ART FAIR TOKYO 2018が終わりました。

tokyo一般公開:3月9日(金)~11日(日)
会場:有楽町・東京国際フォーラム
公式サイト:https://artfairtokyo.com/
ときの忘れものブース:N27

今年は国内外164ギャラリーが出展し、8日のプレビューを含め4日間の会期中、過去最多60,029人が来場したと事務局は発表しました。
たしかに来場者は多く、いつもなら必ずある「閑散とした時間」が全くなく、朝11時に開場するやいなや入場者が続々と訪れるといった毎日でした。
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あれもこれもと欲張って失敗した昨年を反省し、今年は新発掘の植田正治のポラロイド写真にメインに絞って展示しました。
長年取り組んできた「建築家のドローイング、版画」に関しても今年は少し角度を変えて倉俣史朗のオブジェ(香水瓶、薔薇の封印など)を出品しました。おかげさまで注目度も高く、特に倉俣作品はほぼ完売し、秋に計画している「倉俣史朗展」に手ごたえを感じました。
お客様との新たな出会いもあり、今後の仕事に生かしていきたいと思っています。

・新発掘の植田正治のポラロイド写真18点を初公開
・平面:瑛九、松本竣介、オノサト・トシノブ、秋葉シスイ、ハ・ミョンウン、
・オブジェ:倉俣史朗、堀内正和、関根伸夫、舟越直木、宮脇愛子、加藤清之、篠田守男、若林奮

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主力が既にNYに出発したため留守番のスタッフたちが3月7日に搬入開始、狭いです。
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番頭おだちがNY行きを1日遅らせ指揮、事前のプランに従って展示作業
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展示完了、正面と左壁面に植田正治のポラロイド写真。

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右壁面)右上にハ・ミョンウンのBRUSHシリーズ2点、下方にはオブジェ類

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左壁面)植田正治ポラロイドCセット(6点組)と、倉俣史朗「香水瓶」

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倉俣史朗「香水瓶」

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通路側壁面)左から秋葉シスイ瑛九松本竣介オノサト・トシノブ

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倉俣史朗「薔薇の封印」シリーズ3点

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左から宮脇愛子関根伸夫(ともに現代版画センターのエディションです)

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左から堀内正和加藤清之舟越直木

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中央赤シャツは新人の勝見美生、アートフェアデビューです。
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倉俣作品は圧倒的人気でした!
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倉俣史朗「薔薇の封印」はすぐに売れてしまったので少し展示換えしました。
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フェア全体の印象としては、
第一に、<骨董・古美術+現代美術>という世界でも珍しい取り合わせのフェアとして完全に定着したようです。骨董屋さんたちの元気のいいこと、ディスプレーのうまいこと、接客が上手なこと、ずいぶんと参考になりました。驚いたのは撤収の鮮やかさです。あれほど凝った内装をしていた骨董・古美術の各店はフェア終了するや一時間も経たないのにきれいに片付け終わっていました。デパートなどへの出展で鍛えられたノウハウが蓄積されているのでしょう。

第二に、一時の「見るだけ」の客層から「コレクションしたい」客層への転換が広がってきたと実感しました。周辺に聞くと、売り上げ的には苦戦だったようですが、バンバン売れていた(徹夜で行列騒ぎもあったようです)画廊もあり、「東京は売れない」という定説が少し修正されるかも知れません。
ならお前のところはどうだったのだと言われますと・・・まあ、老兵二人にしてはそれなりに(笑)。
常連さん、新規顧客、ともにお買い上げいただきました。
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埼玉県立近代美術館の梅津元先生
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群馬県立近代美術館の田中龍也先生
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たくさんのご来場ありがとうございました。
作品をお買いあげいただいたお客様には心より御礼申し上げます。
新人スタッフと老兵二人で何かと心細いフェアでしたが、出展の若い画廊さんたちに励まされ、お気遣いいただき何とか乗り切ることができました。
来年も審査に落ちなければ出展する予定です。
「アートフェア東京2019」は、2019年3月7日~10日、東京国際フォーラムで開催予定。
NYの結果については後日番頭おだちから報告させます。

◆埼玉県立近代美術館で「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展が開催されています。現代版画センターと「ときの忘れもの」についてはコチラをお読みください。
詳細な記録を収録した4分冊からなるカタログは、ときの忘れもので扱っています。
会期:2018年1月16日(火)~3月25日(日)
埼玉チラシAY-O600現代版画センターは会員制による共同版元として1974年~1985年までの11年間に約80作家、700点のエディションを発表し、全国各地で展覧会、頒布会、オークション、講演会等を開催しました。本展では45作家、約280点の作品と、機関誌等の資料、会場内に設置した三つのスライド画像によりその全軌跡を辿ります。

【トークイベント】ウォーホルの版画ができるまで―現代版画センターの軌跡
日時:3月18日 (日) 14:00~16:30
第1部:西岡文彦 氏(伝統版画家 多摩美術大学教授)、聞き手:梅津元(当館学芸員)
第2部:石田了一 氏(刷師 石田了一工房主宰)、聞き手:西岡文彦 氏
場所:2階講堂
定員:100名 (当日先着順)/費用:無料
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○<版画の景色@埼玉県立近代美術館。この《大きな透明の木》に圧倒されました。脈動してるみたい。宮脇愛子さんの《USTUROHI》が印象的でした。青地にひゅっと引かれた銀線がふわふわ思い出されます。
(20180314/ひっぽさんのtwitterより)>

○<版画の景色 日本版画センターの軌跡 @埼玉県立近代美術館
年始に、ときの忘れものさんからご招待券をいただき、ずっと行けていなかった展覧会へ。
圧巻の版画、版画、版画。日本の現代美術を走馬灯のように再確認。
建築つながりでコレクションしている磯崎新、宮脇愛子の作品にどうしても目が奪われます。他には、11111枚も刷ったという靉嘔、オノサトトシノブ、山口勝弘、菅井汲も今見てもとても新鮮でした。
1970-80年代に、アートを広めたいという情熱で、ある種の使命感を持ち活動されてこられた軌跡を、会報誌、貴重な手書き資料とともに伺い知ることができました。80年代後半、ウォーホルの菊モチーフ版画に結実していく展開に、ドラマがあります。作品だけでなく、その創り手、裏方に光が当たった展覧会で、大変充実していました。
内部撮影出来なかったので、図録にて。会期は3/25まで。少し遠いですが、黒川紀章建築の埼玉へ。おススメです。

(20180314/川崎 力宏さんのfacebookより)>

○<浦和へ。現代版画センターの軌跡展。ああこの人の色や形はあの壁にあったなと壁ごと部屋ごと思い出したり。すりこまれてるものだなあ。靉嘔の虹色なんて子供の脳みそには強烈でしたもんね。なんじゃこりゃ!って感じで。こうゆう活動があっての私の経験だったんだと初めて知りました。
(20180314/Iioka Yukikoさんのtwitterより)>

西岡文彦さんの連載エッセイ「現代版画センターという景色は1月24日、2月14日、3月14日の全3回掲載しました。
草創期の現代版画センターに参加された西岡さんが3月18日14時半~トークイベント「ウォーホルの版画ができるまでー現代版画センターの軌跡」に講師として登壇されます。

光嶋裕介さんのエッセイ「身近な芸術としての版画について(1月28日ブログ)

荒井由泰さんのエッセイ「版画の景色―現代版画センターの軌跡展を見て(1月31日ブログ)

スタッフたちが見た「版画の景色」(2月4日ブログ)

倉垣光孝さんと浪漫堂のポスター(2月8日ブログ)

嶋﨑吉信さんのエッセイ~「紙にインクがのっている」その先のこと(2月12日ブログ)

大谷省吾さんのエッセイ~「版画の景色-現代版画センターの軌跡」はなぜ必見の展覧会なのか(2月16日ブログ)

植田実さんのエッセイ「美術展のおこぼれ 第47回(3月4日ブログ)

土渕信彦さんのエッセイ<埼玉県立近代美術館「版画の景色ー現代版画センターの軌跡」展を見て(3月8日ブログ)

現代版画センターに参加した刷り師たち(3月11日ブログ)

現代版画センターの生みの親 井上房一郎と久保貞次郎(3月13日ブログ)

塩野哲也さんの編集思考室シオング発行のWEBマガジン[ Colla:J(コラージ)]2018 2月号が展覧会を取材し、87~95ページにかけて特集しています。

毎日新聞2月7日夕刊の美術欄で「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展が紹介されました。執筆は永田晶子さん、見出しは<「志」追った運動体>。

○3月4日のNHK日曜美術館のアートシーンで紹介されました。

朝日新聞3月13日夕刊の美術欄で「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展が紹介されました。執筆は小川雪さん、見出は<版画に込めた情熱と実験精神>。

○月刊誌『建築ジャーナル』2018年3月号43ページに特集が組まれ、見出しは<運動体としての版画表現 時代を疾走した「現代版画センター」を検証する>。

○埼玉県立近代美術館の広報誌 ソカロ87号1983年のウォーホル全国展が紹介されています。

○同じく、同館の広報誌ソカロ88号には栗原敦さん(実践女子大学名誉教授)の特別寄稿「現代版画センター運動の傍らでー運動のはるかな精神について」が掲載されています。
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現代版画センターエディションNo.441 本田眞吾「Extension No.31」
現代版画センターのエディション作品を展覧会が終了する3月25日まで毎日ご紹介します。
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「Extension No.31」
1977年
凸版(刷り:作家自刷り)
37.0×50.0cm
Ed.50 Signed
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

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出品作家45名:靉嘔/安藤忠雄 /飯田善国/磯崎新/一原有徳/アンディ・ウォーホル/内間安瑆/瑛九/大沢昌助/岡本信治郎/小田襄/小野具定/オノサト・トシノブ/柏原えつとむ/加藤清之/加山又造/北川民次/木村光佑/木村茂/木村利三郎/草間彌生/駒井哲郎/島州一/菅井汲/澄川喜一/関根伸夫/高橋雅之/高柳裕/戸張孤雁/難波田龍起/野田哲也/林芳史/藤江民/舟越保武/堀浩哉 /堀内正和/本田眞吾/松本旻/宮脇愛子/ジョナス・メカス/元永定正/柳澤紀子/山口勝弘/吉田克朗/吉原英雄

◆ときの忘れものは「植田正治写真展ー光と陰の世界ーPart Ⅱ」を開催しています。
会期:2018年3月13日[火]―3月31日[土] 11:00-19:00
※日・月・祝日休廊(但し3月25日[日]は開廊
昨年5月に開催した「Part I」に続き、1970年代~80年代に制作された大判のカラー作品や新発掘のポラロイド写真など約20点をご覧いただきます。
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●書籍・カタログのご案内
表紙植田正治写真展―光と陰の世界―Part II』図録
2018年3月8日刊行
ときの忘れもの 発行
24ページ
B5判変形
図版18点
執筆:金子隆一(写真史家)
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
価格:800円(税込)※送料別途250円

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植田正治写真展―光と陰の世界―Part I』図録
2017年
ときの忘れもの 発行
36ページ
B5判
図版33点
執筆:金子隆一(写真史家)
デザイン:北澤敏彦(DIX-HOUSE)
価格:800円(税込)※送料別途250円


●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
20170707_abe06新天地の駒込界隈についてはWEBマガジン<コラージ12月号>をお読みください。18~24頁にときの忘れものが特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。