一律8,000円。多くの方にご購入いただきました。改めてこの場で御礼申し上げます。昨日も申し上げた通り、まだ作業が終結しておらず、正式なご報告は新春となります。



◆第294回 WARHOL―underground america
2017年12月12日―12月28日

<今日の夕方はときの忘れものに。現在開催されているのは1960年代のニューヨークのアンダーグラウンドシーンをテーマにした展示。当時活躍していたジョナス・メカスの映画やアンディ・ウォーホルの版画などと、それを日本に紹介した金坂健二という映画評論家・写真家の作品が展示されている。
メカスの映画は見ることができなかったんだけど、ウォーホルの版画は今まで存在を知らなかった作品もあり見入ってしまった。そして金坂健二が撮影したウォーホルのポートレート、いかにもアングラ時代のニューヨーク、という雰囲気をプンプンさせていて格好良かったなぁ。
移転後しばらく足を運ぶことができなかったが、今年もいろいろ素敵な作品との出会いがあったギャラリー。来年からは閉廊時間を19時に延長するそうなので、もっと足を運びたいね。
(林光一郎さんのブログより)>






(12月12日)

(12月13日)

(12月19日)
昨日のアートフェア回顧(国内3、海外3)、そして本日は画廊での展示を振り返りました。
青山から駒込への移転という大事件もさることながら、今年ほど多くの方を見送ったこともありません。仕事関係ばかりではなく、個人的にも親しい方幾人にもお別れしなければならなかったのは辛くさみしいことでした。明日はわが身、亭主も社長もいつ逝ってもおかしくないということでしょう。
お名前のみ列挙して多年にわたるご厚情を深謝する次第です。
トリシャ・ブラウンさん(3月)
大岡信さん(4月)
舟越直木さん(5月)
風間健介さん(6月)
高﨑元尚さん(6月)
北澤敏彦さん(7月)
白田貞夫さん(8月)
本田和久さん(8月)
加藤廣士さん(8月)
ジャン・ベルト・ヴァンニさん(9月)
唐牛真喜子さん(11月)
お世話になった方々に来春1月16日に埼玉県立近代美術館で始まる「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展を見ていただきたかった。
2017年もあと数時間で暮れます。
あらためてお客様、作家、取引先の皆様に今年一年のご愛顧を御礼申しあげます。
ブログも365日、無事更新することができました。ご愛読感謝します。
ありがとうございました。
皆様どうぞ、良いお年をお迎えください。
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