スタッフSの「第7回ときの忘れもの・拾遺 ギャラリーコンサート」レポート

4月3日(火)に、2018年初のギャラリーコンサートを開催しました。
先ずは参加者の感想を。

○<拾遺 ギャラリーコンサート 第7回 愛といのち{淡野弓子/武久源造}@ときの忘れもの(2018/04/03)
今日の夕方はときの忘れもののギャラリーコンサートへ。開催の案内を見かけたとき、あのモダンな建物でギャラリーコンサートを開催するとどうなるんだろうか、と驚き、さっそく申し込んでワクワクしながら待っていた。
今日のコンサートは武久源造さんのスクエア・ピアノによる伴奏で、淡野弓子さんが歌うドイツ・リート。僕はドイツ・リートにはあまり馴染みがなくちゃんと聴いたのは多分今回が初めて。これぐらいの小さい会場だと細かな発音まで聞き取れて、ドイツの曲だけあってドイツ語の発音に見事に合ってるんだなぁと感心したり。
そしてスクエア・ピアノを聞くのもやっぱり初めて。18世紀の半ばに普及した初期のピアノで、グランドピアノほど響きが大仰ではなく、鍵盤で演奏しているんだけれど弦楽器なんだよ、という風情がいい。とてもクリスプな音で一つ一つの音の粒がしっかり聞き取れる感じ。
コンクリート打ちっぱなしの小さなロビーにこういう古風な楽曲と楽器のサロンコンサートがよく合うって、不思議だなぁ。次回もぜひ聴きにこなくっちゃ。

林光一郎さんのブログより)>

○<淡野弓子さんの歌と武久源造さん/スクエアピアノのコンサート。4/3駒込のギャラリー「ときの忘れもの」のすてきな吹き抜け空間を200年前のウィーンのピアノの音色がふんわり親密に包み込む。モーツァルト、シューマン、グリークの名歌曲と武久作品も。金子みすず、山川彌千枝の薔薇と桜と女のいのち!
(20180405/kazumi-wさんのtwitterより)>

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本来ならば去年の内に開催されていたハズの淡野弓子さんと武久源造さんによる第7回ギャラリーコンサートですが、冬に入ってから会場である画廊の廊下部分の冷え込みがあまりに酷かったため、今月まで延期されていました。

前々回はナイチンゲール、前回はカラス。今回のテーマも去年の内に開催されていれば鳥になっていましたが、桜も満開な春ということで「愛といのち」に変更。

20180403_gallery_concert_03会場となる画廊二階の廊下に設置されたスクエアピアノ。
コンクリートの壁とタイルの床にマッチして非常にカッコいいです。カッコいいのですが…これがとにかく重い! 4人がかりでヒーコラ言いながら狭い階段を押し上げて設置しました。

20180403_gallery_concert_04調律に取り組む武久さん。
1830年代に作られたピアノだけあってあちこちメンテナンスしながらの調律で、木工用ボンドや紙やすりを使いながら調整されていました。

20180403_gallery_concert_05駒込に引っ越してから、楽器を演奏するコンサートは初めての開催でしたが、あちこちの天井が吹き抜けになっているおかげで音の通りが良好で、初めて来廊された武久さんにもご満足いただけたようです。

20180403_gallery_concert_06本来ならばプロデューサーである大野幸さんがお話されるべき所ですが、またしてもお仕事で海外に出向かれており不在のため、代打で亭主による前語りを開始前の挨拶代わりに。

20180403_gallery_concert_08淡野弓子さんによるドイツ・リート、武久源造さんによるピアノ・ソロ、最後に山川彌千枝・金子みすずの詩に武久さんが作曲した歌と、今回も瞬く間に時間が過ぎてゆきました。

20180403_gallery_concert_07演奏の他にも、今回使われたスクエアピアノが作られた時代のドイツの音楽事情なども曲の合間にお話しいただきました。

20180403_gallery_concert_11コンサート終了後の一幕。
今回は大分参加数を絞ったのですが、それでもこの混み具合…
ちなみにスクエアピアノはこの後コンサートを聴きに来た芳賀言太郎さんにもお手伝いいただき、無事搬出されました。

次回のコンサートはまだ未定です。詳細が決まり次第告知させていただきますので、楽しみにお待ちいただければ幸いです。
あっという間に桜を咲かせて散らせる程暖かくなったかと思えば、連日北風と南風が交互に吹きすさび寒いのか暖かいのか分からない日々ですが、皆さまどうぞ体調にお気をつけてお過ごしください。

(しんざわ ゆう)

淡野弓子
淡野 弓子 Yumiko Tanno [メゾ・ソプラノ]
東京藝術大学声楽科卒業。旧西ドイツ・ヴェストファーレン州立ヘルフォルト教会音楽大学に留学し、特に声楽、合唱指揮を集中的に学ぶ。1968年東京に「ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京」を設立、以来2008年まで40年に亘り指揮者としてシュッツ音楽を始めとするルネサンス、バロックから現代に至る数多くの合唱作品の演奏に携わる。1989年に『シュッツ全作品連続演奏』を開始し2001年に全496曲の演奏を終了。歌い手としては、シュッツ、バッハより現代に至る宗教曲、ドイツ・リート、シェーンベルク《月に憑かれたピエロ》を始めとする現代作品の演奏、新作初演など。
 1991年~2004年、アグネス・ギーベルの薫陶を受けつつ内外のコンサートで共演。2010年より米国にてエリザベス・マニヨンに師事。メゾ・ソプラノ淡野弓子、ピアノ小林道夫による「歌曲の夕べ」を2013年2月および2015年10月(共演:杉山光太郎・ヴィオラ)を開催。2015年5月には井桁裕子制作の操り人形「ユトロ」との共演により『狂童女の戀』(人形操演:黒谷都/朗読:坂本長利/ピアノ:武久源造)を制作・演奏。著書:『バッハの秘密』平凡社新書。CD:<ハインリヒ・シュッツの音楽> I~IV [SDG/MP]、メンデルスゾーン<パウロ>[ALCD]ほか。

武久源造
武久 源造 Genzoh Takehisa [スクエア・ピアノ]
1957年生まれ。1984年東京芸術大学大学院音楽研究科修了。以後、国内外で活発に演奏活動を行う。チェンバロ、ピアノ、オルガンを中心に各種鍵盤楽器を駆使して中世から現代まで幅広いジャンルにわたり様々なレパートリーを持つ。また、作曲、編曲作品を発表し好評を得ている。
91年よりプロデュースも含め30数作品のCDをALM RECORDSよりリリース。中でも「鍵盤音楽の領域」(Vol.1~9)、チェンバロによる「ゴールトベルク変奏曲」、「J.S.バッハオルガン作品集 Vol.1」、オルガン作品集「最愛のイエスよ」、ほか多数の作品が、「レコード芸術」誌の特選盤となる快挙を成し遂げている。著書「新しい人は新しい音楽をする」(アルク出版企画・2002年)。1998~2010年3月フェリス女学院大学音楽学部及び同大学院講師。

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大野 幸(建築家) Ko OONO, Architect
本籍広島。1987年早稲田大学理工学部建築学科卒業。1989年同修士課程修了、同年「磯崎新アトリエ」に参加。「Arata Isozaki 1960/1990 Architecture(世界巡回展)」「エジプト文明史博物館展示計画」「有時庵」「奈義町現代美術館」「シェイク・サウド邸」などを担当。2001年「大野幸空間研究所」設立後、「テサロニキ・メガロン・コンサートホール」を磯崎新と協働。2012年「設計対話」設立メンバーとなり、中国を起点としアジア全域に業務を拡大。現在「イソザキ・アオキ アンド アソシエイツ」に参加し「エジプト日本科学技術大学(アレキサンドリア)」が進行中。ピリオド楽器でバッハのカンタータ演奏などに参加しているヴァイオリニスト。


●本日のお勧め作品はサム・フランシスです。
サム・フランシス_600サム・フランシス
Untitled
1985年
アクリル、キャンバス
サイズ:18.0×12.0cm
裏面にサインあり
*カタログに掲載あり

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本日5月2日(水)は普段通り営業しています。
5月3日(木・祝日)~7日(火)は5日連続で休廊です。

●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18~24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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