炎暑の中の「内間安瑆・内間俊子展」ですが、いよいよ明日までです。
このブログでは内間安瑆、内間俊子のお二人の作品を紹介してきましたが、いままでの私たちの関わりからどうしても安瑆先生の情報が多くなってしまいました。
内間俊子先生が遺された作品、活動された軌跡に関しては今後の課題として、研究者の皆さんに協力していただき継続して顕彰してまいりたいと思っています。
具体的な目標の一つとしては、数年後の美術館レベルでの展覧会の開催があります。
そのためには、お二人の遺した作品をなるべくたくさん調査、情報を収集したいと思います。皆様のご協力をお願いする次第です。
●内間安瑆先生と同時代の人たちとの交流については、
7月25日ブログ「オリヴァー・スタットラーと内間安瑆」
7月28日ブログ「イサム・ノグチと内間安瑆」
7月30日ブログ「内間安瑆先生と早稲田の友人たち」
で少し紹介しました。
本日は雑誌『みづゑ』1957年5月号(No.622)に掲載されたイサム・ノグチの「内間君のために」を再録します。
~~~
“偶然というものは神の声”と云われているが,それに耳をかたむけ,それに注意するもののみに大きな恩寵がある.この意味において,2年前内間君が帰米を延期せざるを得なかったという事情に天の啓示があったように私は思う.彼は元来(画家として)何のために日本に来たかという答を見出す今一つの機会が与えられたのである.
彼が,古来よりの文化的伝統を深く追究したことは事実だが,それにもかかわらず,彼はそれのもつ充分な意義と正面から取りくむことをさけていたように思えた.やがて国へ帰る1 人の来訪者のように―. しかし実際にはここから脱出出来ないこと,ここにも他の地と変らぬきびしい現実があるのだという事実に直面し,彼はこの地に止まって,さ細なものから組立てて,自分を取りまく世界の解釈を探し求める勇気を出した.
いま,彼がアメリ力へ行くとするならば,(そんなことはもはやさほど重要ではないが―)この天啓の収穫をもって行くだろう.
内間君のために イサム・ノグチ


内間安瑆「風のワルツ」
『みづゑ』No.622(美術出版社)は表紙を内間の《サムライ》で飾り、20~24ページにかけて「内間安瑆の版画」を特集した。イサム・ノグチのエッセイは20ページに掲載され、内間作品は1957年3月の養清堂の個展出品作品から「風のワルツ」「仙人」「祭太鼓」「木琴」が図版掲載された。
1959年、羽田空港にて
アメリカに帰国する安瑆と俊子を見送るイサム・ノグチ(右)。
●内間安瑆の作品紹介
内間安瑆は1921年アメリカに生まれます。苗字からわかるように父と母は沖縄からの移民です。1940年日本に留学、戦時中は帰米せず、早稲田大学で建築を学びます。油彩の制作をはじめ、後には木版画に転じます。
1950年アンデパンダン展(東京都美術館)に出品。1950年代初めにイサム・ノグチと知り合い、以降親しく交流する。1954年オリバー・スタットラーの取材に通訳として同行し、その著作に協力した。
その折に創作版画の恩地孝四郎にめぐり合い大きな影響を受けます。
1954年デモクラート美術家協会の青原俊子と結婚。1955年東京・養清堂画廊で木版画による初個展を開催。1959年妻の俊子と息子を伴い帰米、ニューヨーク・マンハッタンに永住。版画制作の傍ら、サラ・ローレンス大学で教え、1962と70年にグッゲンハイム・フェローシップ版画部門で受賞。サラ・ローレンス大学名誉教授を務めました。
日米、二つの祖国をもった内間安瑆は浮世絵の伝統技法を深化させ「色面織り」と自ら呼んだ独自の技法を確立し、伝統的な手摺りで45度摺を重ねた『森の屏風 Forest Byobu』連作を生み出します。現代感覚にあふれた瑞々しい木版画はこれからもっともっと評価されるに違いありません。
1)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Hermit"
1957年
木版
イメージサイズ:77.1×41.0cm
フレームサイズ:96.3×58.4cm
サインあり
2)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"An Emotion (或る感情)"
1959年
木版
イメージサイズ:40.8×30.2cm
シートサイズ:42.6×30.9cm
サインあり
3)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Shifting Horizon"
1960年
木版
イメージサイズ:31.7×24.0cm
シートサイズ:53.0×38.0cm
Ed.15
サインあり
4)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Early Summer Rain"
1961年
木版
イメージサイズ:50.5×38.0cm
シートサイズ:61.5×45.5cm
サインあり
5)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Spring Snow"
1962年
木版
イメージサイズ:77.5×33.5cm
フレームサイズ:93.6×49.8cm
サインあり
7)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Reflection in Rain"
1965年
木版
イメージサイズ:46.0×41.0cm
シートサイズ:49.5×44.0cm
サインあり
8)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"City Lights"
1967年
木版
イメージサイズ:54.0×41.0cm
シートサイズ:60.0×44.0cm
サインあり
9)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Pastoral Poem"
1967年
木版
イメージサイズ:39.3×18.1cm
シートサイズ:44.8×30.6cm
サインあり
10)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Short Poem Black and Red"
1967年
木版
イメージサイズ:31.7×24.0cm
シートサイズ:44.6×31.1cm
サインあり
11)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Ruins B"
1967年
木版
イメージサイズ:17.6×55.6cm
シートサイズ:22.6×60.1cm
Ed.30
サインあり
12)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Short Poem"
1967年
木版
イメージサイズ:17.6×55.6cm
シートサイズ:22.8×60.7cm
サインあり
13)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Time, Space-Horizontal B"
1969年
木版
イメージサイズ:35.5×75.8cm
フレームサイズ:55.5×95.5cm
Ed.30
サインあり
14)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"In Space Pink"
1969年
木版
イメージサイズ:76.0×50.5cm
シートサイズ:84.0×57.0cm
サインあり
15)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Space Landscape (C)"
1970~75年
木版
イメージサイズ:76.0×51.5cm
シートサイズ:79.5×58.5cm
サインあり
16)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Two Spheres in Space"
1971~73年
木版
イメージサイズ:76.0×52.0cm
シートサイズ:86.6×59.9cm
Ed.30
サインあり
17)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"I-V Space Tranquility"
1972年
木版
イメージサイズ:70.6×53.1cm
シートサイズ:82.4×61.4cm
サインあり
18)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Space Gesture"
1972~76年
木版
イメージサイズ:73.5×53.0cm
シートサイズ:78.5×58.0cm
Ed.30
サインあり
19)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Aretic Landscape"
1973~76年
多色木版 Color woodcut
イメージサイズ:76.0×53.4cm
シートサイズ:83.7×61.3cm
Ed.30
サインあり
20)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"In Blue"
1973
多色木版 Color woodcut
イメージサイズ:7.8x11.0cm
シートサイズ:20.2×25.3cm
Ed.200
サインあり
21)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"In Blue (Dai)"
1975年
木版
イメージサイズ:47.7×73.6cm
シートサイズ:57.0×78.8cm
Ed.30
サインあり
22)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Window Nuance (Rose)"
1978年
木版
イメージサイズ:30.0×22.0cm
シートサイズ:37.5×28.5cm
サインあり
23)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Forest Byobu with Bouquet"
1979年(2001年プリント)
木版
イメージサイズ:19.7×26.5cm
シートサイズ:24.0×31.4cm
Ed.35(内Ed.1からEd.10が作家による自摺り)
※版画掌誌4号A版挿入作品
24)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Forest Byobu (Autumn)"
1979年
木版
イメージサイズ:45.5×76.0cm
シートサイズ:55.0×88.0cm
サインあり
25)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Forest Byobu (Fragrance)"
1981年
木版(摺り:米田稔)
イメージサイズ:76.0×44.0cm
シートサイズ:83.6×51.0cm
限定120部 サインあり
*現代版画センターエディション
26)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Forest Weave (Twilight Weave) A"
1981年
木版
イメージサイズ:59.5×52.7cm
シートサイズ:71.0×60.3cm
サインあり
27)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Forest Weave (Bathers-two-cobalt)"
1982年
木版
イメージサイズ:68.0×49.0cm
シートサイズ:82.0×57.0cm
サインあり
28)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Forest Weave (Bathers-two-cobalt)"
1982年
キャンバスに油彩
91.5×66.0cm
29)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Forest Weave (Bathers-Fall)"
1967年
木版
イメージサイズ:54.0×41.0cm
シートサイズ:60.0×44.0cm
サインあり
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Unknown"
1982
紙に水彩
イメージサイズ : 8.5x6.0cm
シートサイズ : 14.0x8.2cm
サインあり
31)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Forest Byobu (Steps)"
1980年
銅版
イメージサイズ:14.3×9.3cm
シートサイズ:28.4×25.0cm
サインあり
32)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Shrub Oak (Steps B - Black)"
1981年
銅版
イメージサイズ:14.5×11.8cm
シートサイズ:28.3×22.8cm
サインあり
33)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Shrub Oak (Steps B - Green)"
1981年
銅版
イメージサイズ:14.4×12.0cm
シートサイズ:28.3×23.0cm
サインあり
34)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Self Portrait with flower (A)"
1982年
銅版
イメージサイズ:12.6×9.0cm
シートサイズ:28.9×27.8cm
サインあり
35)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Self Portrait (D)"
1982年
銅版
イメージサイズ:7.6×8.0cm
シートサイズ:28.4×28.8cm
サインあり
36)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Self Portrait (E)"
1982年
銅版
イメージサイズ:7.5×8.5cm
シートサイズ:28.7×28.2cm
サインあり
37)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"Rose One (B)"
1982年(2001年プリント)
銅板
イメージサイズ:11.7×9.0cm
シートサイズ:32.0×25.6cm
Ed.135(内Ed.1からEd.10が作家による自摺り)
※版画掌誌4号A版・B版挿入作品
38)
内間安瑆 Ansei UCHIMA
"ウエストチェスター (November)"
1982年
銅版
イメージサイズ:7.5×8.5cm
シートサイズ:28.7×28.2cm
サインあり
●内間俊子の作品紹介
内間俊子は旧姓・青原、高知県にルーツを持ち、1918年満州・安東市で生まれました。1928年大連洋画研究所で石膏デッサンと油彩を学び、1937年に大連弥生女学校を、1939年には神戸女学院専門部本科を卒業。帰国後、小磯良平に師事します。1953年瑛九らのデモクラート美術家協会に参加。 この頃、久保貞次郎や瀧口修造を知り、 抽象的な油彩や木版画、リトグラフを制作し、デモクラート美術展に出品します。
1959年夫の内間安瑆と渡米後はニューヨークに永住し、制作を続けます。1966年頃から、古い切手、絵葉書、楽譜、貝殻や鳥の羽などが雑誌の切抜き等でアレンジして封印したボックス型のアッサンブラージュやコラージュの制作に取り組み、全米各地の展覧会や日本での個展での発表を続けました。1982年からは体の自由を失った夫を18年間にわたり献身的に看病します。介護をしながらの限られた時間の中でも制作は続けられました。作品は「夢、希望、思い出」をテーマにしたものが多く、日常の「モノ」たちの組み合わせから内間俊子の人生の記録が表現されています。
2000年 5月9日安王星が79歳の生涯を静かに終えると、その後を追うかの如く、同年12月18日ニューヨークで死去されました。
39)
内間俊子 Toshiko UCHIMA
"橋 (Bridge)"
1965年
木版
イメージサイズ:57.0×42.5cm
シートサイズ:61.0×45.0cm
サインと日付あり
40)
内間俊子 Toshiko UCHIMA
"Signal"
1974年
ボックスアッサンブラージュ
ボックスサイズ:34.0×27.5×5.5cm
サインあり
41)
内間俊子 Toshiko UCHIMA
"Lady photographer"
1977年
ボックスアッサンブラージュ
ボックスサイズ:31.0×41.2×3.5cm
フレームサイズ:42.0×49.0×3.0cm
サインあり
42)
内間俊子 Toshiko UCHIMA
"イタリーよりのパッケージ Package from Italy"
1977年
コラージュ
イメージサイズ: 50.5x35.0cm
シートサイズ: 57.5×42.7cm
サインあり
43)
内間俊子 Toshiko UCHIMA
"From the Provence - Avignon-"
1977年
コラージュ
ボックスサイズ:36.0×28.3×3.5cm
サインあり
44)
内間俊子 Toshiko UCHIMA
"蝶のデュエット (Butterfly Duet)"
1978年
ボックスサイズ:36.0×28.5×3.5cm
サインあり
45)
内間俊子 Toshiko UCHIMA
"A bachelor"
1980年
コラージュ
ボックスサイズ:18.0×13.0×3.5cm
サインあり
46)
内間俊子 Toshiko UCHIMA
"クラシックな夢をうる店 フィラデルフィア The store where classic dreams are sold"
1982年
ボックスアッサンブラージュ
ボックスサイズ:55.5×36.3×6.7cm
サインあり
47)
内間俊子 Toshiko UCHIMA
"Fantasy in 1908"
1985年
コラージュ
イメージサイズ:58.0×38.0cm
シートサイズ:73.0×51.0cm
サインと日付あり
48)
内間俊子 Toshiko UCHIMA
"Edelweiss in the Alps"
1984-86
コラージュ
イメージサイズ: 51.0×28.5cm
フレームサイズ: 36.5x59.0cm
サインあり
49)
内間俊子 Toshiko UCHIMA
"Cotton Jinのころ"
1986年
ボックスアッサンブラージュ
ボックスサイズ:65.5×33.0×11.5cm
サインと日付あり
50)
内間俊子 Toshiko UCHIMA
"Three Gentlemen in Red and Black"
1989年
コラージュ
イメージサイズ:51.0×81.0cm
シートサイズ:56.087.0cm×
51)
内間俊子 Toshiko UCHIMA
"Dancing Angel"
コラージュ
イメージサイズ:65.0×50.4cm
シートサイズ:59.0×70.5cm
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆ときの忘れものは「内間安瑆・内間俊子展」を開催しています。
会期:2018年7月17日[火]―8月10日[金] ※日・月・祝日休廊
内間安瑆の油彩、版画作品と内間俊子のコラージュ、箱オブジェ作品など合わせて約20点をご覧いただきます。
○水沢勉「ふたりでひとり―内間安瑆と内間(青原)俊子」
○水沢勉「版の音律―内間安瑆の世界」(版画掌誌第4号所収)
○永津禎三「内間安瑆の絵画空間」
○内間安瑆インタビュー(1982年7月 NYにて)第1回、第2回、第3回

このブログでは内間安瑆、内間俊子のお二人の作品を紹介してきましたが、いままでの私たちの関わりからどうしても安瑆先生の情報が多くなってしまいました。
内間俊子先生が遺された作品、活動された軌跡に関しては今後の課題として、研究者の皆さんに協力していただき継続して顕彰してまいりたいと思っています。
具体的な目標の一つとしては、数年後の美術館レベルでの展覧会の開催があります。
そのためには、お二人の遺した作品をなるべくたくさん調査、情報を収集したいと思います。皆様のご協力をお願いする次第です。
●内間安瑆先生と同時代の人たちとの交流については、
7月25日ブログ「オリヴァー・スタットラーと内間安瑆」
7月28日ブログ「イサム・ノグチと内間安瑆」
7月30日ブログ「内間安瑆先生と早稲田の友人たち」
で少し紹介しました。
本日は雑誌『みづゑ』1957年5月号(No.622)に掲載されたイサム・ノグチの「内間君のために」を再録します。
~~~
“偶然というものは神の声”と云われているが,それに耳をかたむけ,それに注意するもののみに大きな恩寵がある.この意味において,2年前内間君が帰米を延期せざるを得なかったという事情に天の啓示があったように私は思う.彼は元来(画家として)何のために日本に来たかという答を見出す今一つの機会が与えられたのである.
彼が,古来よりの文化的伝統を深く追究したことは事実だが,それにもかかわらず,彼はそれのもつ充分な意義と正面から取りくむことをさけていたように思えた.やがて国へ帰る1 人の来訪者のように―. しかし実際にはここから脱出出来ないこと,ここにも他の地と変らぬきびしい現実があるのだという事実に直面し,彼はこの地に止まって,さ細なものから組立てて,自分を取りまく世界の解釈を探し求める勇気を出した.
いま,彼がアメリ力へ行くとするならば,(そんなことはもはやさほど重要ではないが―)この天啓の収穫をもって行くだろう.
内間君のために イサム・ノグチ


内間安瑆「風のワルツ」
『みづゑ』No.622(美術出版社)は表紙を内間の《サムライ》で飾り、20~24ページにかけて「内間安瑆の版画」を特集した。イサム・ノグチのエッセイは20ページに掲載され、内間作品は1957年3月の養清堂の個展出品作品から「風のワルツ」「仙人」「祭太鼓」「木琴」が図版掲載された。

アメリカに帰国する安瑆と俊子を見送るイサム・ノグチ(右)。
●内間安瑆の作品紹介
内間安瑆は1921年アメリカに生まれます。苗字からわかるように父と母は沖縄からの移民です。1940年日本に留学、戦時中は帰米せず、早稲田大学で建築を学びます。油彩の制作をはじめ、後には木版画に転じます。
1950年アンデパンダン展(東京都美術館)に出品。1950年代初めにイサム・ノグチと知り合い、以降親しく交流する。1954年オリバー・スタットラーの取材に通訳として同行し、その著作に協力した。
その折に創作版画の恩地孝四郎にめぐり合い大きな影響を受けます。
1954年デモクラート美術家協会の青原俊子と結婚。1955年東京・養清堂画廊で木版画による初個展を開催。1959年妻の俊子と息子を伴い帰米、ニューヨーク・マンハッタンに永住。版画制作の傍ら、サラ・ローレンス大学で教え、1962と70年にグッゲンハイム・フェローシップ版画部門で受賞。サラ・ローレンス大学名誉教授を務めました。
日米、二つの祖国をもった内間安瑆は浮世絵の伝統技法を深化させ「色面織り」と自ら呼んだ独自の技法を確立し、伝統的な手摺りで45度摺を重ねた『森の屏風 Forest Byobu』連作を生み出します。現代感覚にあふれた瑞々しい木版画はこれからもっともっと評価されるに違いありません。
1)

"Hermit"
1957年
木版
イメージサイズ:77.1×41.0cm
フレームサイズ:96.3×58.4cm
サインあり
2)

"An Emotion (或る感情)"
1959年
木版
イメージサイズ:40.8×30.2cm
シートサイズ:42.6×30.9cm
サインあり
3)

"Shifting Horizon"
1960年
木版
イメージサイズ:31.7×24.0cm
シートサイズ:53.0×38.0cm
Ed.15
サインあり
4)

"Early Summer Rain"
1961年
木版
イメージサイズ:50.5×38.0cm
シートサイズ:61.5×45.5cm
サインあり
5)

"Spring Snow"
1962年
木版
イメージサイズ:77.5×33.5cm
フレームサイズ:93.6×49.8cm
サインあり
7)

"Reflection in Rain"
1965年
木版
イメージサイズ:46.0×41.0cm
シートサイズ:49.5×44.0cm
サインあり
8)

"City Lights"
1967年
木版
イメージサイズ:54.0×41.0cm
シートサイズ:60.0×44.0cm
サインあり
9)

"Pastoral Poem"
1967年
木版
イメージサイズ:39.3×18.1cm
シートサイズ:44.8×30.6cm
サインあり
10)

"Short Poem Black and Red"
1967年
木版
イメージサイズ:31.7×24.0cm
シートサイズ:44.6×31.1cm
サインあり
11)

"Ruins B"
1967年
木版
イメージサイズ:17.6×55.6cm
シートサイズ:22.6×60.1cm
Ed.30
サインあり
12)

"Short Poem"
1967年
木版
イメージサイズ:17.6×55.6cm
シートサイズ:22.8×60.7cm
サインあり
13)

"Time, Space-Horizontal B"
1969年
木版
イメージサイズ:35.5×75.8cm
フレームサイズ:55.5×95.5cm
Ed.30
サインあり
14)

"In Space Pink"
1969年
木版
イメージサイズ:76.0×50.5cm
シートサイズ:84.0×57.0cm
サインあり
15)

"Space Landscape (C)"
1970~75年
木版
イメージサイズ:76.0×51.5cm
シートサイズ:79.5×58.5cm
サインあり
16)

"Two Spheres in Space"
1971~73年
木版
イメージサイズ:76.0×52.0cm
シートサイズ:86.6×59.9cm
Ed.30
サインあり
17)

"I-V Space Tranquility"
1972年
木版
イメージサイズ:70.6×53.1cm
シートサイズ:82.4×61.4cm
サインあり
18)

"Space Gesture"
1972~76年
木版
イメージサイズ:73.5×53.0cm
シートサイズ:78.5×58.0cm
Ed.30
サインあり
19)

"Aretic Landscape"
1973~76年
多色木版 Color woodcut
イメージサイズ:76.0×53.4cm
シートサイズ:83.7×61.3cm
Ed.30
サインあり
20)

"In Blue"
1973
多色木版 Color woodcut
イメージサイズ:7.8x11.0cm
シートサイズ:20.2×25.3cm
Ed.200
サインあり
21)

"In Blue (Dai)"
1975年
木版
イメージサイズ:47.7×73.6cm
シートサイズ:57.0×78.8cm
Ed.30
サインあり
22)

"Window Nuance (Rose)"
1978年
木版
イメージサイズ:30.0×22.0cm
シートサイズ:37.5×28.5cm
サインあり
23)

"Forest Byobu with Bouquet"
1979年(2001年プリント)
木版
イメージサイズ:19.7×26.5cm
シートサイズ:24.0×31.4cm
Ed.35(内Ed.1からEd.10が作家による自摺り)
※版画掌誌4号A版挿入作品
24)

"Forest Byobu (Autumn)"
1979年
木版
イメージサイズ:45.5×76.0cm
シートサイズ:55.0×88.0cm
サインあり
25)

"Forest Byobu (Fragrance)"
1981年
木版(摺り:米田稔)
イメージサイズ:76.0×44.0cm
シートサイズ:83.6×51.0cm
限定120部 サインあり
*現代版画センターエディション
26)

"Forest Weave (Twilight Weave) A"
1981年
木版
イメージサイズ:59.5×52.7cm
シートサイズ:71.0×60.3cm
サインあり
27)

"Forest Weave (Bathers-two-cobalt)"
1982年
木版
イメージサイズ:68.0×49.0cm
シートサイズ:82.0×57.0cm
サインあり
28)

"Forest Weave (Bathers-two-cobalt)"
1982年
キャンバスに油彩
91.5×66.0cm
29)

"Forest Weave (Bathers-Fall)"
1967年
木版
イメージサイズ:54.0×41.0cm
シートサイズ:60.0×44.0cm
サインあり

"Unknown"
1982
紙に水彩
イメージサイズ : 8.5x6.0cm
シートサイズ : 14.0x8.2cm
サインあり
31)

"Forest Byobu (Steps)"
1980年
銅版
イメージサイズ:14.3×9.3cm
シートサイズ:28.4×25.0cm
サインあり
32)

"Shrub Oak (Steps B - Black)"
1981年
銅版
イメージサイズ:14.5×11.8cm
シートサイズ:28.3×22.8cm
サインあり
33)

"Shrub Oak (Steps B - Green)"
1981年
銅版
イメージサイズ:14.4×12.0cm
シートサイズ:28.3×23.0cm
サインあり
34)

"Self Portrait with flower (A)"
1982年
銅版
イメージサイズ:12.6×9.0cm
シートサイズ:28.9×27.8cm
サインあり
35)

"Self Portrait (D)"
1982年
銅版
イメージサイズ:7.6×8.0cm
シートサイズ:28.4×28.8cm
サインあり
36)

"Self Portrait (E)"
1982年
銅版
イメージサイズ:7.5×8.5cm
シートサイズ:28.7×28.2cm
サインあり
37)

"Rose One (B)"
1982年(2001年プリント)
銅板
イメージサイズ:11.7×9.0cm
シートサイズ:32.0×25.6cm
Ed.135(内Ed.1からEd.10が作家による自摺り)
※版画掌誌4号A版・B版挿入作品
38)

"ウエストチェスター (November)"
1982年
銅版
イメージサイズ:7.5×8.5cm
シートサイズ:28.7×28.2cm
サインあり
●内間俊子の作品紹介
内間俊子は旧姓・青原、高知県にルーツを持ち、1918年満州・安東市で生まれました。1928年大連洋画研究所で石膏デッサンと油彩を学び、1937年に大連弥生女学校を、1939年には神戸女学院専門部本科を卒業。帰国後、小磯良平に師事します。1953年瑛九らのデモクラート美術家協会に参加。 この頃、久保貞次郎や瀧口修造を知り、 抽象的な油彩や木版画、リトグラフを制作し、デモクラート美術展に出品します。
1959年夫の内間安瑆と渡米後はニューヨークに永住し、制作を続けます。1966年頃から、古い切手、絵葉書、楽譜、貝殻や鳥の羽などが雑誌の切抜き等でアレンジして封印したボックス型のアッサンブラージュやコラージュの制作に取り組み、全米各地の展覧会や日本での個展での発表を続けました。1982年からは体の自由を失った夫を18年間にわたり献身的に看病します。介護をしながらの限られた時間の中でも制作は続けられました。作品は「夢、希望、思い出」をテーマにしたものが多く、日常の「モノ」たちの組み合わせから内間俊子の人生の記録が表現されています。
2000年 5月9日安王星が79歳の生涯を静かに終えると、その後を追うかの如く、同年12月18日ニューヨークで死去されました。
39)

"橋 (Bridge)"
1965年
木版
イメージサイズ:57.0×42.5cm
シートサイズ:61.0×45.0cm
サインと日付あり
40)

"Signal"
1974年
ボックスアッサンブラージュ
ボックスサイズ:34.0×27.5×5.5cm
サインあり
41)

"Lady photographer"
1977年
ボックスアッサンブラージュ
ボックスサイズ:31.0×41.2×3.5cm
フレームサイズ:42.0×49.0×3.0cm
サインあり
42)

"イタリーよりのパッケージ Package from Italy"
1977年
コラージュ
イメージサイズ: 50.5x35.0cm
シートサイズ: 57.5×42.7cm
サインあり
43)

"From the Provence - Avignon-"
1977年
コラージュ
ボックスサイズ:36.0×28.3×3.5cm
サインあり
44)

"蝶のデュエット (Butterfly Duet)"
1978年
ボックスサイズ:36.0×28.5×3.5cm
サインあり
45)

"A bachelor"
1980年
コラージュ
ボックスサイズ:18.0×13.0×3.5cm
サインあり
46)

"クラシックな夢をうる店 フィラデルフィア The store where classic dreams are sold"
1982年
ボックスアッサンブラージュ
ボックスサイズ:55.5×36.3×6.7cm
サインあり
47)

"Fantasy in 1908"
1985年
コラージュ
イメージサイズ:58.0×38.0cm
シートサイズ:73.0×51.0cm
サインと日付あり
48)

"Edelweiss in the Alps"
1984-86
コラージュ
イメージサイズ: 51.0×28.5cm
フレームサイズ: 36.5x59.0cm
サインあり
49)

"Cotton Jinのころ"
1986年
ボックスアッサンブラージュ
ボックスサイズ:65.5×33.0×11.5cm
サインと日付あり
50)

"Three Gentlemen in Red and Black"
1989年
コラージュ
イメージサイズ:51.0×81.0cm
シートサイズ:56.087.0cm×
51)

"Dancing Angel"
コラージュ
イメージサイズ:65.0×50.4cm
シートサイズ:59.0×70.5cm
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆ときの忘れものは「内間安瑆・内間俊子展」を開催しています。
会期:2018年7月17日[火]―8月10日[金] ※日・月・祝日休廊
内間安瑆の油彩、版画作品と内間俊子のコラージュ、箱オブジェ作品など合わせて約20点をご覧いただきます。
○水沢勉「ふたりでひとり―内間安瑆と内間(青原)俊子」
○水沢勉「版の音律―内間安瑆の世界」(版画掌誌第4号所収)
○永津禎三「内間安瑆の絵画空間」
○内間安瑆インタビュー(1982年7月 NYにて)第1回、第2回、第3回

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