「降る雪や 明治は遠く なりにけり」と中村草田男が詠んだのが1931年(昭和6)のことでした。
いまや平成、遠いどころではありませんが、
明治の末年1912年(明治45、大正元)生まれの作家をアトランダムに挙げると、
剣持勇、寺田 政明、 丸木 俊、奥田 元宋 、髙山辰雄、佐藤 忠良、舟越 保武 、オノサト・トシノブ、ロベール=ドアノー、ジョン=ケージ、松本竣介たちです。
いまちょうど世田谷美術館で「人間・髙山辰雄展」が開催されています(4月14日~6月17日)。これはぜひご覧になってください。
亭主にとって見れば竣介以外はほとんど生前の姿を知っていますし、髙山辰雄、佐藤忠良、舟越保武 、オノサト・トシノブ先生たちには実際にお目にかかり仕事もしています。
(*参考画像:(埼玉県立近代美術館「版画の景色 現代版画センターの軌跡」)
いわば同時代を生きた作家たちです。
ご存命ならば106歳前後でしょうか。
106年前の明日、1912年4月19日、松本竣介は東京府豊多摩郡渋谷町大字青山北町七丁目27番地(現 渋谷区渋谷一丁目6番1号)に佐藤勝身とハナ夫妻の次男(佐藤俊介)として生まれました。
旧町名からおわかりの通り、私たちの「ときの忘れもの」が昨年まであった南青山3丁目から歩いていける場所でした。グーグルで検索すると、渋谷駅から宮益坂を登り、青山通りをちょっと左に入ったあたりが竣介生誕の地です。
生まれたのは東京ですが、2歳の時に岩手県花巻へ、10歳の時に盛岡へ移り、少年時代を盛岡で過ごします。盛岡中学の同級生に舟越保武先生がいらっしゃいました。舟越先生は生涯、竣介と友人だったことを大切な思い出とし、ご自身の略歴には必ず「1941年(昭和16)盛岡・川徳画廊にて松本竣介と二人展開催」と記すことを指示されました。因みにこの年(1941年)はまだ松本俊介の時代で、「竣介」としたのは1944年からです。
竣介は中学時代に聴力を失います。やがて絵画に志し、17歳になる年に再び上京し絵を描き続けました。 1936年(昭和11年)に松本禎子さんと結婚し、「佐藤」から松本姓に変わりました。
亡くなったのは1948年6月8日。
幼い子たちと残された禎子夫人はその後もアトリエを守り続け、ご長命で2011年11月に亡くなりました。敬愛する竣介には会っていませんが、禎子さんには幸いお目にかかっています。
短命だった竣介の作品は桐生の大川美術館、盛岡の岩手県立美術館、東京国立近代美術館、神奈川県立近代美術館などに収蔵されています。
今年が没後70年にあたりますので、桐生の大川美術館で記念展が計画されていると伺っています。
ときの忘れものは生誕100年だった2012年に初めて「松本竣介展」を前期・後期にわけて開催しました。
前期:2012年12月14日[金]―12月29日[土]
後期:2013年1月9日[水]―1月19日[土]
『松本竣介展』図録
2012年
ときの忘れもの 発行
15ページ 25.6x18.1cm
執筆:植田実
デザイン:北澤敏彦(DIX-HOUSE)
図版:30点、略歴
価格:800円(税込)
このときは、生誕100年記念展が盛大に各地で開催され、植田実先生に岩手をはじめ、神奈川、宮城、島根、東京の全5会場の追っかけをお願いするという快挙(暴挙)を成し遂げました。

岩手県立美術館:2012年4月14日~5月27日
神奈川県立近代美術館 葉山:2012年6月9日~7月22日
宮城県美術館:2012年8月4日~9月17日
島根県立美術館:2012年9月29日~11月11日
世田谷美術館:2012年11月23日~2013年1月14日
植田実先生には「生きているTATEMONO 松本竣介を読む」と題するエッセイを長期に渡り連載していただきました。
あれから6年、ときの忘れものでは5月8日~6月2日「没後70年 松本竣介展」を開催します。
下記は出品予定作品の一部です。
松本竣介
《人物(M)》
1947年8月
紙にペン、筆、インク
Image size: 22.0x15.0cm
Sheet size: 27.4x19.2cm
サインあり
※『松本竣介素描』(1977年 株式会社綜合工房)P121所収
松本竣介
《作品》
紙に墨(裏にも作品あり)
Image size: 23.0x17.0cm
Sheet size: 27.2x19.5cm
(裏)
松本竣介
《作品》
紙にペン
Image size: 20.5x30.5cm
Sheet size: 23.0x30.5cm
カタログも鋭意制作中で、テキストは大谷省吾先生(東京国立近代美術館)にお願いしています。
カタログですが、先日の『植田正治写真展―光と陰の世界―Part II』図録からデザインは岡本一宣さんにお願いしています。
ときの忘れものは開廊以来、ほとんどのカタログ、書籍のデザインを北澤敏彦さんにお願いしてきましたが、その死によって亭主は長年の盟友を失い、今後のカタログなどのデザインをどなたにお願いするか悩みました。
幸い、長年の友人の倉垣光孝(浪漫堂)さんの推薦により岡本一宣さんにお願いすることになりました。
どうぞご期待ください。
『植田正治写真展―光と陰の世界―Part II』図録
2018年3月8日刊行
ときの忘れもの 発行
24ページ
B5判変形
図版18点
執筆:金子隆一(写真史家)
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
価格:800円(税込)※送料別途250円

『植田正治写真展―光と陰の世界―Part I』図録
2017年
ときの忘れもの 発行
36ページ
B5判
図版33点
執筆:金子隆一(写真史家)
デザイン:北澤敏彦(DIX-HOUSE)
価格:800円(税込)※送料別途250円
●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18~24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

いまや平成、遠いどころではありませんが、
明治の末年1912年(明治45、大正元)生まれの作家をアトランダムに挙げると、
剣持勇、寺田 政明、 丸木 俊、奥田 元宋 、髙山辰雄、佐藤 忠良、舟越 保武 、オノサト・トシノブ、ロベール=ドアノー、ジョン=ケージ、松本竣介たちです。
いまちょうど世田谷美術館で「人間・髙山辰雄展」が開催されています(4月14日~6月17日)。これはぜひご覧になってください。
亭主にとって見れば竣介以外はほとんど生前の姿を知っていますし、髙山辰雄、佐藤忠良、舟越保武 、オノサト・トシノブ先生たちには実際にお目にかかり仕事もしています。
(*参考画像:(埼玉県立近代美術館「版画の景色 現代版画センターの軌跡」)
いわば同時代を生きた作家たちです。
ご存命ならば106歳前後でしょうか。
106年前の明日、1912年4月19日、松本竣介は東京府豊多摩郡渋谷町大字青山北町七丁目27番地(現 渋谷区渋谷一丁目6番1号)に佐藤勝身とハナ夫妻の次男(佐藤俊介)として生まれました。
旧町名からおわかりの通り、私たちの「ときの忘れもの」が昨年まであった南青山3丁目から歩いていける場所でした。グーグルで検索すると、渋谷駅から宮益坂を登り、青山通りをちょっと左に入ったあたりが竣介生誕の地です。
生まれたのは東京ですが、2歳の時に岩手県花巻へ、10歳の時に盛岡へ移り、少年時代を盛岡で過ごします。盛岡中学の同級生に舟越保武先生がいらっしゃいました。舟越先生は生涯、竣介と友人だったことを大切な思い出とし、ご自身の略歴には必ず「1941年(昭和16)盛岡・川徳画廊にて松本竣介と二人展開催」と記すことを指示されました。因みにこの年(1941年)はまだ松本俊介の時代で、「竣介」としたのは1944年からです。
竣介は中学時代に聴力を失います。やがて絵画に志し、17歳になる年に再び上京し絵を描き続けました。 1936年(昭和11年)に松本禎子さんと結婚し、「佐藤」から松本姓に変わりました。
亡くなったのは1948年6月8日。
幼い子たちと残された禎子夫人はその後もアトリエを守り続け、ご長命で2011年11月に亡くなりました。敬愛する竣介には会っていませんが、禎子さんには幸いお目にかかっています。
短命だった竣介の作品は桐生の大川美術館、盛岡の岩手県立美術館、東京国立近代美術館、神奈川県立近代美術館などに収蔵されています。
今年が没後70年にあたりますので、桐生の大川美術館で記念展が計画されていると伺っています。
ときの忘れものは生誕100年だった2012年に初めて「松本竣介展」を前期・後期にわけて開催しました。
前期:2012年12月14日[金]―12月29日[土]
後期:2013年1月9日[水]―1月19日[土]

2012年
ときの忘れもの 発行
15ページ 25.6x18.1cm
執筆:植田実
デザイン:北澤敏彦(DIX-HOUSE)
図版:30点、略歴
価格:800円(税込)
このときは、生誕100年記念展が盛大に各地で開催され、植田実先生に岩手をはじめ、神奈川、宮城、島根、東京の全5会場の追っかけをお願いするという快挙(暴挙)を成し遂げました。

岩手県立美術館:2012年4月14日~5月27日
神奈川県立近代美術館 葉山:2012年6月9日~7月22日
宮城県美術館:2012年8月4日~9月17日
島根県立美術館:2012年9月29日~11月11日
世田谷美術館:2012年11月23日~2013年1月14日
植田実先生には「生きているTATEMONO 松本竣介を読む」と題するエッセイを長期に渡り連載していただきました。
あれから6年、ときの忘れものでは5月8日~6月2日「没後70年 松本竣介展」を開催します。
下記は出品予定作品の一部です。

《人物(M)》
1947年8月
紙にペン、筆、インク
Image size: 22.0x15.0cm
Sheet size: 27.4x19.2cm
サインあり
※『松本竣介素描』(1977年 株式会社綜合工房)P121所収

《作品》
紙に墨(裏にも作品あり)
Image size: 23.0x17.0cm
Sheet size: 27.2x19.5cm


《作品》
紙にペン
Image size: 20.5x30.5cm
Sheet size: 23.0x30.5cm
カタログも鋭意制作中で、テキストは大谷省吾先生(東京国立近代美術館)にお願いしています。
カタログですが、先日の『植田正治写真展―光と陰の世界―Part II』図録からデザインは岡本一宣さんにお願いしています。
ときの忘れものは開廊以来、ほとんどのカタログ、書籍のデザインを北澤敏彦さんにお願いしてきましたが、その死によって亭主は長年の盟友を失い、今後のカタログなどのデザインをどなたにお願いするか悩みました。
幸い、長年の友人の倉垣光孝(浪漫堂)さんの推薦により岡本一宣さんにお願いすることになりました。
どうぞご期待ください。

2018年3月8日刊行
ときの忘れもの 発行
24ページ
B5判変形
図版18点
執筆:金子隆一(写真史家)
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
価格:800円(税込)※送料別途250円

『植田正治写真展―光と陰の世界―Part I』図録
2017年
ときの忘れもの 発行
36ページ
B5判
図版33点
執筆:金子隆一(写真史家)
デザイン:北澤敏彦(DIX-HOUSE)
価格:800円(税込)※送料別途250円
●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18~24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

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